【寄稿】フェイスブック、それは不幸を好む会社 | 中谷良子の落書き帳

中谷良子の落書き帳

核武装・スパイ防止法の実現を

FBが主張する“繋がりは重要”という概念が私には理解できません。こんなもん商売上のきれいごとに決まってるやん。

私は現在はネット上の友情など全く信用していません。

FBユーザーの方々のフレンドリストの中に“本当に強い絆で結ばれたお友達”は何人いますか?今フレンドリストの中にいるお友達は生涯あなたのプライバシーを守り続け、裏切らない人物でしょうか?本当に大切なのは量より質なのです。





筆者のアビゲイル・シュライアー氏はロサンゼルスを拠点する活動するライター

マーク・ザッカーバーグ氏は10年以上、「オープンであること」に関する実験を行ってきた。私たちはその実験台だ。そうであるなら、フェイスブック式の「オープンでつながっている」ことがわれわれを不幸にしているという事実を、ザッカーバーグ氏はどう考えているのか。議会公聴会ではこの質問は出なかったが、私は聞いて欲しかった。



フェイスブックで過ごす時間が長ければ長いほど、幸福感が減る傾向にある――。そう結論づけている研究がいくつかある。最新のものはサンディエゴ州立大学がティーンエイジャー100万人の余暇活動を分析したものだ。

私たちは以前から、フェイスブックが友達や家族とのオンライン・コミュニケーションを可能にする一方で、苛烈ないじめの温床になることも知っている。フェイスブックで時間を無駄にしていることも、そこで育まれる人間関係が他のすべての人間関係を潰してしまうことも知っている。そしてフェイスブックが魅力的であり、攻撃的であり、さらには忌まわしいほど退屈であることも。フェイスブック上に毒キノコのように生えてくる偽情報が問題のすべてではないのだ。

私は2016年の大統領選の数カ月前にフェイスブックをやめた。麻薬常習者が依存習慣を急に断ち切ったようなものだった。当時は小説に取りかかっていたが、フェイスブックのせいで生産性が損なわれていたのだ。自分がフェイスブックから離れている数分の間に何か面白いことが起きているのではないかと気になり、何度もチェックしたくなって仕方なかった。


私がアカウントを停止してすぐ、夫の元に共通の友達からのメールが届くようになった。なぜ急に友達関係が解除されたのかという問い合わせだ。何年もフェイスブックの通知に頼る生活を送っていた私は、ある友人の誕生日に気付かなかった。これは失点だった。まさにこうして、フェイスブックは私たちの注意を引き、エンドレスな再会の場から離れるのをためらわせているのだ。

1年後、私はフェイスブックに戻った。その間、旧友たちは新しい仕事を見つけたり、子供が生まれていたりしていた。離婚の危機にあった人もいた。筋の通らない議論に参加し、心配になったり落ち込んだりした。苦痛をつづった長い話を読み、私自身の長談義を投稿したい衝動を辛うじて抑えた。人々が内心をさらけ出すのみならず、落ち着きを失った怒りや絶望を大量に吐き出しているのも目にした。なかにはそれほど親密ではなかった人たちもいる。にもかかわらず、彼らの私生活を見ることができた。フェイスブックの上に築かれた家はガラス張りだからだ。

ザッカーバーグ氏は2010年、プライバシーに関する古い社会的通念が「進化した」と宣言した。他人のプライバシーを削り取ることに人生をささげてきた誰かにとって都合の良い発見だ。実際、プライバシーは時代遅れというのがフェイスブックの偽らざる本心だ。私たちが決して望まず、それがなければもっと自由になれるという意味でコルセットのようにだ。しかし、プライバシーは盾でもあり、見る側も見られる側も守るものだ。親しい友達というほどの間柄ではない人について、知るべきではない情報はある。怒りや嫌みなどは見境いなくまき散らされるべきではない。それはフェイスブックの表向きのミッションである「つながりをより密に」とは程遠く、私たちを争わせ、引き裂くものだ。

ケンブリッジ・アナリティカのスキャンダルは、平手打ちのように訪れた。自分は一体何をしていたんだと急に目が覚めるような感じだ。あれほど多くのことをどういった方法で与えてしまったのか? プライバシーや尊厳など、二度と取り戻せないかもしれない財産を無駄にしてしまったが、それは何のためか?新たなリゾートで休暇を過ごすつもりでフェイスブックにユーザー登録したのに、そこは​実は​ヌーディスト村だったのだ。お互い​が見え過ぎてしまう決まりの悪さに慣れつつある間​に、ザッカーバーグ氏は何者か​をそこに入​れ、​無防備の​私たち​のことを利用するのを許したのだ。​

でも本当にそれは驚くことだろうか? 私たちのデータを守るというザッカーバーグ氏の約束はそもそも笑止千万だ。そのデータを食い物にするのが彼のビジネスに他ならないのだから。

