クリニックでの癌の告知から2週間、いよいよ、がん専門病院で精密検査をうけることになった私・・・
東京の湾岸にある、綺麗で大きな病院は、どこかサイバーな感じがして
なんだか最新の治療をしてくれそうで、どことなく安心感があった。
広々として、海の向こうには東京の綺麗な景色が見える病院だ。
そして、何より、驚いたのが、患者さんの数がめっちゃ多い。待合室の椅子は、座る席を探さなくてはならないほど。
あの人も、あの人も、み～んな癌なのかぁ～。
家族と一緒に来ている人。スーツのまま一人診察室の前にいる人。
あきらかに大変そうな人もいれば、ぴんぴん元気に見える人もいる。
自分の運命を呪い、自分だけが、不幸の渦に入っていた気がしたが
人は見かけによらず、色んなものを抱えて生きている。
そんなことを思った。
「今日は、全身の検査、脳の精密検査」をします。
そういわれたとき、私は、胸の癌なのに、
「なんで全身を調べるのだろう？」
そう思って看護師さんに質問をした。
「癌はタンポポの綿のように、全身に転移をすることがあるので
胸以外に転移がないか調べます」
転移！？→そこは考えてなかった💦
ドーン。鈍器でなぐられたような衝撃だった。
怖い怖い。怖すぎる💦
まるで、癌がアメーバーのように、全身にはびこっていくなんて・・
私の身体なのに、私の知らない事が起きている恐怖。
その後、はじめての大検査は
システム化されていて、どんどん、進んでいった。
沢山の患者さんが順に呼ばれ、検査していく様子は少し機会的で
更に不安が増した。
大きなドームに入ってヘッドホンをつけて受けた
機械音がすさまじいMRIも、なんだか宇宙船のようだ。
結局、朝から行った検査が終わるころには
すっかり日も落ちていた。
検査結果は、また1週間後。とぼとぼと、電車に向かった。
夕方のゆりかもめは、少し浮かれた観光客が多くて
そんな様子をみていたら、私は、また、自分の今の状況が現実ではなく
夢の中のような気持ちになった。
これから私は、どうなっていくのだろう。
今日からいよいよ、私の見知らぬ旅路がはじまる。
次回は、検査結果と、主治医の先生との対面だ。
続く・・
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