『整形した女は幸せになっているのか』北条かや(2015)

 

 

北条かやさん! 久しぶりに名前みたな~~。

この方、旧Twitterでよく炎上していた記憶があって、名前だけは存じてたんですけど、最近聞かないなと思っていたら、文筆業からは引退?されているようですね。

テレビには出たりしてるみたいですけど。

なんで炎上したかもよく覚えてなかったんだけど、ちょっとぐぐったら「あ~~」って感じだった。

よくいるこじらせオタク女系というのでしょうか。

 

でもこの本の内容はとてもまともでした。

美容整形の簡単な歴史から、実際に受けた人のインタビュー(美容整形はいわゆるブスだから受けるわけじゃなく、美意識が高いがゆえに受ける、というのと、受ける人は行動力にたけているという指摘が面白い)、そして美容整形といえばこの人、中村うさぎ先生へのインタビューと面白い内容でした。

もっと深く掘り下げたほうが……という部分もあったけど、新書でライトに現状を知りたい人には十分。

こういうライトな社会学現象の本とか書きつづけてくれたらよかったのにな。

 

さてタイトルの答えなんだけども……。

これは人それぞれと思うけど、うさぎ先生のインタビューの中であるモデルさんの名前が出てくる。

うさぎさんからみても、その人はやりすぎじゃないかと思うけど、彼女がやりたいならそれでいいんじゃないという口調だった。

私は存じ上げない人だったので、検索してみたところ、2016年あたりからSNSやブログの更新もなく、ブログの最後のほうでは精神的な病気で入院していた、と記述がありました。

彼女のことを案じているファンの方もいますが、現在は完全に公的には消息不明状態。

今頃どうされているのでしょう。お元気でいるといいのですが……。

 

何をもって幸せとするかですよね。

きれいになって幸せという人も多いでしょうし。

 

ただ、私の年齢(50代)になって思うことは、人は誰しも年をとり老化する。

それは生物として当然のことだし、生きている以上さけられない。

美容整形したとしても、年齢を止めることはできない。

「自分が理想とする自分」からズレていく時、それを受け止める力をどうつけるかでしょうね。

 

私も30代の前半くらいに、後ろ姿、特にお尻wwが垂れてきた時、ショックだったんですけど、それから白髪やらしわとか、今はすっかりおばさん体型になっていて、いやねえと思うことはもちろんあるけど、そんなにいやじゃないです。

それ以上に、大きな病気をしてないことに感謝の気持ちが大きいです。

この年齢になると、若くして亡くなった知人・友人もいます。

もう、生きてることに感謝!って気分ですよ。

 

あと加齢したなりのおしゃれも楽しいし、なんといっても、異性から見た目でジャッジされることが明らかに減りました。というか皆無!!

これくっそ楽!! 変なトラブルに巻き込まれることもないし、なんかすごい自由!!!って感じです。

いつまでも異性の目を引きたいという人には悲しいことかもしれませんが、年齢を重ねて、容色が若い時と変わってしまっても、十分楽しいよ!!ということはお伝えしたいです。

 

北条かやさん自身も脂肪吸引したと言ってましたが、今、お幸せでしょうか。

答え合わせを知りたいような気がします。

 

 

 

 

「読む常備薬」シリーズの一冊。

 

サブタイトルに「自分の容姿が許せないあなたに寄り添う本」とあるが、まさに今、その病気もしくはそうじゃないかと苦しんでいるための人の本。

醜形恐怖症とはなにか、から、そのバリエーション(見た目だけじゃなくて、体型や髪の毛へのこだわりも含む)から療法まで、イラストも多く字も大きく、わかりやすく書かれています。

 

醜形恐怖症って、私の勝手なイメージでそのせいで美容整形にハマっちゃう人みたいな感じだったんだけど、もちろんそういう人もいるようですが、「自分の容姿にこだわりすぎて生活全般に支障をきたしている」人はそのようです。

それが原因で引きこもりになる人もいるようで。

 

どんな人にも自分の容姿に気になる部分はあるわけで。

石原さとみにだってきっとあるw

でも、「目が小さいのが気になるからマスカラとアイラインでしよう」とか「腕が太いのが気になるから暑いけど五分袖のシャツにしよう」とかそういった方法でカバーしてるはず。

