宮部みゆきの「返事はいらない」を読んだ。
久しぶりの宮部みゆきだった。
小学生のころ、私は彼女の作品が大好きで、新作が出る度に図書館に走っていた。特に、彼女が書く江戸ものが好きだった。ミステリアスでワクワクドキドキさせながらも、必ず温かい人情にホッとさせられ、「あぁ面白かった!」と爽快に本を閉じることが出来ていた。
この本は、短編集だ。どの作品も、必ずタイトルと作品のオチやコアな部分が繋がっている。彼女の作家としての能力に脱帽せざるを得ない。短い作品の中に散りばめられた複線が、スーッと最後に回収され、爽やかに作品が終わる。
そして、彼女の「温かさ」は健在だった。登場人物に、悪人がいない。皆が皆、一生懸命生きてる普通の人だ。だから、安心して読むことが出来る。
やっぱり私は宮部みゆきが好きだと、改めて感じた。