紅葉のしくみ

秋になり野山の樹木たちが赤や黄色に色づく様子には感動を覚えるものですが、植物の葉の色が美しく変化するのはどうしてなのでしょうか

植物の草や葉の色は、本来は緑色をしています。

それは、あらゆる植物には緑色の色素であるクロロフィル（葉緑素）が含まれているからで、光合成をおこない、糖などの化学成分を作り出すクロロフィルは植物には欠かせないものです

葉のなかには緑色だけでなく、カロチノイドと呼ばれる黄色やオレンジ、赤などの色素も含まれていて、光合成はできませんが、なかには捕えた光エネルギーをクロロフィルに変える働きをもつものもあります。

秋になり日照時間が減り気温が下がってくると、植物は葉を落とす準備にとりかかり、葉は冬を越すための栄養分を蓄えるために、それまでつくり出してきたクロロフィルを分解して栄養分に変えます。

するとクロロフィルの陰に隠れていたカロチノイドの色が見えてきて、これが紅葉です

紅葉には昼と夜の気温差も関係があり、昼間気温が高く夜急に気温が低くなるとクロロフィルの分解が早く進みます。

そのため、気温差が大きい内陸部や山間部では紅葉がきれいに見え、気温差が少ない平野部では紅葉がくすんで見えます。

持ち物が語る人の器

ローマのヴェネチア宮殿に残されたムッソリーニのオフィスを見たことがありますか

巨大なホールの片隅には、彼自身の机と椅子、そして来客用の椅子が2つあります。

ほかの家具類は見当たりません。

部屋の柱は、来訪者を威圧するような巨大な円柱形の大理石でできています。

柱や壁に描かれた装飾の建築的な効果によって、部屋はより広く、より荘重に見えるように工夫されているのです。

訪問者は入口の重いドアを開け、約20メートルも離れた彼の机の前までこの部屋の中を歩かなければいけません

この間、来訪者はオフィスの主の偉大さを嫌というほど知らされることになり、その緊張感は大変だったことでしょう。

ムッソリーニは、巨大なオフィスを後光にして、自分自身の存在感をさらに大きく見せようとしたのです。

きわだって優れた特徴があると、それが後光になり、その男性が実際よりも優秀に見えるというのが、〝後光効果〟です

ムッソリーニが訪問者を圧倒するオフィスで自らの威光を示したように、男性というのは、自分の部屋に自らの実力を語らせようとします。

そこで、男性は、より大きな家、より広い部屋、より大きな車にこだわるというわけなのです

離着陸時に照明を落とすわけ

旅客機では、夜間の離着陸のとき、客室内の照明が落とされて暗くなります。

離着陸のときには、上昇・下降するために気分が悪くなったりする人が出てきます

そういった不快感をやわらげるために照明を落としているのでしょうか。

飛行機事故は離着陸のときに起きやすいといわれています

夜間の離着陸のときに、事故が発生し、緊急脱出をしなければならないということが起こるかもしれません。

そんなとき、暗闇に目が慣れていないと、すばやく行動することができません。

明るい場所から暗い場所へ入ると、最初のうちはよくものが見えず、徐々に見えてくるようになります。

こうした現象を暗順応（あんじゅんのう）といいます

明るい道路を走っていて、トンネルに入ったときに周囲が見えにくくなるという経験をしたことがあるでしょう。

暗闇に目が慣れるまでには、少し時間がかかるのです。

そこで、万一の事故に備え、離着陸のときには、客室内の照明を落として暗くし、暗さに目を慣らしているというわけです

他にも客室内の照明を暗くするときがあります。

長距離を飛ぶ路線で映画を上映するとき、乗客が休むときです。

休むときには窓のサンバイザーも下ろします。

「ごめん駅」と「ありがとう駅」

土佐くろしお鉄道の「ごめん・なはり線」には、「ごめん駅」と「ありがとう駅」があります。

「ごめん・なはり線」は愛称で正式名称は阿佐線といいますが、現地の案内や時刻表などの表記には愛称の「ごめん・なはり線」が使用されています。

「ごめん駅」は正式に書くと「御免駅」で、駅のホームには男の子のキャラクター像「ごめん　えきお君」が駅員の服装をして建っています。

「ごめん　えきお君」をデザインしたのは、高知県出身の漫画家やなせたかしさんです

「ごめん・なはり線」の20駅にはそれぞれ、やなせさんデザインのオリジナルキャラクターが設定されていて、「ごめん・なはり線」のイメージアップに貢献しています。

「ごめん　えきお君」の隣に「ありがとう駅」がありますが、これは正式名称「御免町駅」の愛称で、「ありがとう駅」のキャラクターは赤い服を着た女の子「ごめん　まちこ」さんです。

