映画『 犬と猫と人間と 』 | 中谷良子の落書き帳

中谷良子の落書き帳

核武装・スパイ防止法の実現を

●『 犬と猫と人間と 』
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企画/稲葉恵子 
監督・撮影・編集/飯田基晴 
撮影/常田高志、土屋トカチ 
製作/映像グループ ローポジション
配給/東風
助成:芸術文化振興基金

[ 主な出演者・団体 ]

<日本国内>
財団法人 神奈川県動物愛護協会
千葉県動物愛護センター
神戸市動物管理センター
徳島県動物愛護管理センター
社団法人 日本動物福祉協会 CCクロ
SWEET HEART 動物の命の大切さを考える部
マルコ・ブルーノ
小西修
小西美智子
山本央子
藤本聖香
前川博司(元日本動物愛護協会附属動物病院長)

<イギリス>
Dog Trust
Battersea Dogs & Cats Home
Animal Aid

◆劇場公開決定◆

2009年10月10日(土曜)より
●東京・ユーロスペースにてロードショー公開
 
◆<上映劇場決定>

北海道  シアターキノ ●12月
      苫小牧シネマトーラス ●時期未定
新潟県  十日町シネマパラダイス ●10月17日より
       新潟シネウインド ●時期未定
群馬県  シネマテークたかさき ●時期未定
神奈川県 川崎市アートセンター ●来年1月
 横浜   シネマ・ジャック&ベティ ●11月28日より
静岡県  浜松 CINEMAe_ra ●来年1月
愛知県  名古屋シネマテーク ●11月上旬 
兵庫県  神戸アートビレッジセンター ●時期未定
大阪府  第七藝術劇場 ●11月下旬
富山県  フォルツァ総曲輪 ●12月
京都府  京都みなみ会館 ●11月下旬
岡山県  シネマクレール ●時期未定
徳島県  シネアルテ ●時期未定
愛媛県  シネマルナティック ●時期未定
広島県  横川シネマ ●時期未定
他、全国順次公開予定

■これまでの上映
〇2009年1月11日(日) 完成試写会 (終了)
 場所:中野ゼロ視聴覚ホール
〇2009年2月22日(日) 完成記念上映会(終了)
 場所:女性と仕事の未来館ホール
〇2009年6月14日(日) 神奈川上映会(終了)
 場所:かながわ女性センターホール

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★日刊サイゾーの記事より
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2兆円ペット産業の”開かずの間”に迫る
ドキュメンタリー『犬と猫と人間と』

日本映画界に"製作委員会方式"がすっかり定着した。
映画会社、テレビ局、出版社、レコード会社、広告代理店といった大企業が委員会に名前を並べ、公開が迫ると"公共の電波"を謳うテレビ局には自社がらみの映画の出演者たちが大挙出演。

公開後はテレビ放映されることが前提になっているので、放送コードに触れる可能性のあるシーンは企画段階で予め排除される。
こうしてファミリーレストランの人気メニューのような無難極まりない映画が次々と製作されていく。

おまけに映画がコケても1社あたりの傷は浅い。まったくもって制作サイドにとって都合のいいシステムだ。
10月10日(土)から公開されるドキュメンタリー映画『犬と猫と人間と』は、その対局にある作品と言える。
スポンサーはたったひとりの"猫おばあちゃん"こと稲葉恵子さん。

映画製作とはまったく無縁の老婦人から頼まれて、飯田基晴監督は名もない犬や猫たちを4年間にわたって追い続けた。

ホームレスの日常を追った飯田監督のデビュー作『あしがらさん』(02)を観た稲葉さんは、舞台挨拶のために来場していた飯田監督に声を掛ける。

「動物たちの命の大切さを知ってもらえる映画を作ってほしい。お金は出します」と。

稲葉さんはそれまで捨て猫の世話をしてきたが、高齢のため難しくなってきた。
そこで満期となる生命保険を映画の製作資金として提供するというのだ。
戸惑う飯田監督に対して、稲葉さんは

「わたし、人を見る目はけっこうあるのよ」と背中を押す。

稲葉さんからの数少ない注文は

「ただ、私が生きているうちに観せてくれれば」というものだ。

なぜ動物なんですか?という飯田監督の問いに対して、稲葉さんはこう答える。

「やっぱり何かを可愛がりたいんじゃないかしらねぇ。人も好きですけど、人間よりマシみたい。動物のほうが」

猫おばあちゃんの熱意に押されて、日本における犬や猫たちの置かれた現状をイチから調べ始めた飯田監督だが、それは想像以上に辛い取材となる。
少子化の影響もあり、今や2兆円とも言われる日本のペット産業。

