こんにちは!お久しぶりです!こんな1年に数記事しか上げない気まぐれ(というかほぼ放置)ゲイブログなのにも関わらず、久しぶりに確認してみると毎月数千ものビューを頂いていて本当に嬉しい限りです...コメントも無視してすみません...


まあ、そんなことは置いといて(置いとくなよ?)今回は先日撮了したシーズン3の配信を前に、ドラマ『Heartstopper(ハートストッパー)』のシーズン2を振り返ってみたいと思います。


今シーズンではパリ旅行とプロムという高校生活の二大イベントが立て続けにあり、チャーリーとニックだけじゃなく、それぞれのキャラクターたちのドラマ展開にも目が離せない色々と盛りだくさんなシーズンでしたね。


このブログでは、そんな『ハートストッパー』シーズン2に隠された「イースターエッグ」(製作陣が作品に密かに忍ばせたメッセージやトリック)を見つけ出して、撮影舞台裏のトリビアと共に紹介していきたいと思います!


一度見ただけでは気づけないようなものもあるので、一度や二度といわず何度も見返して確認してみてくださいね。


ちなみにこの記事は下↓の英語のネット記事やツイッターで見つけたファンのツイートなどを元に自分なりにまとめたものです。

 


シーズン1のイースターエッグはこちら↓



この記事は『ハートストッパー』シーズン2の完全なネタバレ記事になります。ドラマを一度以上観たことがある人は先に進んでくださいね!あと例に違わず長文です。ページの読み込みが遅かったり何か不都合があればすみません。それでは、どうぞ!
























1、学校の壁画には新しい絵が付け足されている


シーズン1でも確認できる、大海原の絵が描かれたトゥルハム校の廊下の壁画。これがシーズン2では少し進化しているそう。


シーズン1は季節の流れと共に物語が描かれたのに対して、主に夏が舞台となったシーズン2。学校の海の壁画にもあたらしく太陽ボートの絵が付け足されていて、明るく日差しが降りそそぐ夏仕様に。また荒れ狂う大海原に繰り出す小さなボートは、今後の波乱な展開を予知するようでも...?


ちなみに学校の校庭にある壁画には、シーズン1では葉っぱが描かれていたけれど、シーズン2ではそれがお花になっているそう。他にも、美術室には新しい作品が飾られていたりと、登場人物の背後にまで目を凝らせば、細かいところが少しずつグレードアップされていることに気づけるはず。(ドラマを観て確認してみて!)




2、シーズン2のカラーパレットはピスタチオとピンク


画面の隅々を見渡すと、シーズン1では洋服や小物、背景やライティングに至るまで、あらゆる所にイエローブルーの2色が特に多く配置されていることに気づくはず。シーズン2ではピスタチオ色(グリーン)とピンクが新しいテーマカラーとして採用されたんだそう。


ちなみにパリのホテルは外観が実際にパリにあるホテルで撮影されて、
内側はイギリスにセットを組んで撮影されたそうです。


シーズン2のプロダクションデザインを務めたキャリス・ビアードによると、製作陣はドラマの世界観を表現するために、画面にチラッと映るお皿やお花など小物のひとつひとつにまでこだわりを詰め込んだそう。


たとえばパリのお土産屋さんで背景に映る商品などは、ロケ地のお店に元から置いてあったものにスタッフがわざわざ持参してきた小物を足して、背景の色味などをシーンの雰囲気にマッチするように調節したんだとか。


パリの本屋さんには『ハートストッパー』原作者の
アリス・オズマンの本も密かに飾られていたりするから、
よく見て探してみて。

ちなみに、シーズン1でブルーの服を着ている印象が強かったニックがシーズン2で見せたグリーンやピンクを基調とする服装は新鮮に映ったはず。


ニックがプロムで着ていた淡いグリーンのスーツも印象深いけれど、注目すべきはこの「グリーン」というカラーチョイス。『ハートストッパー』でチャーリーを表す色はイエローニックを表す色はブルーというのはよく知られた話。じゃあ、その2色が混ざり合うと...♥️





3、チャーリーとニックのリンクコーデに注目!


