※当映画祭は、「激突!」「マッドマックス2」「ヒドゥン」「ターミネーター」などを誰よりも高く評価した俺たちのアボリアッツ国際ファンタスティック映画祭の意志を勝手に継いで、誰から請われるわけでもなく昨年に続いて開催するもの。


いよいよ最終日!マイフェイバリット作品についてです。1月中に終われてよかった…


世間的な傑作とか名作ではなく、当映画祭が選ぶ、2023お気に入り映画のランキングです。もし明日やり直せば順位はきっと入れ替わりますので、順位にはさほど意味はありません。


◼️30〜21位


30位 アウシュビッツからの生還者

29位 先生!口裂け女です!

28位 こいびとのみつけかた

27位 離ればなれになっても

26位 ほつれる

25位 CLOSE/クロース

24位 マリッジカウンセラー

23位 よりそう花ゝ

22位 女優は泣かない

21位 アシスタント


◼️20位〜11位


20位 推しが武道館行ってくれたら死ぬ

19位 きっと、それは愛じゃない

18位 理想郷

17位 山女

16位 バカ塗りの娘

15位 To Leslie トゥ・レスリー

14位 まなみ100%

13位 こん、こん。

12位 かがみの孤城

11位 BLUE GIANT


◼️10位

「トリとロキタ」


どこまでも下衆な大人たちが世界の構造を作っている。ダルデンヌ兄弟の純粋なヒューマニズムが炙り出す現代の正解と大間違い。強靭な作品だった。1位でもいい。


◼️9位

「ソウルに帰る」


主人公が原点に回帰する映画は山ほどあるけれど、こんなに複雑で予測不能な主人公と辿る旅路には記憶がない。

無関心、探求心、奔放、不誠実、冷淡、慕情。「感動を作る」という言葉がどれだけ手を伸ばそうと届かない場所で産み落とされた傑作。1位でもいい。


◼️8位

「対峙」


シン・激突!

ものの言い方や言葉の選択が第三者から見ても違和感を覚えるのでヒヤヒヤさせられ、とんでもないスリルとサスペンスだから恥ずかしいぐらいに手に汗を握る白熱教会!

観客の想像力を信じてくれた喜びを感じられる、登場人物が置かれてる環境や役割についての説明のなさよ。原題が意味を持つラストに、感動ってこういう種類のもあったのかと唸らされる。1位でもいい。


◼️7位

「アンダーカレント」


沈黙したまま底流に沈んでいたくなって2回観たのにまだレビューを書いておらず。言語化しないほうがいい気がしてる今泉力哉作品。1位でもいい。


◼️6位

「市子」


すべてはフェイク

でもそのすべて真実


冒頭の木漏れ日から市子の足元へ移るカメラワークに魅了され、最後までは見せきらない脚本に痺れた。説明不足という映画表現は本当に最高だ。僕が出来ることは、川辺市子をいつまでも忘れないこと。忘れようがない。その魔性も、鼻歌で人間心理の深淵を滲ませる魔力も。

気をつけろ、鼻歌を歌うとき、深淵もまた鼻歌を歌っているのだ。1位でもいい。


◼️5位

「17歳は止まらない」


道徳や通念や社会的立場があったって、好きは止められないのだ。

やり方が無茶苦茶、常に猪突猛進、衝動が行動原理。苦労人で痛快な主人公・瑠璃の登場だ。また、クズっぷりを見せずにクズを演じる脇役界隈の雄、中島歩の快進撃も止まらない!

AV出身のおじさん監督がこんな青春映画を撮れる驚き。僕は今日若返った。 1位でもいい。


◼️4位

「あつい胸さわぎ」


冒頭の通学シーンで、もう大勢は決まった。映画史上ベスト通学シーンだが、ベスト漁港もベスト自転車もベスト階段もある。少女は階段を降りながら大人の階段を登るものなんだっていくつかの映画で学んできたとおりだ。

困難や誤解やいざこざを乗り越えて乗り越えて、やっと、もっと大きな困難に対峙するまでを描く作品。物語の8割しか描かない映画が本当に好きだけど本作の場合は5割かも。実に潔い。観客の自由な想像力を信じてくれたんだなと嬉しくなる。

前田敦子と焦げすぎたトーストを見逃すな。1位でもいい。


◼️3位

「シンデレラガール」


無駄を削ぎ落とし、感動や涙を排除した脚本。悲劇にしない、美談になどするものか。

後半は主人公の苦悩さえも省略。わずか61分の上映時間なのに、排除や省略した部分をたっぷり想像出来るから、実に濃密で、180分ぐらいの映画を観た気分だ。そして今もまだ佐々木音羽のことを考えている。映画を咀嚼する時間もまた映画鑑賞の時間だと思うに至り。そのわずか61分のうち冒頭の15分で見せるあれについても。1位でもいい。


◼️2位

「遠いところ」


レビューを書けずにいる、物語的にはなんの救いもない作品。ひたすら辛く、苦しい。沖縄の裏通りを抜けて街へ出ていく主人公を追うカメラが凄い。

どうにもしてやれないもどかしさを抱えたまま生きていくしかない。でもそれに意味がないとは思わない。1位でもいい。


◼️1位

「オオカミの家」


シン・カメラを止めるな。

悪夢的イマジネーションの連打によって空間もキャラクターも無限に破壊され、無限に生まれ続ける。それを追うカメラは一度たりとも止まらない。な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何を見たのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった…

2023年唯一、関連商品を思わず買った作品。


大豊作の2023年でした。映画が好きでよかった。


◼️トホホ作品

「ゴジラ-1」


すべての元凶は稚拙な脚本。俳優が下手くそに見えて気の毒で仕方なかった。ヒトリボッチ国際ファンタスティック映画祭で取り上げられている、説明不足を美学とする映画の数々を観て学んでほしい。VFXも相変わらず手のひら感覚。スケール感が出せない人だ。

あんな作戦にゴジラが引っかかるわけがない。あれ、何時間もゴジラはそこで立ち泳ぎしてたってことだぞ。ゴジラを馬鹿にするな。


第1日の様子はこちらから!