3月に経済誌フォーブスが世界長者番付を発表しましたが、
トップ10にインド人が4人も入ったことが注目を集めました。
アルセロールを買収し世界最大の鉄鋼メーカーに躍り出た
アルセロール・ミタルのラクシュミー・ミタル氏が推定資産
450億ドル(約4.6兆円)で、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏に
次ぐ4位、石油精製・化学大手のリライアンス・インダストリーズ
を率いるアムバニ兄弟が、それぞれ430億ドル(約4.4兆円)
で5位、420億ドル(約4.3兆円)で6位、不動産王のK.P.シン氏
が300億ドル(約3兆円)で8位にランクインしています。
トップ100には、計10人のインド人が入っています。
昨年はトップ10に5位のミタル氏1人、トップ20に14位と18位の
アムバニ兄弟が入り3人、トップ100に7人でしたから、インド人
富豪の躍進振りが目を引いたのは当然です。
因みに、日本人富豪は昨年も今年もトップ20はもとより、トップ
100にすら1人も入っていません。
インド人富豪の資産の多くはグループ企業の株式の時価評価で
膨らんでいますので、インド株式市場の好調さが反映された結果
と言えるでしょう。
それにしても、GDPが約9,000億ドル(2006年、世界銀行)と世界の
GDP総額約48.2兆ドル(同)の2%弱を占めるに過ぎないインドが、
なぜこれほど富豪を多数輩出することが出来るのか、不思議な
感じがします。
確かに、インドのような新興国では、一部の成功者が巨万の富を
手にする傾向があります。
事実、今年の世界長者番付の2位はメキシコ人富豪のカルロス・
スリム氏、9位、15位、18位、20位にロシア人富豪、19位にサウジの
アルワリード皇太子が登場しています。
このような新興国の富豪の中でもロシア人と並んでインド人富豪の
躍進が目立ちますが、インド人エリートの論理的思考力、経営力、
国際的舞台での交渉力などが群を抜いていることも背景にある
のかもしれません。
その一方で、インドの人口11億人の内、貧困層は29%を占める
(2006年、世界銀行)と言われています。
約7億と言われる農村人口(同)やその都市への流入者に貧困層
が集中していることから、インドでは貧困農民や都市貧民の救済が
政府の重要課題となっています。
インドの更なる飛躍のためには、貧困問題を解決し、社会の安定性
を確立することが重要です。
金持ちのインド人に注目する以上に、貧困問題の行方にも関心を
持って行きたいものです。