夫と見るTV | あの頃は若かった

あの頃は若かった

50代半ばの生活や仕事、人間関係について書いています。老化や性のこと、心や精神世界のことなど、現在の課題について考察しています。

最近はようやく夫のことを少しずつ許せるようになってきた。許せると言っても夫が何か悪いことをしたわけでもないんだけど、今までの私への寄り添い感のなさとか、女性として扱われなかったとか、そういう類のことである。そういうのももう絶対にわかりあえることはなくて、残念ながら長いこと心も身体も離れたままだ。

 

許せないことは今も多々あるけれど、もう過去をふり返っても仕方がない。それに長年連れ添った情けというか、さすがに苦しみや災いからは守ってあげたい。仲良くおでかけや旅行なんかはできない(そもそも夫は外出を嫌う)。子どもや親族関係のみ一緒に動くだけ。もうそれくらいでいい。

 

インドアな田舎ものの夫婦で、寒冷地なのもあり、電気代の節約で仕方なくリビングで一緒に過ごす。共有するのはTVのみ。夫はぼっちキャンプとかウォーキングのひむ太郎とか世田谷ガレージとかそういうのが多いので私はあまり興味はないのだが、たまにドラマをいくつか一緒に見た。

 

ここからは今季ドラマの感想。

今期は話題になったものも含め、良質でよいドラマが多かったように思う。

 

☆春になったら(月10時/フジ)

余命3か月の診断を受けた父親(木梨憲武)と、3か月後に結婚式をあげる助産師のひとり娘(奈緒)の物語。木梨さんの死に対する演技と滲み出る悲しさ潔さが、私的にはすごくリアリティがあってよかったなあと思います。「死ぬまでにしたいことリスト」、私なら何を書くだろうと考えた。

 

☆正直不動産(火10時/NHK)

嘘が付けない不動産営業マンのお話。主演は山下智久。住居という人生のステイタスに必要な不動産の世界で、つい正直なことを言ってしまう山Pの演技がとても好感が持てました。お仕事ドラマ好きの私にはとても興味深くおもしろかったです。

 

☆お別れホスピタル(土10時/NHK)

療養病棟、このドラマではホスピスのような役割の病院のようでしたが、死にいちばん近い場所で、患者さんの背景を知り、意思を読み取り、最期まで生きることを見届ける、そんな看護師の役を岸井ゆきのさんが演じていました。実は彼女の妹は摂食障害で希死念慮があり、死と背中合わせの生活という背景も抱えていました。患者さんや家族役の俳優陣もそうそうたるメンバーで、皆さん「素」で演じているのではないかと思うほどリアリティが半端なかった。死に際を考えさせられる、よいドラマでした。沖田×華さんという漫画家さんの作品が原作。同じ原作者で「透明なゆりかご」も昔NHKでドラマ化されていたのを見てました。

 

☆不適切にもほどがある!(金10時/TBS)

着眼点がとても斬新でおもしろかったです。時折ミュージカル調になるのも、そしてテーマも、現代の生きづらさの原因を見事に気付かせてくれたなあと感じました。夫や娘にも勧めて一緒に楽しみにして見ました。周りにも「このドラマだけは見た」という人が多かったです。

 

☆おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか(土深夜/フジ)

主人公は昭和の価値観や常識、偏見に満ちあふれた48歳の男性、誠(原田泰造)。会社ではハラスメント発言で疎ましがられ、家では不登校でひきこもりの長男やBL好き腐女子の長女の言動が理解できない、ありがちな父親。LGBTQの要素もかなり含んでおり、いろいろ考えさせられました。「おっさんが何のパンツを穿いていようと、誰も気にしない」というように、下着は見えないもので、何を穿いても自由。主人公の誠も徐々に性別や考え方は個人の自由であり、他人が干渉することはナンセンスだと感じるようにciaterより)。過去の言動を猛省し、現代の価値観にアップデートしていく姿はとても好感が持てました。

 

☆光る君へ(日8時/NHK)

音楽、演出、配役、すべて好きです。これはひとりで観ています。ところどころに恋への伏線や情熱が見られたり、貴族の権力争いなどもサスペンス要素があり、これからも楽しみが増していきそうです。