論語には、次のような一文があります。
民は之(これ)に由らしむべし。之を知らしむべからず。
この「知らしむべからず」というのは、知らせてはいけないということではなく、1人ひとりにその内容を理解させるのは難しいという意味です。
そこで、「とにかく訳はわからぬが、あの人のすることだから俺はついて行くのだ」(安岡正篤著、『論語の活学』プレジデント社)というふうに「由らしむ」必要があるのです。
安心感を持ってもらうのです。
これには続きがあります。
中人以上は以って上を語るべきなり。中人以下には、以って上を語るべからざるなり
なぜかと言えば、平均以上の知性や教養のある人には高尚なことを言っても理解できるが、平均以下の人にはなかなか理解できないからである。
少々きつい言い方ですが、知性や教養レベルが低い人には、なかなか正しい考え方を理解させることができないという意味です。
これは論語が書かれた2500年前も今も、同じです。
もちろん、本来、日本人の知性は比較的高いのですが、正しいことでも理解してもらうのはなかなか難しい。
だから、表面的に理解しやすい、そして「ウケ」やすいことが受け入れられやすい。
政治の成果を見ても、「刺客を送り込む」と言えば、一気に自民党に票が流れ、その次の衆院選では、「反自民」というだけで今度は民主党に票が流れるのです。
「之を知らしむべからず」なのです。
この国が抱えている少子高齢化や先進国中最大規模の財政赤字など、ことの本質や本当の意味を理解してもらうのはなかなか難しいことなのです。
そういった状況では「由らしむ」に足るしっかりしたリーダーが必要なのですが、現状ではなんとも心許ないと言えます。
政治家なら、政治的にも人間的にもブレないことが大切です。
経営者なら経営哲学をぶらせてはいけない。
そして、ブレないとしても、ここまでお話ししたように、正しい「原点」を持ってブレない人でなければ、リーダーとしては失格です。
ましてや日本のリーダーともなると、正しい考え方をもつとともに、国益や複雑な国際関係、さらには財政や福祉と多くのことにもある程度精通している必要があります。
もちろん、細かいことは大臣や官僚たちにも任せられますが、何を優先するかは最終的にはリーダーが決めなければなりません。
その優先順位を決めるのは最終的には本人の価値観とそれを実行するときの覚悟によります。
そうしたときに、正しい考え方という原点があり、なおかつそれを貫き通せる人でなければ、日本国のリーダーは任せられないのですが、なかなかそういう人物がいないのは残念なことです。
そういう状況が続く前提として、残念ながら、今は正しい考え方を学ぶ場がほとんどありません。
そして、正しい考え方を学ぶ大切さを教えてくれる人もあまりいません。
江戸時代なら、武士階級の人々は藩校で、庶民は寺子屋などで、読み書き算盤などを習う他、論語の素読などを行い、幼いうちから道徳観、人間観などについて学ぶ機会がありました。
正しい考え方を学んだ子供は、自分が大人になったら、その正しい考え方を子供へ伝えていくという素晴らしいサイクルがあり、みんなが、それを当然のこととして行っていました。
明治以降も、道徳教育は熱心に行われました。
もちろん、悲惨な戦争体験からしても、戦前の教育が必ずしも良かったということはできませんが、道徳的な観点、人間として何が正しいかという点からは、評価できるものがあったと思います。
以前は、家庭も大家族が多く、近所との関係も希薄ではなかったので、正しいとまではいかなくても、間違ったことを近くにいる人が正してくれる機会が多かったと思います。
今では、教育も家庭環境も大きく変わってしまいました。
正しい考え方とは何かを考えることなく、経済的豊かさを個々人が追い求める利己的活動が行動の原点となってしまっているのです。
もちろん、私は経済的豊かさを求めることを否定しません。
私の師匠の藤本幸邦老師も「貧困は悪」だとおっしゃっています。
私は、経済的豊かさと正しい考え方は相矛盾するものではなく、むしろ、正しい考え方を持った人や企業の方が、より経済的にも、精神的にも、つまり、トータルの人生が豊かになれると信じているのですが、そもそも正しい考え方とは何かということを、勉強する機会が少なすぎるように思えるのです。
経営コンサルタント/株式会社小宮コンサルタンツ代表
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明日は、教科書が教えないことの北村代表の教育勅語についての講演会です。
北村代表は今回の講演会で、ある企画をされていたのですが公開討論会を申し込んだ関西の2団体さんが討論会出席を拒否されたので実現されなかった模様です。残念ですよね。
教育問題に熱心に取り組まれている「教科書が教えないこと」代表の北村氏の素晴らしい講演会です。
今一度、教育勅語の原点に戻り日本の道義、道徳心を取り戻し、友達、家族、恋人への思いやりの大切さなどを共に学びませんか
護国活動3連チャンで身体的にきついかもしれませんが、一生懸命な彼を皆さんの力で応援していただけると有り難いです。
★第2回・教育勅語と修身の勉強会★
東日本大震災から一年たちました。
良くも悪くも日本人のあるべき姿が問われました。
また、大阪では教育基本条例の制定で再度、教育というものを考える機会です。
約1年振りの開催です。日本良くしていくために一緒に勉強し、時間を共有しましょう。
●日時
平成24年3月31日(土)
開場13時30分
14時から
16時30分
●場所
大阪市立総合生涯学習センター
第6研修室
大阪市北区梅田1-2-2-500
大阪駅前第2ビル5階地図
大阪駅・北新地駅
各線梅田駅下車
●会場費・資料代
1000円
高校生・中学生は学生証・生徒手帳提示で無料
小学生以下は無料
●主催・スピーカー
教科書が教えないこと
北村義臣
●定員
27名
●申し込み
資料の準備がありますので事前にご連絡ください。
名前(ハンドルネーム可)・同伴者、高校生以下であるかの旨をお知らせください。
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080-5331-3831(北村)