ペットの飼育数は犬1310万1000頭、猫1373万8000頭(2008年、一般社会法人ペットフード協会調べ)にも上る。
しかし、その一方で、全国の自治体で年間30万頭以上、1日あたり約1000頭の犬や猫たちが処分されているのだ。
日本はペット天国どころか、犬や猫たちにとっては地獄列島だったのだ。

市民からの抗議が来るので困るという理由から、これまで撮影取材が難しかった収容施設の中へと飯田監督は苦節の末に入り込むことに成功する。

希望者への譲渡はわずか数%という厳しい現実。
カメラに映っている檻の中の犬や猫たちは数日後には処分器へと送り込まれるのだ。
動物愛護団体によって、ノラ猫たちが避妊手術を受ける様子も映し出される。

メス猫から摘出された子宮の中にはすでに大きくなっている胎児の形が確認できる。
飯田監督は胎児に手を添え、

「命そのものですね」と絞り出すように呟く。

テレビではまず放送されないシーンだろう。
決してキワモノ映画にするための演出ではなく、

「動物愛護って大切だよね、というキレイゴトで済ませたくなかった」という飯田監督の強い信念から記録された映像なのだ。

猫おばあちゃんからの資金提供があったものの、4年間にわたる長期取材は楽ではない。
助成金も受けてはいるが、飯田監督自身の人件費は

「映画が1~2年のロングヒットとなり、最終的に回収できればいい」(飯田監督)という状況だという。

ペット先進国である英国取材も敢行しているが、これはデビュー作『あしがらさん』が2007年に英国で上映されることになり、2週間の滞在期間の内の1週間を利用したもの。

ロンドンではペットショップの出店が厳しく規制されており、犬や猫を飼う場合は専門のブリーダーから購入するか、保護施設から譲り受けることになっているそうだ。
そして、その保護施設が清潔で広くて明るいこと。
ペットの歴史が長いとはいえ、日本とのあまりの違いには愕然とさせられる。

日本ではペットブームの裏で、経済不況や離婚などが原因となって、ペットを手放すケースが増えてきていることを飯田監督は伝える。
ワイドショーで話題となった"崖っぷち犬"が放送直後は全国から100件以上も「引き取りたい」という申し出があったものの、2カ月後の譲渡会に参加したのは11人だったこともわかる。

この映画は犬や猫の置かれた現状を追ったドキュメンタリーだが、人間自身のドキュメンタリーでもあることが次第に観ている側に伝わってくる。
ペットは飼い主に似ると言われるが、ペットに癒しを求める一方で年間30万頭以上もの犬や猫たちが処分されるという矛盾した現実は、今の日本社会の歪みを反映していると言っていいだろう。

「取材中は辛いことばかり。悩みっぱなしでした。動物たちが処分されるシーンの撮影はかなりヘコみました」と飯田監督はトークイベントで胸の内を語っている。

確かに動物好きな人たちにとってヘビーな映像が盛り込まれているが、本作はただ陰鬱な面を見せるだけでなく、身勝手な人間たちがいる一方で、犬や猫たちの命を少しでも救おうと尽力している施設の職員や有志者たちの姿を追っている。

彼らの手によって処分を免れる犬や猫たちは僅かだが、決してゼロではないのだ。

また、環境省が今後9年で処分される数を半減しようと各自治体の収容施設・譲渡施設の改善に動き出したことも伝えている。

「人間よりマシみたい。動物のほうが」と語った稲葉さんだが、それでも、やはり人間のことを心の底では信じていたはずだ。
だからこそ、初対面の飯田監督に映画製作を依頼したのだと思う。

取材が長引いたために飯田監督は稲葉さんと最初に交わした"締め切り"は守れなかったが、それ以外の注文には誠実に応えてみせた。
いつの日か、稲葉さんの口からこぼれた言葉は

「人間も少しはマシになったみたい」と修正される日がくるだろうか。
(文=長野辰次)

犬と猫と人間と予告(仮)高画質版(携帯の方も画像をclickすれば動画が観れます)


映画「犬と猫と人間と」大絶賛!


飯田基晴監督テレビ出演


先日記事に書いた、中国の秦皇島市の犬の殺処分は、中止になりました。

~ IFAWのHPより ~

「中国の秦皇島市が犬の殺処分を中止

IFAW支援者の素早い対応のおかげで、秦皇島市で予定されていた犬の処分は中止になりました。

まだ詳細は不明ですが、秦皇島市の行政機関が世界中のIFAW支援者からの圧力を感じたことは明らかです。犬の処分を予告する公報や行政側のウェブサイト上の掲示は取り下げられました。

IFAWはこれからも、犬に危害を加えるようなことは行われないと確信できるまで、秦皇島市をはじめ中国全域を厳しく監視していきます」

しかし、中国のことが信用できる国ではないため私は、このnewsは悲しいことですが半信半疑に思っています。