これは酷い!外国労働者拡大、時給180円で毎日18時間労働、暴行にレイプまで | 中谷良子の落書き帳

中谷良子の落書き帳

核武装・スパイ防止法の実現を

これは是非、お読みいただきたい。本文が長文なので簡潔に感想を言わせてもらえば、これは現代における奴隷であり、めちゃくちゃかわいそうです。そりゃあこのような労働環境であれば失踪し、日本人を恨み、犯罪を生んでしまうのも無理はないように思えてしまう。彼らは使い捨ての消耗品ではない。1人の人間です。

日本人の皆様に理解していただきたいのですが、ベトナムの方々は反日国ではないし、極悪人ばかりではなく、人懐っこくて優しい方が多い。そんな彼らが安価な労働力として利用され、最終的に日本が大嫌いになり、帰国してしまうのは大変残念なこと。

政府・日本企業(大半は朝鮮系経営者の企業であるように思えますが、確固たる証拠はないので何とも言えませんが、日本人らしい経営手法ではない。)は猛省すべきですし、やはり経団連は最悪ですし、なってはならない人間が企業のトップに君臨している。悪質な業者が仲介し、搾取しているなら問題点をきちんと是正策として打ち出していかなくてはなりません。

本当に今、私の友人の建設会社の社長さんからも人手不足で悲鳴が上がっており、「誰かお仕事探してる人いない?」と聞かれます。西日本豪雨の被害で自宅の改修工事を業者に頼んでも「1年半先」という返答で肩を落としてはる社長さんもいらっしゃいます。事態は深刻です。

但し、入管法改正案での技能実習制度の問題点も含め徹底的に議論しなければ彼らにも国民も不幸を呼び込むことになると思います。




外国人労働者の受け入れを拡大する出入国管理法(入管法)の改正案を今国会で成立させ、来年4月に施行しようとしている安倍政権だが、すでに「安い労働力」を確保したい経済界の要望に応じる形で、外国人労働者が急増している。しかし、その外国人労働者に対する人権侵害や過酷な労働環境は放置されたままで、外国人技能実習制度は、国際社会から「現代の奴隷制」と批判されているほどだ。

保守系オピニオン誌『月刊日本』12月号では、「奴隷扱いされる外国人労働者」と題した大特集を組み、外国人労働者を取り巻く現状を報じている。同特集記事の中で、元ベトナム難民の立場から福島県でベトナム人の技能実習生への支援活動を行っている岡部文吾氏にインタビューをした記事は驚愕の内容であった。その記事を紹介したい。


■週6日18時間労働で時給180円
――岡部さんは元ベトナム難民の立場から、主に福島県でベトナム人の技能実習生への支援活動を行ってきました。

岡部文吾氏(以下、岡部):私は1981年にホーチミンで生まれ、マレーシアの難民キャンプを経て1990年に来日したベトナム人であり、本名をファム・ニャット・ブンといいます。これまで本当に色々なことがありました。外国で異邦人として生きることがどういうことか、これは当事者でなければ分からないと思います。私にとって彼らの問題は他人事ではありません。

法務省によると、今年6月時点で技能実習生は28万5667人、そのうちベトナム人は13万4139人です。実習生は多額の借金をして、出稼ぎ目的で来日しています。借金の相場は最近では80~100万円ですが、2017年以前は150~200万円でした。いずれにせよベトナムの平均年収は26万円、平均月収は2万3000円なので、彼らは日本で働いて借金を返すまで帰国できません。しかし、労働環境は深刻です。

Aさん(21歳女性)は愛媛県の縫製会社で週6日、毎日朝8時30分から深夜3時まで18時間半働いて手取りは8万円でした。実質賃金は時給180円です。彼女は耐えかねて入国管理局に連絡して査察が決定しましたが、会社は事前に実習生たちを集めて「何か話したら帰国させる」と脅しました。査察の際、それでも彼女は自分のメモを見せながら訴え出ましたが、入管には信じてもらえず、会社から激怒されました。彼女は身の危険を感じて逃げ出し、最終的には労使紛争で正当な報酬を得て帰国しました。

Bさん(24歳男性)は富山県のコンクリート圧送会社で働いていましたが、毎日のように従業員から首を絞められたり殴られるなど暴力を振るわれました。「会社を移りたい」と申し出たら帰国を強要され、それを拒否したら宿舎から追い出されました。

福島の建設会社で働いていた20~30代の男性4人は除染作業に従事させられました。彼らはそれぞれ逃げ出した後、1人は帰国しましたが、残りの3人は実習先の変更を希望しています。