このくらいは誰でもやりますよね。筋トレしてみるとか、エステにいくとかもその範疇かも。

 

醜形恐怖症は、通常の人が「ま、こんなもんでしょ」というのができない。

気になってしかたない。

強迫性障害の一種でもある。

 

発症は、ほとんどが10代が多いそう。

心と体のバランスがとれてない時期でもあり、思春期で人の目が気になりだす時期っていうのも関係あるのかもしれない。

 

また理解されないことも多い病気らしい。

確かに「私、目が小さいのが気になって仕方ないの。だから外出がいやだ」と相談されても「えー!? そんな気にならないよ。メイクしてみたら?」というだけになりそう。

私なら「他人はそんなこと気にしないよ」とか言って地雷ふみそうです。

 

今、悩んでいる人や「自分ってちょっとおかしいかも……」と思っている人がいたら、ぜひ読んでほしい本でした。

 

『いちばんわかりやすい醜形恐怖症』(2022)

 

 

あるYouTuberが死んだ。

美容整形したことを公表しており、それについて前向きな発言をしていた。

恋人がいて、自身がプロデュースするブランドも持ち、海外旅行も楽しみ、まだ青春といっていい時期を楽しんでいた。自身のコスメ情報を掲載した本も上梓した。

その人の動画や発言には、多数の同意コメントがつき、もちろんアンチからのコメントもあった。

でも、自身のチャンネルやSNSを持っている人なら多かれ少なかれあること。

多数の人から「かわいい」といわれ、そのコスメ情報や施術を褒められ、チャンネルの登録者数も多い。

これから何者にもなれそうな若さ。

 

でも死んだ。

正式に公表はされていないが、多分自分で死んだ。

最後の動画に「生きていこう」と発言していたけど、でも死んでしまった。

 

多分、死んだ理由はその人自身もわかってないのかもしれない。

 

精神が安定していないから整形するのか、整形したから精神が安定しなのかわからないけど、美容整形をしたと発信しているアカウントは、情緒不安定な人が多いように見える。

 

一度「修正した自分」を受け入れてしまったら、もっともっととなるのもありえるだろう。

欲はつきない。

そして、それを手にいれられなかったら(資金や結果に納得いかない)不安定になる場合もありそうだ。

 

一重でも

足が太くても

エラがはっていても

胸が小さくても

 

まあ、しゃーないと受けいられる人であるなら、

不完全な自分を許せる人であるなら、

なにかトラブルを持ちこたえる強さを持っている人だろう。

 

 

もちろん、自分のコンプレックスを解消したい、もっと生きやすくなりたいからと美容整形をしようとする人もいる。

それもその人の選択だから否定はしない。

ただ、受ける前にしっかり準備や下調べは必要。

この本は、そんな人に向けてわかりやすく書かれている。

 

「32歳の悩める女子が美容外科医に聞いてみた」

 

お医者さんとエリさんとの問答式で、とっつきやすく美容整形の病院の選び方やメジャーな施術の説明がされている。

 

美容整形を受けようと思うなら、めんどくさいと言わずに、この本くらいは読んだほうがいいと思う。

 

私はしようと思って読んだわけじゃないんだけど、エラをけずる施術の説明の部分を読んで、背筋がぞわっとしたのでまず無理だなと思った!

 

この年齢になると、顔が小さくなりたいとか足が太いなんて些細なことになってくる。

もう死ぬまでほどほどに健康に過ごしたい、これしかない。

豊胸?

友達が先月、乳がんで手術した。

もう胸なんて、ちいさかろうが垂れていようが、普通についていれば十分だよ。

 

 

 

 

 

私も独身で、今のところ結婚の予定もない。

きょうだいも独身で、我が家の血筋は私たちで途絶えます。

幸い親戚が多く、いとこの子供世代もそろそろ結婚しはじめているので、うちが途絶えても、まあ問題ないだろうって感じです。

あとは頼んだ。

 

さて、親がひとりおりまして、通院はしていますが、年齢にしてはとても元気です。

年相応の物忘れや勘違いはありますが、認知症ではないです。

この点はほんとうに感謝しています。

親が健康かそうじゃないかで、中年娘の世界は変わってしまいます。

 