衣装デザインを務めたアダム・ディーによると、シーズン2のチャーリーとニックの衣装にはふたりの恋人としてのステータスが反映されているそう。


シーズン1ではニックはスポーティーな服をよく着ていたのに対して、チャーリーはヴィンテージ感のある服やボーダー柄の服を好んで着ていたのだけれど、シーズン2ではお互いがお互いのスタイルに影響を受けたようなコーディネートになっているんだそう。(チャーリーがニックの服を「盗む」ようになったのも忘れちゃいけない!)


さらにパリ旅行でふたりが最初に見せた衣装は、原作のグラフィックノベルの3巻の表紙をオマージュしてアダムによってデザインされたもので、「完全にマネるのではなく、でも原作のスタイルに敬意を示した」デザインを実現させるのにアダムは大きなプレッシャーを感じていたとか。



そして、もちろん衣装に注目なキャラクターはチャーリーとニックだけじゃない!シーズン1では周りに溶け込もうと自己表現することを少し抑えめにしていたエルだけれど、シーズン2ではより自分の個性に自信を持って学業も恋もひとつづつ前に進んでゆく姿が印象的。


そんなエルの成長、さらにエルを演じたヤスミン・フィニーのこの数年間の俳優として、そして人としての成長はエルの衣装にも反映されているそう。エルの「自分らしさ」が表現された大胆なスタイルは、どれもとってもオシャレで似合っていましたよね。



さらにパリでは思うゆくままのオシャレを楽しんでいたイモジン。それまでのイモジンは「好きな人(ベンやニック)に合わせた」ような彩りやスタイルのファッションをしていたのだけれど、パリでベンに愛想をつかしてからは、その持ち前のセンスが爆発して色とりどりの個性派ファッションを楽しむように。これもドラマの衣装デザイナーがイモジンのファッションに込めたメッセージなんだそうですよ。








番外編:「コールバック」と「パラレル」を探すのも面白い!



さて突然ですが、こちら↑のシーンを見たときに、どこか既視感を覚えた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。もしもそうならば、それは大正解!なぜならこのシーズン2のプロムでのダンスシーン(8話)は、シーズン1のパーティーでのタラとダーシーのキスシーン(3話)を「わざと」彷彿とさせるように作られたシーンだから。


ドラマや映画で用いられるこの手法は「コールバック」と呼ばれ、同じ作品の中で前に出てきたシーンやセリフがその後にもう一度出てくることを言います。そしてそれらの重なりあったシーン同士を「パラレル」と呼んだりします。


ちょっと話がズレるかもしれんけど、今パッと思い付いたのが、『何食べ』の劇場版で映画の前半に起きた出来事やセリフが後半にもう一度出てきて回収されるあの感じ。それが「コールバック」または「パラレル」です。


『ハートストッパー』には、そんな「コールバック」や「パラレル」なシーンがたくさんあります。「どこか既視感あるな~」と思ったらそれがヒント。特にシーズン1と2を比べながら探してみるのも面白いですよ!



4、シーズン2ではタラの部屋にも要注目!


ここまで細部にまでこだわりが詰まった作品作りがされていることを知ると、チャーリーやニックの部屋の中に飾ってある小さな小物にももちろん注目して見たくなるのだけれど、シーズン2ではのタラの部屋にも要注目!


シーズン1ではチラッと一部しか映らなかったタラの部屋もシーズン2ではその全貌がお披露目。黒人のバービーが飾られていたりと、タラのキャラクター性や黒人少女の等身大の姿が詰まったキュートな部屋に仕上がってます。


さらに部屋の壁に注目してみると、そこにはテイラー・スウィフトのアルバム『folklore』のポスターが。どうやらタラはスウィフティー(テイラー・スウィフトの熱狂的なファン)のよう。


こちら↑は7話の冒頭のシーン。


シーズン2最終話(8話)のプロムの後のシーン、それまですれ違っていたタラとダーシーがお互いに正直になって心を通わす感動的なシーンで流れるのが『folklore』に収録されている楽曲『seven(セブン)』。



この曲は「不幸せな家庭で育っていた子供の頃の親友」に、大人になったテイラーが思いを馳せるような曲。シーズン2で明らかになるダーシーの家庭環境にも通ずるような少し悲しい歌詞がストーリーとリンクしつつ、優しいメロディーがシーンを美しく飾っています。


