①北朝鮮スパイによる日本人拉致事件 | 中谷良子の落書き帳

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核武装・スパイ防止法の実現を

ある日、国民が突然拉致されてしまう恐怖。北朝鮮による日本人拉致は、政府認定の12件17名だけではなく、その数倍以上が拉致されたと推測されている。拉致事件は、今後も追及するべき日本政府の最重要課題のひとつである。

●事件の概要


1970年頃から80年頃にかけて、北朝鮮による日本人拉致が多発した。現在17名が政府によって拉致被害者として認定されているが、それ以外にも多数の拉致被害者が存在すると推測される。

2002年9月、北朝鮮は日本人拉致を認め、同年10月に5人の被害者が帰国しているが、他の被害者については、未だ北朝鮮から納得のいく説明はない。拉致問題に関する北朝鮮側の主張には多くの問題点があり、日本政府はこれについて説明と被害者の返還を求め続けている。

近年になり、脱北した元北朝鮮情報部員より、海難事故に見せかけての拉致が多数行われていたという証言があった。日本人拉致事件の闇は、まだまだ深い。

日本では1970年代より、原因・動機不明の行方不明者が多数報告されるようになった。警察の捜査や、亡命北朝鮮工作員などの証言などから北朝鮮の行為であるとして、日本政府は拉致被害者支援法を制定。12件、17人を政府認定拉致被害者として認定、北朝鮮に対して抗議・返還要求を続けている。

日本に限らず、海外でも、韓国やアメリカ、ヨーロッパ諸国など14カ国からの拉致が報告され、国際的には北朝鮮拉致問題と呼ばれている。

●今も北朝鮮は戦争継続中

日本人を拉致することで北朝鮮の情報部には各国での自由な行動という、大きなメリットが発生する。


北朝鮮は1948年に独立した共産主義国家で、建国直後の1950年には、米ソの代理戦争である朝鮮戦争を戦っている。朝鮮戦争は、1953年に休戦しているが、公的には現在もまだ終結していない。つまり、今も北朝鮮と韓国とは、戦争中ということになる。

1960年代、北朝鮮は朝鮮戦争の消耗から回復すると、韓国に対する諜報活動を活発化させた。同時に韓国側も警戒を厳重にして北朝鮮工作員を摘発、活動を妨害するというイタチごっこを演じている。これにより、北朝鮮としては工作員を送り込むのが困難になった。そのため、北朝鮮はいくつかの対策を取ることになる。

1.日本人(外国人)になりすまして工作員を韓国に入国させる。

北朝鮮人を工作員として潜入させると、戸籍などの身分証明から簡単に身元が判明してしまう。日本人を拉致してその戸籍を乗っ取れば、韓国政府には簡単には見破れない上、韓国が日本政府に依頼して調査するステップが入り、判明するまで時間が稼げる。

2.工作員を日本人に仕立てるための教育係としての利用。

北朝鮮と韓国は同一の民族であるが、現地人からしてみれば小さな違いで見破られる。日本にたとえれば東北出身と称しているのに関西弁を使うような齟齬(そご)が生まれやすい。逆に日本人を名乗って韓国に入国すれば、もともと言語などに大きな差異があるので、怪しまれることは少ない。

3.海外の最新情報を得るため。


共産圏と資本主義国では、技術、文化などの点で大きな違いがある。拉致をするのと同時に、最新の海外情報を得ることが可能になる。

4.拉致された人物の洗脳がうまくいけば、拉致被害者そのものを工作員とできる。

拉致被害者も、十分な洗脳工作をすれば、忠実な工作員となる可能性は高い。そのまま工作員として諸外国で活動させるのはもちろん、日本に帰国させ、以前の生活に溶け込ませたうえで諜報員として使う。

これらの目的で、北朝鮮は日本人をふくむ外国人を拉致したと考えられている。

一方、日本国内での年間行方不明者は8万人におよぶ。理由は犯罪被害者、失踪、孤独死、など多数に上る。原因を一概には断定できないが、北朝鮮関与と考えられる事件が主に日本海沿岸で起こっており、同時期に不審船の活動が見られるなどの共通点もあった。

北朝鮮が疑われることはあったが、いずれも状況証拠しかなく、しかも、行動主体も単なる犯罪組織なのか、軍なのか、国なのか、明らかではなかった。

1998年、国家公安委員会が「北朝鮮の犯行である公算が濃厚」との見方を示し、さらに北朝鮮亡命工作員により金日成主席から指示が出ていたとの証言が得られた。

これら国家ぐるみの行動であることがうかがえた。

北朝鮮側は一貫して拉致を否定していたが、2002年の小泉純一郎首相の訪朝の折、当時の北朝鮮の指導者である金正日は、一部の拉致を認めて謝罪している。これにより、日本人拉致が国家ぐるみの行動であることが、加害者である北朝鮮の指導者の公式な発言として確認された。

北朝鮮の絶対権力者である金正日が認めたということで、拉致事件は急激な展開を見せる。

②へつづく



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