過去何年も、フェイスブックは私たちに自分のことをもっとシェアするようせき立ててきた。投稿ボックスの表示は「今なにしてる?」から「今どんなこと考えてる?」になった。投稿の並びは個人間の交流が目に付くように変わった。メールアドレスや電話番号は収集され、アンドロイド搭載スマートフォンを使っている人なら通話やメッセージの履歴も記録された。自分たちがすり被害に遭ったと分かった今、フェイスブックが急に詐欺師に、​そしてその終わりのないパーティーは​悪徳商法に見えてきた。


議会は今、ザッカーバーグ氏に問題を解決するよう求めている。あたかも問題はフェイスブック自体ではないかのようにだ。​​「オープンであること」「つながり」「シェアリング」「コミュニティー」といった​訳の分からないPR用語を彼から聞く必要はない。果たしてザッカーバーグ氏にとって、道徳的見地からマネタイズを思いとどまるようなユーザーのデータなどあるのだろうか? その答えを出すのに高度な調査など必要ない。「ユーザー」を人間として思い描き、真実を語​ってくれ​ればよいのだ。
http://jp.wsj.com/articles/SB10376223459405434294104584160871930280770

★フェイスブック、ゆがんだ成長 利用者目標が最優先★

米フェイスブック(FB)が揺れている。学生ビジネスから20億人が利用するまでに事業を急拡大させてきたが、個人情報の大量流出などを機に向けられる視線は一変した。2004年の創業以来、初めて直面する逆風だ。世界最大の交流サイト(SNS)を生んだインターネットの巨人に何が起きているのか。

4月初旬。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)の議会公聴会に全米の関心が集まるさなか、あるフェイスブックOBに取材してみると、急成長企業の内情の吐露が続いた。

「ユーザーを増やすこと。ページ滞留時間を増やすこと。毎年の目標はただそれだけだった」

2万5千人を超す社員を動かすのは、ザッカーバーグ氏と一握りの側近。社内では「全て計画通りに。つながりを増やすように」といった会話がささやかれていたという。このOBは明かす。

彼らが示す成長目標は絶対。未達などあり得ない。(20億人という利用者は)やみくもに成長を追った末の数字だ」


フェイスブックは学生同士の交流サイトとしてスタートした。06年に一般ユーザーに開放、広告事業に乗り出すと、口コミで「フェイスブック経済圏」が膨張していく。

ユーザーが増えれば、広告媒体としての価値も増す。「成長目標」を優先した結果、徐々に投稿内容の監視は甘くなった。12年には株式を上場し、全社規模で急成長を求める風潮が広がる。

上場前に8億4500万人だった利用者数は6年間で倍以上に拡大。売上高に占める広告収入の比率は98%に達した。

17年12月期の営業利益は約2兆2千億円と11倍強に急増した。マイクロソフトが同水準の利益を稼ぐまで20年かかったが、これをはるかに上回るスピードの成長だ。高株価をテコに企業買収で事業拡大できた。だが副作用も大きかった。

「1000いいね! 売ります」。今や学術研究テーマになるフェイスブックの「中毒性」。「いいね!」を集めるため過激な写真や言葉まで投稿してしまう。「いいね!ハンター」は増殖を続け、ネット上に専門の取引業者まで現れだした。

20億人への影響力から半ば「公の空間」となったのに、プライバシーを守るルールは後回し。SNSの先駆者の成長神話はゆがみ、今年3月に綻びがあらわになった。


流出件数8700万人。英調査会社への情報漏洩はザッカーバーグ氏の公聴会招致へと発展したが、波紋はなお広がる。

16年の米大統領選中、ロシアが関与したとされる大量の偽ニュースが流れた。「我々はメディアではない」。ザッカーバーグ氏は抗弁したが、その動向は米民主主義の根幹を揺るがす。もはや「知らない」では済まされない影響力だ。

成長の代償は大きい。偽ニュース対策で掲載コンテンツを見直し、ユーザー数拡大も止まった。北米では17年10~12月期に創業来初めて減少。信頼を取り戻せるか。答えはフェイスブック自身も見つけられていない。

★君のところのユーザー同意書は最低だ★

■ジョン・ケネディ米上院議員
10日、上院公聴会でフェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者に対し。個人情報不正流用問題に関連して、ユーザーはデータがどのように利用されるかについて同意していると主張する同氏に対し、議員は同意書は難解すぎ、同社が言い逃れのために設けていると主張。利用者に権利を知らせるものではないと批判した。

日本経済新聞より。

拡大するFBプライバシー問題、非会員データも収集
https://jp.reuters.com/article/fb-personal-data-idJPKBN1HN0BR
「自動ログイン」に注意 フェイスブック個人情報流出
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29351590T10C18A4TCR000/


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