さらにこのシーンでニックの家に集まっていたのは、タラ、ダーシー、チャーリー、ニック、タオ、エル、アイザックの「7人」。まさに『ハートストッパー』のこのシーンのために書かれたような、どこか運命的な曲が使われたことも視聴者の涙を誘うと配信時は大きな話題になりました。



ちなみに、テイラー・スウィフトほどの大物歌手の楽曲ともなると莫大な額の楽曲使用料がかかったのかと思いきや、このシーンをドラマ配信前にテイラー本人に見せたところ、感動したテイラーが(無償でかは分からないけれど)この楽曲の使用許可を出してくれたんだそう。そのことはドラマの音楽監修を務めたマット・ビファがツイッターで明かしています。




5、『ハートストッパー』はサウンドトラックにもステキが詰まってる!


前述の『seven』以外にも劇中で流れる音楽は、どれもシーンにピタッとハマるステキな曲たちばかりが選曲されているので、これまで流して観ていた人はぜひ注目してみてほしい!


たとえば、シーズン2のオープニングを飾る高揚感たっぷりのロックナンバー、マギー・ロジャースが歌う『Shatter』は物語の始まりのワクワクする気持ちを何倍にも盛り上げていたり、6話のパリ旅行から帰るときに流れるホリー・ハンバーストーンの『Deep End』は悲しげな曲調と歌詞がシーンをセンチメンタルに彩っていたりと、どこをとっても名曲&名選曲ばかりです。


他にも3話のチャーリーとニック(と犬のネリー)が公園で遊ぶシーンで流れているのは、恋人と過ごすかけがえのないひとときを「楽園」に例えて儚げに歌ったカーモディーの『Paradise(パラダイス)』、5話でエルとタオがパリの芸術的な街並みをふたりきりで散策するシーンで流れているのはmxmtoonが歌う『mona lisa(モナリザ)』という曲だったり。



パリのシーンではフランスのアーティストの曲も多く使われてます。


アイザックが初めて「アセクシャル、アロマンティック」という性のあり方に触れた7話のシーンで流れるコナン・グレイの『Crush Culture』という曲は、世の中の恋愛至上主義を「ヘドが出る」とディスるような内容であったりと、どの曲も歌詞がキャラクターの心情を表しているようで胸熱なんです。


さらに、ハートストッパーファンにはお馴染みの歌手ベイビー・クイーンが歌う『Colours Of You』という曲は、8話のニックがインスタでバイセクシャルをカムアウトしたシーンで流れているんですが、この曲はベイビー・クイーンがニックとチャーリーの物語にインスパイアされて書き下ろした、本当の意味での「このドラマのために書かれた曲」であったり。


ちなみにベイビー・クイーンは8話のプロムのシーンで
バンドのボーカルとしてカメオ出演も果たしています。


そしてさらにファンの感動を呼んだのが、シーズン2の最後の最後に流れる『ur so pretty』という曲。この曲はタオ役のウィル・ガオくんが妹と組んで活動している兄妹バンド、Wasia Project(ウィルくんはピアノでボーカルは妹)の曲なんです。知ってました?


この楽曲の起用はウィルくん自身が監督とプロデューサーに掛け合って実現したんだそう。シーンを優しく包み込むような歌声に「君が可愛すぎて。君が笑うと胸が締め付けられるよう」という歌詞もニックのチャーリーに対する想いを歌っているようで涙なしには観られないんですよね!



ちなみにシーズン1のサウンドトラックにもステキな楽曲がたくさん詰め込まれていますよ!オープニングを飾るベイビー・クイーンの『Want Me』やシーズン1の4話の雨の中のキスシーンで流れるshuraの『What's It Gonna Be?』などのようなキャッチーなポップチューンから、オーラ・ガートランドの『Why Am I Like This?』(2話)やエズラ・ウィリアムズの『My Own Person』(3話のニックがGoogleで検索するシーン)などといった、自身のアイデンティティーに葛藤するティーンエイジャーの心のモヤモヤを書き出したような歌詞の少しセンチメンタルな曲まで。


