HOYA 7741
最近 ペンタックスとの経営統合が白紙となり、その後のTOB(株式公開買い付け)も先行き不透明で何かと話題となっていますね。
■半導体関連の優良企業
HOYAはメガネレンズやコンタクトレンズの企業としてTVコマーシャルなどで馴染みのある会社ですが、マーケットでは半導体、液晶関連の製造に欠かせない製品を供給する優良企業として認識されています。
売上構成をみると、半導体、液晶関連のエレクトロオプティクス事業の売上高が全体の56%を占め、メガネレンズ、コンタクトレンズ等のビジョン・ヘルスケア事業の売上高を上回ります。
また、これを営業利益でみるとエレクトロオプティクス事業が全体の75%を稼いでおり、ビジョン・ヘルスケア事業の2.6倍の規模となっています。
HOYAの手掛けるエレクトロオプティクス事業とは、半導体製造用のフォトマスクとマスクブランクス、液晶パネル製造用フォトマスク、さらにHDD用ガラスディスクなどです。
フォトマスクとは半導体チップのシリコンウェハー(基板)上に転写される電子回路のパターンが描かれた原板です。
また、マスクブランクスとは回路パターンを描く前のフォトマスクの材料で、HOYAが7割を超すトップシェアを誇ります。
HDD用ガラスディスクとは、パソコンのハードディスクドライブ(HDD)に記憶媒体として装着される磁性膜を付けたガラス基板です。
HDDの基板は従来アルミが主流でしたが耐衝撃性に優れ、記憶密度も高められるという特徴からアルミからガラスへの移行が進みHOYAがトップメーカーとなっています。
■高成長路線への回帰が必要
前2007年3月期のエレクトロオプティクス事業は15%の増収、7%の営業増益となっています。
半導体メーカーが回線幅の微細加工化を進めていることで買い替え需要が旺盛でマスクブランクスが前期比13%の増収となり貢献しました。
しかし、液晶パネル製造用フォトマスクが大幅な単価下落で減収となったほか、HDD用ガラスは増収となったものの生産方式変更に伴う歩留まりの悪化から利益率が悪化しました。
このためエレクトロオプティクス事業の増益率が大きく低下したうえ、営業利益率が悪化しています。
四半期ベースでみると2005年度の第1四半期(2005年4-6月)に42%だった同事業の営業利益率はこの第4四半期(2007年1-3月)には33%まで大きく低下しています。
こうしたエレクトロオプティクス事業の利益率の悪化から前期の全体の営業利益は6%の伸びに止まりました。
また、今期の見通しを会社側は発表していませんが、前期に苦戦した液晶パネル製造用フォトマスクとHDDガラスディスクの改善には時間がかかる見通しです。
このため、これまで2割程度の増益を続けてきたHOYAの成長性を疑問視する見方が増えているとみられます。
ペンタックスとの経営統合が白紙となりTOBについても明確な見通しが立たないなか、魅力的なペンタックスの内視鏡事業などの取り込みも不透明となっています。
成長路線への回帰を見極める必要があります。
2007年3月期連結決算
売上高 3,900億円(前期比13.3%増)
営業利益 1,072億円(前期比6.1%減)
当期純利益 833億円(前期比10.3%減)