オトナの振る舞い | 水底の月

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恋の時は30年になりました 

事務局長とは、守る守らないでもよく言い争いになった。

 

 

私を自分の仕事に使うのならば、私が動きやすいように周りを整えて。もう少し私を守ってほしいという私に対して、それは出来ないと頑なになる事務局長。

 

「今行ってみてください。上司が昼寝してるのを発見できるはずですから」と懇願しても、事務局長はその場を取り押さえるというような動きを起こすことはしなかった。

 

 

今ならば、ま、そんなもんだろうねと思うけど。

 

そして逆の立場であったとしたら、同じようになだめつつ話を聞いて、聞いたとしても微笑んだままで、私もまたきっとそれ以上の動きはしないだろうと思う。取り押さえたところで解決にはならない。

 

「検討します」「真摯に受け止めます」

 

そういう上っ面が関の山だろう。そこは時間を割くべきポイントではないから。

特に「自分の女」であったとしたらば、なおさら。

 

 

でも、その当時は、「時に応じたオトナの振る舞い」は若い私の感情を逆撫でするには十分だった。

 

 

その頃には「事務局長にそれとなく伝えて」という職員の現状への不平不満などが具体的な形で私のところへ流れ込んでくることもあった。それはもともと職員の本音を知りたいという事務局長の、いわばスパイのなせる業、そのスパイは私、みたいなところもあったけど

 

「これは事務局長には言えない、言わないほうがいい」

 

と思うような不満、思わず同調してしまいそうになるようなことがもたらされることもあった。

 

 

 

・・・スパイが感情や判断力を持とうとするとロクなことにはならない。

 

 

 

「ジタバタしすぎ」「動きすぎ」

 

事務局長にそう言われたことがあった。
 

そう、ジタバタしすぎで動きすぎ。動くと危険なことが起こる。派手に動かないほうがいい

そんなことは解らない。

 

 

どんなに大人びた物言いができたとしても全てが大人ではない。

落とし穴はいくつも、自分で堀ったものもある。気づかぬうちに。

 

 

 

 

 

 


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