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 TODAY'S
 
#決断の時

 

腰まであった髪の毛が、自分のお店の床に無数に散らばり、、

呆然と立ち尽くしてしまった私。。。

 

抗がん剤の投与から1週間あまり・・ついにはじまった脱毛は

 

予想以上にホラーな展開だったゲッソリゲッソリ

 

病院から説明を受けていたので、わかっていたものの実際

床に散乱した自分の髪の毛を見ると

自分が、がん患者だという現実が迫ってきた。

 

いや、がん患者というよりも

「死」というものが、目の前にちらつく昇天昇天昇天

 

自分のお店の華やかな店内。窓から見える六本木の風景。

そのどれもが、もはや、もう自分のモノではない。

 

私は、もう、別の世界にいるのだ。

 

その後、お店に、常連のお客さんがきたので

私は、慌てて店内にあった帽子をかぶり

髪の毛が散らばらないようにして、接客をした。

 

頑張って、とり繕ったけれあど、心の中はだった。

何を話しても、ずっ~と うわの空だった。

もう。。無理だ。

この仕事、この会社、私、続けられない。

8年間、必死で頑張ってきたけど、もう、辞めていいよね。

 

昨日まで、あんなに、絶対に死守したいと思っていたのに

今の私にはその力など残ってなかった。

 

夜遅く仕事を終えて、自宅まで歩いて帰った。

 

私のお店のある六本木から、自宅のある麻布十番までの道。

六本木ヒルズからの下る坂道は、東京タワーが大きく見えて

大きなスターバックスは深夜まで空いているし、この道が大好きだった。

 

 

 

もともと、郊外育ちの私にとって、この道を歩いて通勤をすると

自分の平凡な日常が

少々ドラマチックな感じになるのだまじかるクラウン

 

「東京の中心で毎日を謳歌している主人公の私♡」になれる道飛び出すハート

 

なのに、今は、まぎれもなく不幸の主人公だ。

この後、髪の毛も抜けて、胸も手術で無くなるし

そもそも、生きていられるのかもわからない。

 

不幸に浸って

 

ちょっぴり悲劇のヒロインを楽しむ余裕も残ってない💦

 

 

この道の途中、私は、会社をしめることを決断した。

さようなら!私の8年間~!!!!

 

結婚もしてない。

子供もいない。

仕事もない。

 

社会にでると、皆、何者かになろうとして、必死だ。

私も気が付かぬうちにそうだったと思う。

もはや、何者でもなくなる自分に、一抹の不安を抱えたままの決断だった。

 

「また戻ってくればいいんだから。今は、治療に専念するんだ」

「絶対にまた、この場所にパワーアップして、戻ってくるんだ」

そう言い聞かせたえーん

 

と、なんとか前向き風に、決断した私だが

この決断がのちのち私を苦しめることになる・・・

だって、この後、無職になるんだもん。

自営業にとって仕事を休む=賃金なし ということなのだ( ´∀` )

 

いよいよ

貯金を全力で食いつぶす生活の幕開けだ~!!

 

続く・・
 
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