Open Mic | rustradio, a devoted Chris Whitley fan
ドア一枚、人が階段を下りる音、ダイニングの椅子を引く音、食器の音・・・会話が聞こえてくることには意識もはっきりしてきました。人見知りをするわけではないけど、Eric以外のゲストは知らないまま。なんとなく出て行くのに躊躇しつつも、目の前の現実と空腹を受け入れるしかなく、肌寒かったのでTシャツの上にも一枚羽織ってダイニングへ。眠そうに目をこするのも照れくささから出た演技ッぽい感じ。
そこにはブロンド、強面のいかつくデカい白人男性+茶色とブロンドのくしゃくしゃの髪にミリタリーっぽいジャケット+パンツの小さな女性 というワイルドなカップルと、モッズっぽいとでも言うのかな・・・黒髪のおかっぱ、太い黒ぶちのめがねに黒のスーツ(+ピンバッヂ多数)のオッちゃんと地味でおとなしい奥さん という2組が朝食を始めていました。 おはよう!と声を掛け合って、とりあえずはコーヒーを注いで小さいテーブルに着く。
なんとも静かで不思議な空間。緊張もあったけどなんとなくゆったりもできそうな気がしていたのを覚えています。
先のカップルはカナダから、もう一方はドイツから来たんだそう。どちらも奥さんの方がChrisファンのようで、ブロンドのダンナはドイツ系カナダ人でカーペンター、奥さんはフランス語圏のカナダ人でヨガダンサー(?)、ドイツ人カップルのモッズ風のダンナは本当にChrisファン?、どんな仕事をしていそうか全く不明。
しばらくするとEricも起きてきた。 Charlieのお母さんAmyも加わって話題はアメリカの大統領選~歴史の話まで(のようだった)。 とてもついていけてないのにたまに「で、Hiroshiはどうよ?」とか振らないで下さいな・・・。 ま、アメリカ人以外の方が多いわけで、ややこしく突っ込んだ話になったり口論になったりしなくて良かった。 でも、チャールトンヘストンがなくなった話に関連してAmyさんが昔は本当に生活の上で(ライフル)銃が必要だったのよという話は説得力があったかも。
食事が終わると唐突に、ポーチでHiroshiのギターを聴きましょうよ、ということになり、ボクも練習になるかな(今日の午後はOpen-micなのだし)と調子に乗って演ることにしました。 静かな朝にポーチ(屋外)でレゾネイターギターを弾く・・・とても日本では想像できないっす。
思いつくままにDirt Floorのアルバムからの曲や元々アコースティックで演奏されていた曲を下を向いて歌を口ずさみながら弾いてました。 ふと、顔を上げるとSkipperの奥さんが泣いてる・・・ ビックリしてしまいましたが、少し体も悪いみたいで、自分の人生やChrisの死に思いをめぐらせていたのか、こちらもジワ~ンとして泣けてしまいました。
ほどなく、もうカナダ人カップルの携帯に着信があり、悲痛な面持ちで奥さんのMyleneがポーチに戻ってきた。 知り合いが亡くなったということらしい。 その人はジャズが好きだったという。 何かジャズを弾いてとのリクエストには、少ないレパートリーの中から「All The Things You Are」を端折って弾かせていただきました。 リクエストに応えられて良かった。 Mylene~イイ人なんでね。
そうそう、数ヶ月前にぎっくり腰を患っていまだに朝とか辛いんだけど、腰に手を当ててダイニングに歩いてきた様子を見てストレッチをやってくれましたっけ。ダンナはそれを見て、「あ~こいつのおせっかいにやられてるなァ」といわんばかりの目配せをしてましたけどね。
そうこうしている間に昼も回って、皆それぞれ動き出そうかなという様子。 ボクとEricはOpen-micもあるしね。 Ericにもギターを渡して弾いてもらったけど、Power Downやオリジナル曲、良かったです。
支度をして、CharlieとともにMain Streetへ。 オペラハウスの地下はシンプルなステージ以外何にもない、リハーサル用か小パーティー用の部屋みたいなところで、Charlieら地元のボランティアがセットアップし、Open-mic会場になっていたのです。
ホストのJoshがPAのセットアップ、マイクチェックをかねてか、ゆっくりと演奏を始めている。 ・・・とその時、懐かしい呼び方で呼ばれた気がして振り向くと、Ran(大学時代からの友人)とDan(ダンナ)じゃない! Open-micには間に合わないかな~と言ってたのに、車を飛ばして来てくれたんだ!Burlingtonからは2時間位かかるとか、さてはお昼のアポイントがあるという件をキャンセルしてまで来てくれたのか。

そろそろ時間。 エントランスに戻り、参加料と夜のコンサートのチケット代を払い、ここでOpen-micの順序を決めるべくリストに名前を書く。ゲッ、Ericは一番に書いた! 一番は緊張するけど比べられないから良いんだよ、だって。 なるほど。 しかし、ギターを貸すよ、という話になっていたし、じゃ、2番に書かないわけに行かないやんか~。
でもホストのJoshのアコギを借りていきなりマイクなしでやり始めたぞ~。 Power Downと自作の曲、ブリトニースピアーズの曲(いい曲だった、ほんとに)をしっとりと演ってたくさんの拍手をもらっていました。
さて、BGMを鳴らしながらJoshはマイペースでPAを調整したり・・・  そんな姿を目にしつつ、実はギターだけでなく、コンデンサーマイクとそのファンタム電源供給用にミキサーまで持ってきてたのですが、そんなのまでセッティングするとなると時間もかかるしな~ などと思っていました。 でもここで良~く考えてみようと。 1年かけてお金を貯めて、14時間かけて日本から荷物たくさんかついでやってきて、ちょっとくらい時間を余計にもらって何が悪いのかな~と。
思い切ってJoshに、自分のサウンドシステム持ってきたからセッティングした上でPAにプラグインさせてもらえないかな~と頼んでみました。 Joshは快く、好きにやっていいよ!とのこと。 せっかくだし思い切ってやらないと!と言い聞かせてあとは流れに任せました。

最初の曲はNew Machine。 しばらく迷ってたけど、前日くらいからコレにしようと決めていました。 イントロのインパクトは最高だしね。 そうなるとあとはチューニングの都合もあって・・・ Drifting(ここでPerfect Dayで取り上げられていたHendrixの曲を挟むあたりが渋いっ!)、チューニングを変えずにIndian Summer・・・いい流れでしょ!
小さな島、日本から来ました、とFrom One Island to Another。 極端にチューニングを変えたくなくて次はLoco Girlを。 目の前で見ていたLWTLのツアーTを着ていたブロンドの女性(後にRockitgirl=Jeanであることが判明)が感激してくれたぁ! この辺で終わらないと、という雰囲気もあったのですが、この際!とJoshにもう少しお願い。
Joyceにこの曲を捧げないと!とOn Cueをやるつもりでチューニングをはじめ、「ボクに、そしてこのイベントに力を貸してくれているベストフレンドJoyceに捧げます」とMCをはじめると彼女がいない! そういえば今夜のメインアクトのリハーサルのヘルプをするとか言ってたな・・・ とにかくOn Cueをやり、最後にLWTLをガツンとやりました。
ちょっと多くやりすぎてマナー違反だったかな、と思いつつも皆の拍手と、ステージを降りるときにJoshが言ってくれたGood Job!に救われました。 
その上、席に戻って機材の片付けをしてると、かわるがわる何人も「良かったぜ~い」と声をかけてくもらえたし・・・思い切ってやって、正解だったかな。

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