さらにシーズン1のラスト(8話)で流れるサンフラワー・ビーンの『Moment In The Sun』とチェアリフトの『I Belong In Your Arms』も、アップテンポな曲ながら歌詞をチャーリーやニックの心情と重ねてみると、とっても感動的に聴こえてステキ過ぎるんですよ!ぜひドラマを観た後には、好きなシーンで流れていた音楽も聴いて世界観に浸ってみてくださいね。







番外編2:またまた「パラレル」の話


先ほど紹介した「コールバック」と「パラレル」の話。文章で説明されてもちょっと分かりにくかったなって人もいると思うので、ここでもうひとつ「パラレル」なシーンをご紹介。


それがシーズン1とシーズン2の冒頭のシーン。どちらもチャーリーが期待に胸を膨らませながら学校に登校する姿が映し出されていますが、これらの2つのシーンは明らかな関連性を匂わせる「パラレル」。



どちらのシーンでもバックにはアップテンポでノリノリな音楽がかかっています。シーズン1で使われているのは『Want Me』という曲、シーズン2で使われているのは『Shatter』という曲。


『Want Me』では「あなたが向かう場所なら何処へでもついて行く」と歌われ、『Shatter』では「どんなに傷ついても構わない / あなたが望むなら私はすべてを捧げる」と歌われ、どちらも意中の相手への一途な愛が歌われていますが、シーズン1のこのシーンでチャーリーが思っているのはベン、一方シーズン2でチャーリーが思っているのはニックです。


あえて同じようなシーンを作り出すことによって、前のシーンから後のシーンまでのキャラクターの心の変化や環境の変化をより印象的に感じられるようになっています。これが「パラレル」の効果のひとつです。




番外編3:音楽とシーンとの結び付きに鳥肌!


もうこれは本当に何度も言いたい!というかこれだけで1つ記事がかけそうなくらいなんですけど、とにかく『ハートストッパー』は音楽も秀逸なんです!どの曲も歌詞がキャラクターの心の中を描き出しているようであり、シーンと音楽が結び付きすぎていて鳥肌立ったりするんですよね。


シーズン2で使われた曲は全部で44曲。そのすべてを紹介していたらキリがないんでしませんが(でもそうしたいぐらい!)今回は中でも特に鳥肌モノのシーンを紹介します。


その前にまず頭に入れておくべきなのが「バイセクシャルフラッグ」と「ゲイ(同性愛者の男性)フラッグ」の話。LGBTQを象徴する虹色のレインボーフラッグや、淡いブルーとピンクと白のトランスフラッグは有名ですが、バイとゲイにもそれぞれを象徴するフラッグ(旗)があるんですよ。それがこれ↓


こちら↑が「バイセクシャルフラッグ」

こちら↑が「ゲイの男性フラッグ」


そして紹介したいのが、下↓のシーン。このシーンで流れるのが、前述のベイビー・クイーンがドラマのために書き下ろした『Colours Of You』という曲のちょうどサビの部分。




『Colours Of You』のサビではこう歌われています。「I'm covered in the colours of you(あなたの色に覆われる)」。そして上↑のシーンでチャーリーが着ているのがパープルブルーが使われたボーダーの服、そしてニックが着ているのがグリーンホワイトのボーダーの服。


もう分かりました?そう、「あなたの色に覆われる」というフレーズが流れるシーンで、チャーリーは「バイフラッグ」を思わせるようなデザインの服を着ていて、ニックは「ゲイフラッグ」を思わせるような服を着ているんです!真意は今のところ定かではありませんが、この演出が意図してのものだとしたらかなりの鳥肌モノですよね!


このシーンのようにBGMの歌詞の意味を知っていると知っていないとでは見方が変わるようなシーンが『ハートストッパー』にはたくさん存在するんです。英語が苦手って人にはちょっと難易度高めかもしれませんが、ぜひ曲の歌詞まで調べてドラマを見てほしいな!って思います。



...というわけで、まだまだあります!でも例のごとくあまりに長文になってしまったので記事を前後半に分けたいと思います。こんな長ったらしい記事をここまで読んでくださっているのなら嬉しいです♥️


後半もどうぞ↓