「ごめん」があるなら「ありがとう」も、ということでやなせさんが命名したそうです。

阿佐線は建設が計画されるも工事が凍結され、地元の人々が待ちわびる中やっと工事が再開され、ついに開業することができた路線です。

公募によって決まった愛称「ごめん・なはり線」には地元の人々の悲願が込められているのです

富士山の初冠雪はどうやって決められるのか

富士山は一年を通じて雪に覆われている期間が長いです

1月頃は当然、山頂は雪に覆われていて、そのまま山頂の雪は初夏まで残り、下界では猛暑日が続くような夏でも天候によっては雪が降ります。

「初冠雪」とは、夏の終わりごろに富士山の山頂を麓から眺めて山頂がうっすらと雪に覆われた状態になることをいいますが、「初」とつくからにはその年の「初めての冠雪」のはずです。

富士山はほぼ一年を通して雪があるのに、どこを区切りにして「初冠雪」というのでしょうか

これには決まりがあり、その年の山頂の平均気温が最も高かった日を基準にして、それ以降の日で山頂に雪が降り、麓から見て雪に覆われた状態になった日が「初冠雪」となるのです。

山頂における１日の平均気温が最高となった日が決まらなければ初冠雪も決まりません。

富士山ではこの山頂の平均気温が最も高い日は、季節の変わり目を示す重要な日で、この日以降に最初に降った雪を富士山では初雪と呼び、反対にこの日以前で最後に降った雪は終雪です。

たとえば８月半ばに雪が降り初雪だと思っても、８月下旬にもっと暑い日があれば終雪になってしまうかもしれません。

富士山では、山頂の１日の平均気温が最高の日が決まらないことには初冠雪も初雪も終雪も確定しないのです。

歴史国道の条件とは

「熊野古道」が世界遺産に登録されてからというもの、「道」の景観が注目されるようになりました。

前後して、道が持つ文化史的な側面も見逃してはいけないということで、国が「歴史国道」の整備事業を開始しました。

国土交通省が定義する「歴史国道」というのは、一里塚、関所、並木、宿場などの歴史的な面影を残しており、文献などによって歴史的評価が定まっている道、のことだそうです。

また、江戸時代以前に、広域的な道路ネットワークを形成していた道路の一部だったなど、地域間交流に重要な役割を果たしていた、ということも条件となっています。

さらに、街道などが残っているとともに、地元が歴史や文化を生かした地域活動の構想をしっかり持っており、国の行う整備に合わせて様々な行事を開催したり、地域活性化の発信基地となることも必要だといいます。

かつて人や物や情報が往来した形跡が残っており、これからはそれを守りながら、新しい文化や情報も往来する道にしていきたいというのです。

北海道では、「赤松街道」と名付けられた国道5号の一部が「歴史国道」として指定された他、山陽道と山陰道を結んだ「石見銀山街道」や「出雲街道」、九州の「日田往還」などがあります

