今治市伊東豊雄建築ミュージアムは、建築界のノーベル賞・プリツカー賞をはじめ、
多くの賞を受賞した注目の建築家・伊東豊雄氏の軌跡を展示した日本初の建築ミュージアムです。
「建築教育の場や町づくりの拠点をつくりたい」という伊東豊雄氏の熱意により、2011年に開館しました。
しまなみ海道のほぼ中間地点、大三島にあります。
みかん畑脇の斜面、きらきらと輝く海をバックに佇む建築ミュージアムです。
島の自然とともに名建築を体感できます。
風光明媚な大三島は、日本総鎮守・大山祇神社があり「神の島」とも呼ばれ、美しい自然や伝統が守られてきました。
美しい海を背景に、伊東豊雄氏の建築思想や大三島での試みを広く伝えるためのミュージアムとなっています。
「大三島みんなの参道物語」という展覧会が開催中でした。
しまなみ海道がまだ開通していなかった頃、宮浦港で船を降りて大山祇神社へと向かう人々で参道は押すな押すなの賑わいだった、と島の人から聞きます。ところが現在の参道は信じられない程寂れています。昼間でも神社の周辺を除けば観光客の姿を目にすることはほとんどなく、まして夜間人に出会うことは滅多にありません。しかし何と言っても大三島の中心は大山祇神社の参道と言えるでしょう。大三島の賑わいを取り戻すには参道の復活が不可欠です。
そのために何をすべきか・・・
伊東豊雄氏は、大三島に通ううち都会にはない豊かさに魅せられ、高齢化や人口減少といった問題を抱える島を、建築で活性化したいと思うようになります。
「大三島を日本でいちばん住みたい島にする」という目標を掲げ活動を開始。
大山祇神社の参道に人々が集える店を開き、
廃校になった小学校を改築してホテルにし、
耕作放棄地をぶどう畑としてよみがえらせて島初のワイナリー・・・
そうした取り組みの成果は、若い移住者の増加に繋がっているそうです。
スティールハット・・・鉄板製の多面体が組み合わさる建物
鉄板でできたいくつかの多面体で構成された建物で、鉄板の外観は、造船王国といわれる今治らしさを表しています。
ここでは伊東豊雄氏の作品を展示しています。
内部も外部も垂直面が(トイレの扉などをのぞいて)ひとつもないのです。
シルバーハット・・・・伊東豊雄氏が住んでいた自邸を再現したアーカイブ棟
金属のカマボコ状の屋根が連なる形状で、内部は屋外ワークショップスペースが設けられています。
かわいい椅子でしょ。
どこから見ても優しい風景が広がります。
図書閲覧スペース。
伊東豊雄氏が設計した図面・資料や建築物の模型などが展示されています。
この2棟の建物で構成されています。
両施設とも伊東豊雄氏が設計しており、施設自体が展示物となっています。
2011年、ところミュージアム大三島を寄贈した所敦夫氏が伊東豊雄氏に設置を提案したことをきっかけに設置が計画されたそうで、近くには現在彫刻などを展示したところミュージアム大三島があります。
ところミュージアム大三島のみかん畑に設置されているのは「花の灯台」トム・ウェッセルマンの作品です。
スティールハットの中のサロンから見えました。
(小さくて見えにくいですが)