【陳情令】第31話「予期せぬ悲劇」感想・悲劇をもたらした理由 | 占いworld♡エンタメ部

占いworld♡エンタメ部

占いに携わる立場から主にエンタメ作品について語っていきます。
ネタバレ全開ですので、ご注意ください。

魏嬰に書状が届きます。藍湛筆の金子軒と江厭離の赤子を祝う宴の招待状。喜ぶ魏嬰。前回、藍湛が宴に先達を呼ぶのなら、魏嬰も呼ぶべきだと提案したのは、江厭離の婚姻に参加できないことを魏嬰が残念がっていたのを目の当たりにしたからなのでしょうね。藍湛は赤ん坊の金凌もさることながら、魏嬰が江厭離に会う機会を作りたかったのだと思います。

 

 

夷陵の霊宝閣。金凌の贈り物に添える飾りを探す魏嬰。金氏と宴の噂話をしている人々。金凌の一月の宴、瞭望台設置の件などと交え、江厭離は前世で徳を積んだから名家に生まれた、見た目が地味でも名家に生まれたからこその今の幸運だなどと噂しています。私は江厭離役の女優さんはとても綺麗な人だと思っているのですが、そうか地味なのね。綺麗でも地味だから、孔雀男には釣り合わないみたいに言われてしまうのか。地味のどこがいけないのか私にはよく理解できない。それと江厭離が徳の高いのは当たり前。観音菩薩か天女様かって人なので、今世も自分の幸せより周囲へ愛を届けるために生まれてきたのだろうと私は勝手に思い込んでます。

 

魏嬰が金凌に用意した贈り物は妖魔をはじく腕輪。腕輪に添える飾りも入手でき、魏嬰は温寧と一緒に金鱗台へ向かいます。

 

金鱗台へ行くため通らなければならないのが窮奇道。魏嬰に矢が放たれますが、温寧がそれを止めます。金子勲が大勢を従えて現れ「私にかけた呪いを解け!」と叫びます。金子軒のことを全く覚えていない魏嬰(笑) 「呪いってなんだよ?」と言う魏嬰に金子軒は自身についた千瘡百孔を見せます。

 

 

魏嬰が千瘡百孔の呪いをかけたと決めつけている金子勲は「お前を殺すしかない!」と啖呵を切ったため、温寧は身につけた戒めを砕き鬼将軍としての力を解放します。金子勲の手勢には金氏子弟のみならず、他の門派も加わっており、姑蘇藍氏の子弟の姿も見えます。魏嬰は金子勲と一対一で対戦していましたが、金凌への贈り物が金子勲の手に渡ってしまいました。

 

 

金子勲「これが阿凌への贈り物か。まさか本気で祝いの宴に参加できると思ったのか?」

魏嬰「(怒る魏嬰)」

金子軒「やめないか!」

 

 

金子軒に諫められる金子勲。それに納得できない金子勲は魏嬰の金凌への贈り物を粉々に潰してしまいます。怒りのあまり、金子勲に攻撃をしかける魏嬰。金子軒はその魏嬰を止め、温寧を止めるよう魏嬰に言います。

 

 

金子軒「まず、温寧を止めろ。これ以上騒ぎを大きくするな」

魏嬰「なぜ先に奴らを止めない?」

金子軒「この期に及んで意地を張ってどうする?金鱗台でお前の言い分は聞いてやる。潔白を証明できれば問題はない」

魏嬰「今俺が温寧を大人しくさせれば、直ぐに一斉に矢を放って、問答無用で俺を殺すんだろう!どう、潔白を証明するんだ?」

金子軒「私を信じろ」

 

怒りのボルテージが上がり、冷静に考えることができない魏嬰。金子勲を諫めに入った金子軒を信用できないのは、罠がしかけられているためなのかもしれません。それとも別の要因も影響しているのでしょうか。いずれにしても魏嬰がまともであれば、ここで金子軒の申し出を受け入れ、金鱗台へ行き、千瘡百孔の痕が自分にないことを証明することができるのに。そのことに考えが及ばないあたりが魏嬰は錯乱の状況にあると言えるのではないでしょうか。

 

結局、魏嬰は陳情笛を奏で、温寧の瞳孔に異変が生じます。そして温寧に背中から胸を貫かれる金子軒。

 

 

金子軒「厭離が今もお前が息子の祝いに来てくれるのを待っている」

 

絶命する金子軒。最悪の結果。江厭離と結婚し金凌も生まれ、金子軒は以前の孔雀男とは違う。死ぬことさえなければ、今度は公平に物事を捉え、魏嬰の力になってくれていたはずだと思うのです。

 

金鱗台闘妍庁。魏嬰を待つ江厭離と江澄。藍湛も訪れ、金光瑤の所在と魏嬰が着いたかを江澄に尋ねます。続いて金光瑤が現れます。

 

