ウラジオストク、前例をみないオープンスカイ導入
また、オープンスカイによってロシア政府がウラジオストク空港のリニューアルに投資した費用を少しでも早く戻せることが期待されている。ウラジオストクから600キロ離れているソールの空港はオープンスカイ導入後、実績を倍に伸ばすことに成功している。
一方、他のロシア航空会社はオープンスカイ導入について意見が異なる。ライバル航空会社の都合が良くなる反面、我々の旅客が奪われる羽目になるという。
それに対して当局は、オープンスカイを利用する海外の航空会社にその国への直行便数をもっと増やすてもらうなど、ロシアの航空会社にとってもいい条件を約束していきたいと述べている。
「無条件に我々の空をオープンしない」とコメントしている。
トランスアエロ航空、B747-8 Intercontinental 購入計画
ロシアの大手トランスアエロ航空はアメリカのボーイング社と最鋭のB-747-8Iを4機購入覚書を交わした。同社の発表によると、購入契約が確定したら、トランスアエロ航空は東ヨーロッパ、CIS諸国、そしてロシアではこのタイプの旅客機のカスタマーになるという。
B-747 8I のカタログ価格は3億3千万アメリカンドルとなっている。購入予定の4機とも4クラス構成:ファースト、ビジネス、プレミアム・エコノミーとツーリストクラス。座席数は460席。引き渡し予定は2016年までと言われている。
トランスアエロのプレシャコワ社長は、「ボーイングとの取引は1993年から始まった時、当時東ヨーロッパ及びロシアで初めて長距離型ワイドボディキーB-747型機を導入した航空会社の地位を獲得した」と語っている。
最近トランスアエロ航空の実績はハイペースで伸びている。今月はじめにトランスアエロはエアバスのA380を4機購入する覚書を交わしているというニュースは皆さんの記憶に新しいでしょう。ロシア国内の市場を45%以上獲得する野心を抱いているアエロフロートに対して無視できないライバル会社になってきている。
専門家の意見:LCCにとってロシア市場は未成熟である
2011年11月1日
ロシア連邦航空運輸局は11月1日にLCCとして知られているスカイ・エクスプレス航空の運送業務許可を無効にしたという。理由は実績低迷及び財政赤字だそうだ。
同じく10月にアビアノバというもう一社のLCC航空会社が市場から消えた。
アビアノバ航空が倒産したのは会社内部の亀裂があったからだ。一方、スカイエクスプレスの場合は他社と合併しなければ生存できないと悟ったからだ。このように「民間航空のパートナー」基金のスミルノフ社長が分析している。スミルノフ社長の考えによると、LLC航空会社が成長する為の条件はロシア市場にはまだ整っていないという。主な原因はLCCに必要な飛行機の機種統一性と機数だという。
例えば、アメリカの大手LCCは同機種の旅客機を400機を保有している。その上、この航空会社はロシア国内の航空会社全社を上回る輸送能力を持っている。同機種の旅客機を極力たくさん保有することがLCCにとって重要な条件である。パイロット育成費用はかからないし、部品は共通している為、経費削減効果が抜群だ。また、フライトシミュレーターは一台を購入すれば済む。
LCCの発展を妨げているもう一つの要因は安い空港の無さだ。空港を利用する時に航空会社は空港に対して着陸料金やグラウンドサービス代金を支払わなければいけない。海外の場合、ドイツ、アメリカ、フランスのハブ空港を利用しているLCCはない。LCCは経費のかからない空港を利用しようとしている。モスクワの場合、空港は3箇所しかない。それらの空港を利用すると、LCCらしい価格設定が不可能になるのだ。
その他にも、完全航空券販売オンライン化、機内食の有料化などが海外のLCCが導入しているノウハウである。ロシアの場合、これらを実現する為の状況は整っていないので、LCCになれないのだ。
これに対し、LCCに反対する声もある。ロシアの有名なテストパイロットトルボエフ氏は、ロシアにおけるLCCはありえないと考えている。