『ルポ 介護独身』(山村 基毅 新潮新書 2014)読みました。

まったく人ごとじゃないですよね。

独身の人が親などの介護をしているいろんなケースが当事者のインタビューを基に掲載されています。

ずっと独身の人もいれば、バツイチの人もいます。

両親ともに介護が必要とか、もうひとりでどうこうできるわけがない。

施設にいれられたらいいけど、お金もかかるし、そもそも施設があいてないというケースもあります。

なにより、介護者本人が入りたくない、家に帰りたい、というパターンもある。

 

本の後半に「施設に行きたくないのは男性のほうが多い」という統計がある、という記載があるのですが、まあ、男性はそうだろうね。

今、介護を受ける立場の60代以上の男性は家事や家庭のことなんかやってこなくて、施設だろうが家庭だろうが、サービス受けられる側だもんね。

だったら、慣れた家のほうがいいだろうしね。

女性は「自分が家にいたら、誰かを犠牲にいなくちゃいけない」ってわかってるんだろうね。

ここらへんも、男女の差、というか、家庭のことをしてない人としてきた人の意識の差を感じました。

 

私にもきっといつか降りかかってくる介護問題。

手続きや現在のシステムのことも説明があって、その部分は本当にためになりました。

自分ごととして受け止められました。

 

あと15年くらいしたら「介護してくれる人がいない人たち」という本が出るんじゃないかな?

私もそうなるでしょう。

独身、こなし。

できればコロッと死にたいです。

 

 

 

 

お久しぶりです。

 

前回の記事がコロナ禍の前ですね。

私は今のところ、一度も感染せずになんとか乗り切ってますが、友達・知人はかなりの人が感染しました。

後遺症で一番ひどかった人で、半年間の通院が必要な人はいましたが(とても大変そうでした……)、その他の方はほどほどで回復してよかったです。

ただ、ご親戚がコロナで亡くなったという方がいました。ご高齢ではあったのですが、コロナが死因ということで、通常のお葬式はできなかったそうです。

また感染も増えているようなので、まだまだ気をつけていきたいですね。

私としては、なんとか逃げ切りたい!!!!

ここまで頑張ったのに、この後感染したら負けた気がする!!

 

 

 

 

今日の読書は「DV 殴らずにはいられない男たち」 豊田正義(光文社新書 2001)

20年以上前の発行ですが、この年にDV防止法が施行されています。

つまり、この年までDVは犯罪ではなかった。もちろん、傷害罪で被害届を出せば捜査してくれたでしょうが、だいたいは「家庭内の問題」で終わらせられていたのです。

 

よく考えてみると、とんでもねえよな……。

 

この本は、実際のDV加害者(夫)とDV被害者(妻)からの聞き取りを淡々と記載されています。

解決方法が提示されるわけではなく、ただ事実のみです。

それがいろんなケースがあると考えさせられる。

DVする夫が、わかりやすく粗暴な男ではない。

ごく普通のサラリーマンだったり、社交的な一件人当たりのよい男性だったりするのです。

それが家庭内では、自分より力の弱い女性である妻に暴力が向くのです。

 

この本が発行された当時は、まだDVの実態について報道も少なかったでしょうから、この本を読んだ人は「まじでー」という感じだったんじゃないでしょうか。

 

20年が経って、状況は変わったのでしょうか。

この当時より、よくなっていると思いたい。

それでも、ニュースでは家庭内の暴力についての事件も多いです。

 

なぜ暴力に走るのか。

生育歴や、職場環境、家庭内の事情。

様々な要因はあるでしょうが、ただ一ついえるのは、暴力はダメ、絶対、です。

 

毎日のように、家族に殺される人の事件が報道されています。

夫→妻だけではなく、子→親や、親→子もある。

暴力の行き着く先は、殺人です。

心が死ぬ場合もあるでしょう。

 

どうやって防いでいくか。

偉い人もいろいろ考えているとは思いますが、なくならない。

教育や結婚制度にも、関わっていくことだと思う。

ただ「DVをなくしましょう!」では無理なんじゃないだろうか。

 

とにかく、今、DVを受けてる人はまず逃げてほしい。

殺された人の事件をみるたびに思います。

まず、逃げてほしい。