ヘンリーとメーガンの誤算—ばあちゃん強えええ!—(担当:喜多由布) | 越中屋TAIJI(葛城 亮)’S LIBRARY

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ちょっと悪筆な喜多由布(きた ゆう)さんが居候してます。

 

Gates at Buckingham Palace

"Gates at Buckingham Palace" by pathikAvashi is licensed under CC BY 2.0

 

 

新型コロナウイルスに関するニュースが連日取り上げられる最中……

 

イギリス🇬🇧は無事(?)EU🇪🇺を脱退しました。

念願のBrexit達成です。

まー、ミニトランプ(ジョンソン首相)としちゃあ念願叶ったりで、誇らしげにニヤけて演説を打つ様子見てると「なんだかなぁ……」(←故 阿藤快さんじゃないよ)としか言いようがなかったですなぁ。

 

 

おかげさまで、この二人の報道はすっかり影を潜めてしまい、当人たちはいっときホッとしてたかもしれませんが、2020年3月31日で正式に王室メンバーから離脱ってことで、また動向が注目されるようになってきました。

 

 

まず、離脱決定直後に、それぞれの立場から発表された声明を改めてチェックしてみました。

 

 

「家族の愛情」をアテにした孫のヘンリー王子夫婦へ、エリザベス女王は、おばあさまとしてじゃなく王室の首座である女王陛下として突き放した……と私は感じたけど、どう思います?

 

 

以下リンク飛びます。(ガラケーユーザーさん、ごめんなさい m(_ _)m )

 

「エリザベス女王の声明」と「バッキンガム宮殿の声明」

【全文】ヘンリー王子「殿下」の敬称返上へ、エリザベス女王が声明を発表— Harper‘s Bazaar

 

支援する慈善団体のイベントでのヘンリー王子の演説

ハリー英王子「こうなってしまいとても悲しい」 イベントでスピーチ BBC News Japan

 

 

イギリス人のメンタリティを日本人が理解できるか……ていうと、まあ、なかなか難しいとは思うけど、少なくともアメリカ人よりは理解出来るんじゃない?と思うんですわ。

 

イギリスには王室があって、日本には皇室があるけど、歴史的に見て新興国のアメリカには王室も皇室もない。

アメリカで最もそれに近い存在といえば、ケネディ家くらいしか思いつかないんだよなぁ。比較対象にするのも恐れ多いことだけど。

 

イギリス王室の「君臨すれども統治せず」という体制は、皇室のあり方と親和性がなくもないですからね。

 

 

王室や皇室(特に日本の皇室)に籍を置く方々は、その立場に応じた【義務】を課せられてます。「権利より【義務】が優先されてる」と思うんですよ。

 

 

当初メーガン妃が熱狂的に歓迎されたのは、王室主要メンバーに初めてアフリカ系の人が参加することになったからだと思います。

グローバリズムとか多様性という言葉が多く聞こえるようになったご時世だし、もともとアフリカ系の移民もいるイギリスにとっては、王室がより国民に愛される存在で居続けるためにも、メーガン妃の存在は大きな意義があったでしょう。

 

だから「エリザベス女王もメーガン妃を可愛がってる」というニュースが流れたりしてたし、事実「そういう存在」として女王はメーガン妃に期待してたんじゃないかなと思います。

 

 

ところが、どうやら雲行きが怪しい……

やれ、住居であるロンドン郊外ウィンザーの邸宅フロッグモア・コテージの改装費に240万ポンド(約3億4500万円)もかけただの、

ヘンリー王子がダイアナ妃の宝石から選んでデザインした婚約指輪をより豪華にリフォームしただの「王室の伝統やしきたりを無視」「金遣いが荒い」部分がクローズアップされたり、

何かといえば義理の母親である故ダイアナ妃や義姉のキャサリン妃と比較してメディアに取り上げられることが多くなってくる……。

 

まあ、これは「しょうがない」。

イギリスではダイアナ妃の人気は亡くなっても衰えないし、ダイアナ妃の息子であるウィリアム王子とヘンリー王子兄弟は「イギリス国民にとっての息子」だったり「イギリス国民にとっての孫」と言ってもいい存在ですから、そのパートナーであるキャサリン妃とメーガン妃が注目の的になるのは必然でしょうからね。

 

 

にしても、ダイアナ妃のことはイギリス王室にとって「トラウマ」でもある……。

「王冠を賭けた恋」と言われたウィンザー公(エドワード8世)以上に、だ。

 

 

特にヘンリー王子は12歳で母のダイアナ妃を亡くしてるから、パパラッチに追い回されることに慣れてはいても、パパラッチに対して思うところは大いにあるだろう……。

 