Cさん(18歳女性)は80万円を借金して来日しましたが、福岡県の惣菜加工会社で働き始めてから1か月で帰国を強要されました。借金がまるまる残っているのだから帰れるはずがない。彼女は何とか福岡から福島まで逃げてきましたが、対応が間に合わずビザの滞在期限が切れて借金を残したまま帰国しました。幸い彼女の場合はそうではありませんでしたが、借金を抱えて帰国した結果家族が路頭に迷うケースは少なくありません。

Dさん(20歳女性)は福島県の食品加工会社で働いていましたが、日本人の従業員から性的虐待をうけ、妊娠・堕胎を強いられました。私はクリスチャンの彼女が泣きながら話してくれた内容を信じますが、彼女は被害を訴え出ることなく帰国しました。

技能実習制度では、低賃金・長時間労働、賃金不払い、パワハラ、セクハラ、労働災害、強制帰国など人権侵害の例は枚挙に暇がありません。みんな本音では母国に帰りたいに決まっています。しかし、借金を返さなければ帰りたくても帰れない。

だから、日本で働き続けるために実習先から逃げ出して失踪する子が後を絶たないのです。実習生の失踪者は年間7000人ですが、そのうち半分の3500人はベトナム人です。実習生は留学生と違ってアルバイトができないため、失踪後に路頭に迷ったり犯罪に走ってしまうケースが少なくありません。

――これまでどのような支援活動に取り組んできたのですか。

岡部:私は福島県郡山市でベトナム料理店を経営している関係で実習生たちと知り合い、昨年から支援活動を始めました。実習先を逃げ出した子たちには食べるものと住むところがなかったので保護シェルターを開設しました。

それから弁護士、労働組合、国際交流関係のNGO、NPO、国際研修協力機構(JITCO)、外国人技能実習機構(OTIT)、入国管理局など関係団体を回って支援を求めましたが、状況は一向に改善しませんでした。しかし「実習生は雇用保険を払っているのだから、失業手当がもらえるはずだ」と思いつき、ハローワーク、労働基準監督署なども回りましたが、どこも協力してくれませんでした。

しかし、今年3月に保護していた実習生が除染作業を強いられていたことが大々的に報道されると、在日ベトナム大使館が動き出しました。一等書記官はシェルターを視察した上で「今後はベトナム政府の名前を出していい」と後ろ楯になってくれました。

それから改めて関係各所に働きかけた結果、翌4月には倒産以外の理由で初めて実習生の失業手当が認められました。これまで保護した15人のうち、7人が失業手当をうけとっています。

ただ、失業手当は一時しのぎにはなっても借金が減るわけではありません。そのため、私は彼らの実習先が変更できるように活動しましたが、入管、JITCO、OTITをたらい回しにされてばかりでした。それでもメディアが取り上げてくれたり、心ある職員が対応してくれたりして、今年5月には初めて失踪した実習生の実習先変更が認められました。

■最大の問題は「借金」である
――技能実習制度では、実習生は「送り出し機関」(本国)→「監理団体」(日本)→「受け入れ企業」(日本)と送り出される仕組みになっていますが、ここには構造的な搾取があります。

岡部:最大の問題は借金です。昨年、ベトナムでは実習生の借金は3600ドル(約40万円)を上限とする規定ができたのですが、実際の必要経費はそれくらいです。しかし、借金の金額は最近でも80~100万円、それ以前は150~200万円でした。それでは、必要経費に上乗せされたお金は何なのか。

まずは送り出し機関の仲介料です。送り出し機関は監理団体をベトナムに招待して接待しています。日本人向けの接待は日本並みの相場なので、監理団体関係者の送迎、飲み食い、カラオケ、女性をあてがう費用で一晩20~30万円かかります。この接待費が仲介料に上乗せされているのです。

次に保証金です。これは送り出し機関や監理団体が実習生から預かり、彼らが失踪した場合に企業へ支払うお金です。保証金は20~50万円程度で、実習生の借金に上乗せされています。実習生が失踪しても損をするのは本人だけで、企業は損をしない。

利子もあります。ベトナムでは100万円の借金に対して月1万円の利子がつくので、1か月に3万円を返済しても元金は2万円しか減りません。

借金以外にも余計な負担があります。たとえば、実習生は給料から年金保険料が引かれています。なぜ彼らが年金を払うのか。2年以内ならば脱退一時金として8割は戻ってきますが、実習生から毎月どれだけの年金が徴収されているのか。