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シシャモは身の大きさではなく卵の熟度が重要

漁師の網にかかって喜ばれるのは、子持ちのメスシシャモ

では、シシャモのオスはというと、選り分けられて廃棄されるか家畜のエサに回されます。

子持ちのメスシシャモは水揚げされたらすぐに値段の交渉が始まります。

交渉の決め手になるのは身の大きさではなく、あくまで卵の熟度です。

交渉の場では、数匹のメスの腹が裂かれ、まるでチューブをしぼるように、デジタル計りの上に卵が押し出されます

その卵の目方を量り、元のシシャモに対する目方の割合を計算します。

それが卵の熟度の基準となります。

熟度とは、そのシシャモの卵がいかに産卵期に近いかを示す基準です。

この熟度が低いと卵が若く、商品としての魅力は乏しくなります。

かといって熟度が高すぎると、干したときに卵が腹から飛び出してしまいます。

両方とも、値引きの対象となってしまうのです

ただし、現在スーパーや居酒屋で見るシシャモは、カナダやノルウェー、アイスランドなどからの輸入品で、北海道のシシャモとは種類も違っています。

北半球の寒帯に広く分布し、川をさかのぼる性質をもたない「ケープリン」という魚で、これが別名「カラフトシシャモ」と呼ばれ、日本の食卓の主流を占めています

北京ダックの肉の部分はどうなるのか

北京ダックを初めて食べたとき、皮しか出てこないことに驚いた人もいるでしょう。

北京ダックは、高タンパクのエサで太らせたアヒルを、こんがり焼き上げた料理で、肉ではなくパリっとジューシーな皮を、薄い小麦粉の皮（薄餅）に巻いて食べる贅沢な料理です。

テーブルに出されない北京ダックの肉の部分は、どう処理されているのでしょうか。

肉の使われ方で多いのは、ラーメンの具などに利用されるケースです

ほかには、従業員用のまかない料理に使っている店もあります。

いずれにしても、皮に比べて味の劣る肉は、北京ダックの一部としては扱われないわけです。

その一方で、初めから肉の部分もスライスして出してくれる店もあります。

ちなみに対応は店によって様々ですが、肉も一緒にくださいと注文することは、マナー違反ではないようです。

また、肉で何か作って欲しいと頼めば、チャーハンやモヤシ炒めなどに使ったり、サラダにのせるなどして出してくれるところもあります。

さらに、本場中国の北京ダック専門店になると、骨でダシをとってスープにするのはもちろん、内臓や水かき、舌なども別の料理として出されることが多いようです。

本場の北京ダック料理は、皮・肉・骨で１つのセットなのです

漢方の副作用

西洋医学の薬品とは違い、漢方薬には副作用はないといわれてきました。

しかし、薬品と比べると比較的少ないというだけで、漢方薬にも副作用はあるようです。

たとえば、風邪薬として飲まれている葛根湯ですが、胃腸障害や動悸を起こしたり、多く飲むと脱水症状になることもあるんだそうです

薬そのものの副作用というわけではなく、選び方を間違えてトラブルが起きることもあります。

冷え症を解消するために血液の循環をよくする薬を飲んだところ、むくみが出てしまったということもあります。

漢方では症状に合わせて薬を決めるのではなく、原因となる体質に応じて決めるので、簡単に冷え症といっても、誰にでも同じ薬が効くとは限らないのです。

血行をよくすればいいのか、からだの中の水分を出せばいいのか、といったことを判断しなければ、薬が悪影響を及ぼすのです。

そして、複数の漢方薬を同時期に服用した結果として、甘草という生薬成分が重複して、体調を崩してしまうなんてこともあるんだそうです。

西洋医学では対応しにくい不定愁訴や、検査には表れにくい不調などは漢方医学で治療する。

こうして治療の幅が広がっているのです。

今では、漢方薬を使っている医師は8割にものぼっているんだそうです

隕石が落ちてくる確率

毎年地球には、宇宙から200トンもの物体が飛んできているそうです。

その大部分は宇宙塵で、大気圏に突入すると地上に近づく前に燃え尽きてしまいます。

ただし、10グラムを超える岩石のかけらも１万個以上、地上に落ちてきているそうです。

では家をたくさん建てれば、それだけ隕石が家に落ちる可能性は高くなるのかというと、あっても年に１、2回だといいます。

隕石はどこにでも落ちますが、どこでも発見されるというものではありません

発見される隕石は、ほとんどがサハラのような砂漠地帯か南極大陸などに集中しています。

それは、これらの地域はいずれも隕石がそのまま保存され、しかも発見しやすいという条件をもっているからにほかなりません。

海に落ちた隕石はたいていの人は気づかないし、発見もされないからです。

砂漠や南極に落ちる隕石の数と同じだけイギリスにも落ちているはずですが、イギリスでは見付けることは難しいようです。

簡単にいえば、隕石がイギリスに落ちても、あっという間に見失ってしまうのです。

イギリスは木々や農耕地など豊かな自然におおわれているので、隕石がひとつ茂みに落ちても見つかりません。

どうやら、隕石が自分の家に落ちてくることは、宝くじに当たるより確率が低そうです