3-4機程度を保有してでたらめに営業している航空会社を未然に防ぐべきであるという。ああいう安っぽい会社は金儲けしか頭になく、人を殺しても知ったことではない。航空券が高くても安全に運んでくれる航空会社がベストだという。
また、航空券を大手の通常価格より半分安くするというキャッチフレーズはあり得ないと、トルボエフ氏が述べている。燃料、駐機代、着陸料金は確実にかかっており、それぞれの市場価格は変わらないのに航空券を半分安くできるわけがない。それは市場にぱっと現れてぱっと消えるペテン師だとか。
Yak-42の墜落事故、離陸中にブレーキをかける
Yak-42の墜落事故、離陸中にブレーキをかける
州間航空委員会がYak-42の墜落事故の原因を発表した。
事故は2011年9月7日、ヤロスラーブリ市周辺に起き、ロシアの有名なアイスホッケーチームを含む44名が亡くなる大変恐ろしい事故だった。
州間航空委員会の発表によると、Yak-42の操縦士は誤った一連の操作で旅客機を墜落に追い込んだという。事故に繋がったであろう要因は次の通りとなる。
ブレーキ
離陸に向けた滑走中にブレーキがかかっていた。対地速度170キロまでは滑走は順調に行っていたが、その後足でブレーキが踏まれたことを想定できる記録がある。操縦士は自分でブレーキペダルを踏んでいることに気付かないでいた可能性が高い。多種の旅客機における長期操縦やそれに伴って形成した癖が働いて足台のことをブレーキペダルだと思い込んで操縦舵を引っ張りながらブレーキを踏む状態だった。操縦士2人のうち誰がブレーキを踏んでいたかは明らかにすることができなかったようだ。
このような状況で離陸を中止するチャンスがあったが、クルーはそのチャンスを使わなかった。エアボーンは時速210キロの時点。しかし、機体は高度5-6メートルまで達したあと、アンテナと接触して墜落した。
人事管理
事故機の操縦士の訓練にも違反が見つかった。副操縦士の運転ライセンスは偽造されたことが明らかになった。記録によると、クルーは以前主に小型のYak-40型機に乗務していた。Yak-40におけるブレーキペダル付近の足の置き方に関する規定は異なる。
副操縦士の健康状態
副操縦士はこの数年間足と腕の神経反応が遅いという診断を受けており、治療に航空規定では禁止されている薬物を服用していた。
担当航空会社の組織
このチャーター便を担当していたYak-Service航空は安全に業務を行うほどの組織や財政は整っていなかった。安全運航を維持するシステムは事実上なかった。Yak-40型機からYak-42型機へのライセンス切り替え過程には違反が確認できた。具体的に型機切り替えに関する訓練は違うタイプの旅客機での実乗務と平行して行われた為、操縦に悪影響を及ぼした可能性がある。
出発空港
上記に加え、旅客機が出発した空港は旅客国際線を担当する業務許可は持っていなかった。取得していた許可は国際貨物便に限定していたという。
トランスアエロ航空、A380を4機注文する
2011年10月28日
ロシアの第2位大手の運送航空会社トランスアエロ航空はエアバスとA380型機を4機購入に関する覚書を交わしたことを同航空会社報道部門が発表している。覚書の著名式はトランスアエロ側でオリガ・プレシャコーワ社長、エアバス側ではアジア・ヨーロッパ及び太平洋地方担当クリストフ・バークリ執行副社長の間に行われた。ロシアの国道交通省レビーティン大臣も出席した。
このように、トランスアエロは東ヨーロッパ、CIS諸国及びロシアにおける最初のA380のカスタマーとなり、モスクワ発の各幹線ルートに導入するという。エンジン選定は後ほどに行われるが、旅客機は3クラス構成で合計700席のレイアウトとなる。
オリガ・プレシャコーワ社長は次のように述べた。
「我が社は500席クラスのワイドボディー機の運航について経験が豊富で、今回はロシアの旅客に更なるコンフォートを提供する用意が出来ています。A380のような大型機を導入するにより、ロシアの航空事業のさらなる発展に繋がるでしょうし、長距離路線を利用する皆様に今までにないサービスと安全を提供することになる。」