ヘンリー王子としては

「プライバシーを守りたい」「パパラッチから家族を守りたい」

「でも、王族の一員として働き続けたい」

ってのは、真実だろうなと思います。

 

 

ただね、メーガン妃の考え方と思われる振る舞いやニュースを見てると、

彼女は「王室の一員であること」を「【義務】ではなく『権利』だと思っている」ようにしか見えないんですよねぇ。

 

王族なんだから贅沢をする権利がある。

王族なんだから守られる権利がある。

王族なんだから人々から敬愛される権利がある。

 

いかにもアメリカ人らしい考え方だなと思います。

 

けどね、メーガン妃、間違っちゃいけません。

あなたは「イギリス王室に嫁いだ」んだから「イギリス人」として「王族の【義務】を果たす」ことで、初めて権利を主張できるんですよ!

 

 

 

 

これはあくまで個人的な意見ですが、

王室や皇室の方々には、一般人のようなプライバシーの権利は「ほぼ無い」と言っていいと思っています。

なぜなら「国民に支持されなければ王室や皇室の存在意義はない」からです。

 

日本の皇室の方々は、一般国民のような「戸籍」すらない。

皇室の方々は「皇統譜」に記載されることが、一般国民の「戸籍登録」にあたります。

近年の若者世代は、皇室に対して「国民の血税で贅沢に暮らしてる一族」などと考えてる人が多いらしいけど、

皇族の方々には「基本的人権」なんてほとんど認められていないようなものだし、にもかかわらず、公務や皇室外交のおかげで、日本が国際的に尊敬を受けたり好意的に接してもらえてるようなもんですからね。

 

 

 

 

んで、イギリスに戻りますが、

 

 

どうもメーガン妃は「その辺のところ」が分かってない気がするんですよね。

所詮、アメリカでも「俳優としては一流といえなかった人」なんだなあ……って思っちゃいます。

プリンセスとして急に注目を浴びるようになって、初めのうちはチヤホヤされて良い気分だったけど、しつこく追っかけられたことがなかったから「もう!いい加減にして!」ってな気分になっちゃったんだろうなー。

 

「人種差別を受けた」という声もありますけど、少なくともエリザベス女王やバッキンガム宮殿の広報からは聞いたことがないし、この件に関してはタブロイド紙が煽動してると、私は思ってます。

 

 

記事冒頭に貼ったリンクのとおり、「君主は感情的な振る舞いをしてはならない」を信条としてらっしゃるエリザベス女王は、至極真っ当な声明を発表されたと思います。

 

 

ヘンリー王子夫妻が何を要求し、エリザベス女王が何を承認して何を拒否したのかについては、下記のリンク先に詳細が書いてあるので貼っておきますね。

 

エリザベス女王 メーガン妃とヘンリー王子夫妻の何を“拒否”したのか 英紙が検証(Hint-Pot)

 

 

続報では、ヘンリー王子夫妻が商標登録した『サセックス・ロイヤル』について、「ロイヤル」の文字を使用禁止する決定が下されました。

こちらもリンク貼っておきます。

 

エリザベス女王 メーガン妃とヘンリー王子の処遇に新たな制限を決断か 英国民は支持「女王陛下バンザイ」(Hint-Pot)

 

 

 

93歳とは思えないほどの胆力を示されるエリザベス女王。

第二次世界大戦を経験し、姪としてエドワード8世(退位後はウィンザー公)の退位を目の当たりにして、さらに圧倒的国民人気があったダイアナ妃の死を義母として見届けてきた訳です。

 

そのおばあさまの愛情を試すようなことをしでかした、ヘンリー王子とメーガン妃。

一方で、エリザベス女王は『サセックス公爵、サセックス公爵夫人」の称号は、そのままとしました。

これには「万が一、何か(例えば離婚とか)あったら、いつでも戻ってきなさい」という女王の温情だというコメンテーターもいましたねぇ。

 

「ロイヤル」の使用を禁じられ、カナダ政府からは警備費を停止させられる ヘンリー王子とメーガン妃。今後は父チャールズ皇太子からの仕送り頼みになりそうだなんて、二人にとっては大きな誤算でしょうな。

 

 

 

まあ他所(よそ)の国の王室の家庭事情なんぞ、あーだ こーだ言う筋合いなんてないよな……とは思うんですけどね。

皇室のある日本に生まれ育ったイチ市民としては、イギリス王室って、なんか無視できない存在です。

 

 

(´-`).。oO(アーヤんとこの、まこしーはどうすんだろかねぇ……

 

 

(文=喜多由布)