藍湛「斂芳尊。なぜ姑蘇藍氏の弟子たちが金子勲と出て行った?彼らの行先は、どこなんだ?」

金光瑤「含光君。どうかあわてないで。子勲は窮奇道へ行きましたが、心配には及びません。子軒も向かいました。きっと」

金氏子弟「大変です!報告します!斂芳尊!」

金光瑤「何があった?」

金氏子弟「斂芳尊。鬼将軍が人殺しを!」

金光瑤「何だと?もっと詳しく」

金氏子弟「若宗主が、鬼将軍に殺されたんです!」

 

乱葬崗伏魔洞。うなされる魏嬰。目覚めるや、視界に入った温寧を蹴り飛ばします。

 

魏嬰「他の奴ならともかく、なぜ金子軒を殺した!なんでなんだ!金子軒を殺したら姉さんはどうなるんだ!阿陵はどうなる?俺はどうすればいい!」

 

そうか。魏嬰は確かに窮奇道で冷静さを失ってはいたけれど、まさか温寧が金子軒を殺すとは思っていなかった。だから、あの場で素直に金鱗台へとはならなかったのだと、このシーンを観て気づきました。金子軒が生きてさえいれば、他のことは後でどうにでもなる。魏嬰は金子軒を傷つけるつもりは毛頭なく、標的はあくまで金子勲だったのですよね。

 

魏嬰「(長い間、乱葬崗に身を隠してきたのに。この道を選んだ結果がこんなことになるとは。俺は何をしてたんだ)」

温寧「ごめんなさい。ごめんなさい。僕が悪いんです。ごめんなさい」

魏嬰「(温寧が悪いのか?あんな風に変わったのは、こいつのせいなのか?)誰か教えてくれ。俺はどうすればいい?俺はいったいどうすればいい?誰か教えてくれ!」

 

温情は魏嬰に針を刺し、身体が動かないように施します。温情と温寧は、二人で金鱗台へ謝罪に行くと言います。魏嬰は自分に呪いの痕がないことを伝えますが、温情は証拠の釈明は無駄な行為、問題は窮奇道で起きた事実と金子軒を温寧が殺したことだと語ります。魏嬰は、温寧を制御して傀儡にしたのは自分だから、金鱗台には自分が行くべきだと叫びます。温情は自分たちが行くことで事が収まる可能性があるからと、魏嬰を眠らせ、魏嬰が眠りに落ちる間際「ごめんね。そして、ありがとう」と彼に伝えるのでした。そして温情と温寧につき従い温氏の人々も乱葬崗を降りていきます。

 

 

金鱗台。温情と温寧、温氏の人々。温情と温寧は階段を進み、温氏の人々は階段下に留まっています。

 

金光善「今日お前らを灰にしてくれる!」

 

温情は温寧の手を取り、笑顔で頷きます。全てを受け入れる表情の温寧と温情。

 

 

闘妍庁。金凌を抱く江厭離。冥銭を焼く金氏子弟。金凌の泣く声が闘妍庁に響き渡ります。

 

魏嬰の夢。江厭離『誰も責めない』、温情『ごめんね。そして、ありがとう』伏魔洞でひとり目覚める魏嬰。硬直から回復しきれない身体で乱葬崗を降りていくところで第31話は終了です。

 

第31話は忘羨要素が薄いので、感想も短く済ませるつもりだったのですが、結構長くなったように思います。何と言うか、謀略があったにせよ、色んなボタンのかけ違いが重なって最悪の結果を招いた気がしてなりません。金凌の宴に魏嬰の招待を提案した藍湛。魏嬰を招待した金子軒。金光善は陰虎符目当てだったかもしれないけれど、金凌が産まれて少しだけ魏嬰への態度が軟化してたのじゃないのかな。でなければ、金子軒の進言も聞き入れなかったと思うのです。第31話の要の人物は金子軒だと思います。彼の死により、もう後戻りできない状態になってしまった。前回、藍湛が宴に招待することを曦臣兄様が後押ししてくれていましたが、金子軒が死んでしまっては曦臣兄様の立場では、藍湛のためであってももはや魏嬰を庇うことなどできはしない。

 

謀略があったにせよ、と書きましたが、これはやはり策略の完全勝利と言えるのかもしれません。ここまで想定しての計画なら凄いとしか言いようがない。邪魔者は一網打尽にした訳だし。とは言え、この先全てが策略者の思惑通りとはいかないのですよね。これも因果応報?いずれにしても、よく考えられた構成だと関心するばかりです。かくして、魏嬰はどん底に突き落とされ、藍湛の苦悩もいっそう深まることになるのでした。ということで、第31話の感想を終わりたいと思います。