一方、エアバスのアジア・ヨーロッパ及び太平洋地方担当クリストフ・バークリ執行副社長は次のようにコメントした。
「トランスアエロ様はA380型機の最初のカスタマーになれて嬉しく思います。ロシアはこのような旅客機を使う市場はあると確信しています。我々の予想では、ロシアの航空需要はこれから20年間世界の平均値を上回る5,6%ほどの成長率を遂げていくでしょう。このペースで成長していく需要に対しA380は最適な対策だと思います」
トランスアエロ航空、A380とB747-800の購入を計画している
ロシアの大手トランスアエロ航空は5年後にA380を購入する計画を立てていることを同航空会社のプレシャコーワさんがKomensant紙へのインタビューで伝えた。
「現在我々は旅客機71機を保有・オペレートしています。そのうち大半はワイドボディー長距離型機。当然ながらもこれからの発展に当たって一番現代的で一番大きいA380とB747-800型機を検討しています。
今日はそれぞれのメーカーと具体的な交渉の段階にあり、5年後にどちらかの機種が我々の財産になると思います。」とプレシャコーワさんがコメントしている。
同航空会社はB737, 747, 767, 777とTu-214を運航している。
また、同航空会社の多くの便が利用しているドモジェドボ国際空港では、2階パッセンジャーブリッジの設置とテスト運用作業が行われている。2012年春頃に共用開始を目指している。ドモジェドボ国際空港は以前からロシアで唯一A380型機の受け入れ認可を取得している空港となっている。
さらに、とある情報によると、A380型機を使ってロシア線でデビューするのはエミレーツ航空になるという。
航空会社、次々とライセンス停止
アルコールテスター、旅客機の装備品
州間航空委員会はパイロットによるアルコール飲酒に対し刑事罰の導入を提案している。また、アルコール服用チェックの為にコクピットに個人用のアルコールテスターを設置することも検討されている。
アルコールテスターの値段は1500米ドルで、3秒で測定能力をもっているという。2010年末のデータによれば、ロシア国内に数百機のAn-2型機を除けば旅客機1.136機が運航されているという。従って、合計費用はおよそ1.700千米ドルという計算となる。
州間航空委員会は更に航空業界に関わるパイロットだけではなくてグランドスタッフ、整備士、そして航空会社の経営関係者までのデータベースを作成し、違反を管理しようと提案している。
国道交通省では、諸々の違反が確認されているのは主に資金ぶりがよくない為に安全性を軽視している中小規模の航空会社だという。大手の航空会社では重大な事故は一切確認されていない。
資金不足の為、飛行過程を客観的に観察できる装置を使っていない運送業者がある。今後はそのような飛行コントロール装置導入義務も検討の種となるであろう。
専門家の見解では、経営側からの罰金を恐れて意図的に安全規則を破るような行為に踏み切るパイロットがいる。今後、安全性の為であれば、パイロットの判断の自由度を無限にするという案も検討される模様。
An-148、シンフェローポリで緊急着陸
2011年10月16日
ウクライナ非常事態省によると、10月16日午前中ロシア航空のAn-148旅客機はシンフェローポリ空港で緊急着陸したという。
乗務員6人乗客67人を乗せたAn-148はサンクト・ペテルブルグのプルコボ空港に向かって離陸したが、すぐに引き返して緊急着陸した。原因は右エンジンの停止と報じられている。幸い負傷者はでなかった。
ロシア航空は自社ルートにてAn-148型機を始めて導入した航空会社だ。しかし、ロシア航空は頻繁に発生する機体の不具合について数回に渡って報告を出している。また、2011年3月5日にミャンマ向けのAn-148はテスト飛行中に墜落し、搭乗していた6人は全員死亡した。

