ローマのヴェネチア宮殿に残されたムッソリーニのオフィスを見たことがありますか
巨大なホールの片隅には、彼自身の机と椅子、そして来客用の椅子が2つあります。
ほかの家具類は見当たりません。
部屋の柱は、来訪者を威圧するような巨大な円柱形の大理石でできています。
柱や壁に描かれた装飾の建築的な効果によって、部屋はより広く、より荘重に見えるように工夫されているのです。
訪問者は入口の重いドアを開け、約20メートルも離れた彼の机の前までこの部屋の中を歩かなければいけません
この間、来訪者はオフィスの主の偉大さを嫌というほど知らされることになり、その緊張感は大変だったことでしょう。
ムッソリーニは、巨大なオフィスを後光にして、自分自身の存在感をさらに大きく見せようとしたのです。
きわだって優れた特徴があると、それが後光になり、その男性が実際よりも優秀に見えるというのが、〝後光効果〟です
ムッソリーニが訪問者を圧倒するオフィスで自らの威光を示したように、男性というのは、自分の部屋に自らの実力を語らせようとします。
そこで、男性は、より大きな家、より広い部屋、より大きな車にこだわるというわけなのです