<ヘミングウェイ、
ジョイス、
O・ヘンリ>
627.「ヘミングウェイ短編集(二)」
アーネスト・ヘミングウェイ
短編集 大久保康雄:訳 新潮文庫
収録作品
1.五万ドル
2.十人のインディアン
3.贈りもののカナリヤ
4.アルプスの牧歌
5.追走レース
6.身を横たえて
7.清潔な明るい店
8.世の光
9.海の変化
10.スイス礼賛
11.死者の博物誌
12.ワイオミングの葡萄酒
13.父と子
14.フランシス・マコーマーの短い幸福な生涯
とりあえず二冊揃ったヘミングウェイの短編集。
この二冊目でいうと、
『フランシス・マコーマーの短い幸福な生涯』ですね。
アフリカを舞台にした夫と妻の話で、
『キリマンジャロの雪』を思い出させますが、中身はちょっと
ひねってあります。
それにしても、新潮文庫版<ヘミングウェイ全短編3巻>を
買わなくちゃいけないなあ……。
とともに、
さよなら、<大久保康雄:訳>のヘミングウェイ。
ありがとうございました。
628.「ダブリン市民」
ジェイムズ・ジョイス
連作短編集 安藤一郎:訳 新潮文庫
収録作品
1.姉妹
2.邂逅
3.アラビー
4.エヴリン
5.レースのあと
6.二人のいろごと師
7.下宿屋
8.小さな雲
9.対応
10.土くれ
11.痛ましい事件
12.委員室のパーネル記念日
13.母親
14.恩寵
15.死せる人々
『ダブリン市民』は、十五編の短編から成り、
ことごとくダブリンとダブリン人を題材にして、
幼年、思春期、成人もしくは老年の人間によって、
愛欲、宗教、文化、社会にわたる「無気力」(麻痺パラリシス)の状況を
鋭敏に描いたものである。
<解説より>
……ジョイスで、『ダブリン市民』と言えば、
避けて通れない<言葉>がこれでしょう。
『エピファニー』
なんか、検索すると逆にややこしく説明してあるけど、
元はと言えばこんな感じ。
二十代の初期におけるジョイスは、
詩のほかにスケッチ風の短い散文を書きはじめていて、
これを彼自身が「エピファニー」と称していた。
――「エピファニー」というのは、
宗教上の意味でキリストの降臨を言うのであるが、
それから何か神聖な、
もしくは超自然的存在の顕示あるいは出現をさすのである。
<解説より>
パッと見、この説明だと、
モローの『出現』を思い浮かべてしまいますが……。
ジョイスの事だから、
またぞろ<造語>の類いだろうと思っていたんですが。
その点は先に紹介したアントニイ・バージェスの
『時計じかけのオレンジ』の方に分がありますかね。
それをまあ、これでもか、と言わんばかりに、
<小むつかしく>説明する風潮、
何なんですかね。
この手の『言葉』につきものの、”絶対に付かないもの” 。
それは、<たとえ>です。
例文を挙げてこのような文脈で使う、とか、
そんな ”形而下” の作業にはわざと距離を置いているようなので。
これが、ジョイスやウルフだけじゃないんだなあ……。
ああ、面倒くさい。
629.「O・ヘンリ短編集(二)」
O・ヘンリ
短編集 大久保康雄:訳 新潮文庫
収録作品
1.賢者の贈りもの
2.アイキイのほれぐすり
3.手入れのよいランプ
4.睡魔との戦い
5.「黒鷲」の失踪
6.人生は芝居だ
7.ハーレムの悲劇
8.詩人と農夫
9.マディソン・スクエア・アラビアン・ナイト
10.千ドル
11.犠牲打
12.臆病な幽霊
13.うしなわれた混合酒
14.二十年後
15.運命の道
630.「O・ヘンリ短編集(三)」
O・ヘンリ
短編集 大久保康雄:訳 新潮文庫
収録作品
1.最後の一葉
2.愛の使者
3.一ドルの価値
4.天窓のある部屋
5.ブラックジャックの売渡し人
6.煉瓦粉長屋
7.伯爵と婚礼の客
8.にせ医師物語
9.人生の回転木馬
10.釣りそこねた恋人
11.心と手
12.黄金の光
13.都会の敗北
14.荒野の王子さま
15.都市通信
はい。
これで三冊揃いました。
(一)の『多忙な仲買人のロマンス』
(二)の『賢者の贈りもの』
(三)の『最後の一葉』
有名な三作品を、三つに分けて掲載するあたりも、ニクい。
結果的に、三巻全部読んでくださいってことになるんでしょうが、
O・ヘンリの世界を堪能するにはちょうど良い分量でしょう。
……商売的にも。
とにかく、駄作めいたものがありませんのでご安心を。