ナナロク、ことED76形電気機関車というと、私にとってはJR九州(全車退役)、
もしくはJR貨物の0番台・1000番台を想起するのですが、北海道にも電化区間
用に新造されたED76-500番台が存在します。
上が500番台、下がブルートレイン牽引機としても活躍した九州の0番台。
貫通扉の有無など、見た目は結構違います。
北海道向けED76-500番台の開発ソースとなったED75-500番台。
501号機1両のみの製造に留まりました。
(小樽市総合博物館)
同じナナロクとはいえ、九州のED76とは随分違う北海道のED76。
全22両が製作され、JR北海道の函館本線で客車列車牽引に投入されましたが、
その後は電車化が進んだため、1990年代前半に大部分が退役しました。
北海道向けに耐寒強化と機器類の容量UPが行われ、九州向けのED76よりも
車体全長が伸びています。
上2枚は北海道用の500番台505号機の運転台、下は九州向けの91号機の運転台。
外観の違いとは裏腹に運転台はよく似ています。
もっとも、これは同じナナロクだからというよりも、国鉄時代から運転台の
標準化が意識されていたのでは?
全22両という比較的少数製造に留まり、貨物列車は電化・非電化区間を問わず
DD51形ディーゼル機関車が直通牽引する、という北海道特有の事情から、
JR貨物にも継承されることなく、平成に入って間もなくひっそりと姿を消した
ED76-500番台。
九州島内ブルートレインの牽引を半ば独占し、現在でも少数ですが、未だEF81
に伍してJR貨物で活躍する個体もある九州のED76-0番台、1000番台に比較
すると、少し地味な感じもしますが、こうして北海道を代表する電気機関車
として三笠鉄道村に505号機、小樽市総合博物館に509号機が展示されている
(残存率約10%)ことは、本機にとって幸せなことだと思います。
九州のナナロクは日田天領水の91号機(機器類は撤去済み)と、1号機の生首
しか展示機がありませんので。次回は再び小樽に戻りたいと思います。