娘は片付けるのが怖い
娘が幼い頃
私はいいお母さんになろうと
頑張って
頑張って
頑張って
頑張って
怒ってばかり
怒鳴ってばかり
イライライライラした
鬼婆だった
ある時
何度言ってもかたづけない娘に切れて
部屋の中をごみ袋持って
ガンガンごみを捨てていった。
途中
引き出しの中も
折り紙の切り屑だらけだったから
怒りに任せて文房具を取り出して
後は捨てた
その何年か後、
私は「いいお母さん」になることをやめて、
穏やかなお母さんになっていくんだけど、
娘が、「昔、お母さんに財布を捨てられた」
と言う。
何度か話したけど
ずーっと何のことかわからなかった。
それが昨日、つながった。
引き出しの中に
文房具と一緒に
家族旅行の時に気に入って買った
キャラクターのちっちゃなチャック付き袋に
お財布
と書いてあったらしい
だから娘は
その中に
大切なお年玉をしまって机にしまっておいた
それを
怒った私が
「机に切り屑に文房具以外のおもちゃまで入れてる！」
と
切れて、捨ててしまったらしい
ごめんなさい
と
この言葉以外、思い浮かばない。
ただただ、
ごめんなさい
お母さんが、悪かった
あなたの大切なものを、
捨ててしまってごめんなさい。
ただただ
頭を下げる。
許してとか
そういうことじゃなくて
ただただ詫びる。
あなたの心の傷痕はお母さんがつけたけれど
その傷痕を癒すのは、あなたにしか出来ない。
ごめんね
どうか、その傷が癒える日が来ますように。
。