抽象ではない、胸の穴。 | H2のブログ

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胸に穴の空いた銅像

単なる抽象ではないんだなぁと思う



かれこれ一年以上

まっすぐに横になるのも難しく

まともに眠れたという夜はない


心にポッカリと穴が空いているという

抽象的な感覚を通り越して

肉体の胸と腹に大きな穴が空いている実感


自立神経失調症で四六時中

みぞおちを押し込むような痛みと

肋骨をなぞるように虫が這いずるような苦痛



幼少期からの体験がふいに

フラッシュバックしてくるたびに

動悸が高鳴って頭にまで響く

ふと意識が遠のく


その度に首が垂れて胸から腹が凹むように

かがみ込んでしまう

まるで空っぽの心が爆縮するように


穴があって自分自身を支えられない


アルバート・ジョルジさん「メランコリー」



中島みゆきさんの歌に

「ネオンライトでは燃やせない‥

 故郷行きの乗車券」

というのがあった


ネオンライトでは埋められなかった

仕事では埋められなかった

物では埋められなかった

金では埋められなかった

抗うつ薬や抗不安薬でも埋められなかった

際限のない頑張りでも我慢を続けても

全く埋められなかった


むしろ穴がどんどんと大きくなって50余年


事切れた



私の故郷は父の実家ではない

3歳で祖母に略取されたそこではない

にもかかわらず再三連れて行かれて

再三虐め抜かれ耐え続けたそこではない


私の故郷は両親のもとではない

再三父の実家での再現を繰り返され

頑張りと我慢が足りないと突き放されてきた

そこではない


彼らの感情と行為をただ一方的に

垂れ流され続ける便器となった私は

父の実家でも家でも社会でも

ずっと誰かの何かの役割を演じてきた


自分の感情や意志に

蓋をし続けてきたと気がついて

気がついた時には全てが動かなくなって

心の中身さえ無くしてしまってというのか



愚かだった



私の心の故郷はどこにあるのだろう

私自身はどこにあるのだろう



「優しい優しい声の駅長が

 急ぎなさいと叫ぶ」


けれど

ドアは空いているのに

ドアに駆け込む余力もない




ありがとうございました