また技能実習制度には1号(在留期間1年)から2号(在留期間2年延長)になるための技能評価試験があります。試験料は2~3万円で、不合格でも改めて試験料を払えば追試が受けられます。昨年からは新たに1号、2号の技能実習満了後に受ける3級試験が設けられました。3級試験に合格したら3号(在留期間2年延長)の資格を得ることができますが、問題は2号の実習生全員に受験が義務付けられていることです。なぜ帰国希望者にも受験を義務付けるのか。これでは関係団体の小遣い稼ぎです。

これらの試験料は企業が支払うことも多いのですが、約27万人の実習生は複数回、2~3万円の試験料を支払う制度になっているということです。これまで実習生の試験料はいくら払われてきたのか。

送り出し機関、監理団体、受け入れ企業の7~8割は悪質だと感じます。しかし、いちばん儲かっているのは国です。ベトナムは国策として貧しい若者を日本に送り出しています。彼らが借金を返すために円を稼ぐことで、国内経済が発展するからです。ベトナムでは「1000人送り出せば100億円儲かる」と言われていますが、ベトナムの100億円は日本の1000億円です。送り出しは一つの産業になっているのです。

一方、日本はベトナムから労働力を確保して国内経済を回しています。もはや外国人労働者がいなければ日本社会は成立しないのではないか。しかし、実習生や留学生がまともに働くことは難しく、失踪したり犯罪に走るケースが増えています。これはお互いにとって不幸です。

■自分の子供に同じことができるのか
――現在、岡部さんは保護活動から身を引き、日本の監理団体に勤めています。

岡部:今でも個別の相談・対応は続けていますが、個人的な支援活動には限界があったのです。技能実習生の問題は技能実習制度そのものから生まれたものです。本当の意味で問題を解決するためには、制度の内側に入って制度自体を改善する努力をした方がいいと判断したのです。

繰り返しますが、最大の問題は借金です。日本は途上国の労働者を働かせたい。彼らも日本で働きたい。しかし、そのために必要な費用は全て彼らが借金している。ここから様々な問題が起きているのです。だから答えはシンプルです。日本政府、日本企業が海外から労働者を呼びたいならば、自分たちで必要経費を負担して呼べばいい。特に日本企業が実習生を大事にしないのは自分でお金を出していないからです。実習生を大事にしなければ雇用主が損をする仕組みを作る必要があります。

私はそれを技能実習制度の介護分野で実現しようとしています。ベトナムでは介護産業が発展していないので、日本で介護技能を実習しても意味がありません。現時点で介護分野の実習生にベトナム人は一人もいません。それでも介護業界がベトナム人に来てほしいなら、そのために必要なお金は自分で出してください、ということです。

――最後に読者に伝えたいことはありますか。

岡部:私は元ベトナム難民の立場から実習生を支援し、ベトナムで送り出し団体を立ち上げ、現在は監理団体の一員として受け入れ企業と関っています。全ての立場を経験した上で思うのは、この問題は深刻だが、しかし、やむを得ない事情もあるということです。

ある実習生(30歳男性)が実習を満了して帰国した際、私は実家まで同行しました。彼の故郷はベトナム北部の山岳地帯で、家にはトイレもなく川で洗濯しているような貧しい地域でした。実家に帰った時、彼は3年ぶりに再会した4歳になる一人娘を抱き締めながら号泣していました。そんなに寂しいなら、なぜ日本へ行ったのか。彼は「それ以外に家族を養う方法がないからだ」と答えました。実習生や留学生の問題の根源は、途上国の貧困なのです。日本の技能実習制度や留学制度に問題があったとしても、一概に否定することはできない。

しかし、こんな現状を放っておいていいはずはない。私が24歳で男性の実習生を入管へ連れて行って「この子、実習先で殴られたんです」と訴えた時、職員は「なんで我慢しなかったのか」と言いました。自分の子供が同じ目にあっても同じことが言えるのか。

実習生の多くは18~25歳の若者です。私にとって彼らは自分の子供のような存在です。実際、彼らは誰かの子供です。今でもハノイ空港では毎晩親子が抱き合いながら泣いています。羽田空港では毎朝目を腫らした若者が「着いたよ」とメールを送っています。そんな子たちが不当に傷つけられていいはずがない。彼らは「安い労働力」ではなく一人の人間であり誰かの子供なのです。しかし彼らの大半は傷つけられ、日本が嫌いになって帰っていきます。日本で育ったベトナム人の一人として、彼らがベトナムに帰った時「日本は良い国だった」「日本人は優しかった」と言ってもらえるようにしたいと願っています。

(聞き手・構成 杉原悠人)

提供元/月刊日本編集部
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2018.11.20
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