アニメ【烏は主を選ばない】 第8話「侵入者」感想・狂気の白珠 | 占いworld♡エンタメ部

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明鏡院。長束の祈る姿。物々しいBGM。控えている路近。祈り終わった長束に路近が告げます。敦房に妙な動きがある。災いの芽は早いうちに摘んだ方がよいでしょう。無言で立ち去ろうとする長束。

 

路近「桜花宮で人死がありましたよ」

長束「人死?」

路近「宗家の女房だとか。どうぞ、いつでもご命令を」

 

冒頭から長束様登場でテンション上がったのですが、長束様のセリフ「人死?」だけ。個人的にはもっとご登場頂きたいです。長束様プリーズ!

 

桜花宮から転落して亡くなったのが早桃であることを山内衆の澄尾から報告を受ける四姫と女房達。立ち去ろうとする澄尾を引き留めるあせび姫。

 

あせび「なぜ、こんなことに。あの子ったらお使いの最中に足を踏み外してしまったの?」

澄尾「原因については調査中でございます」

あせび「早桃とはついこの間おしゃべりしたばかりなのよ。明るくて誰にでも優しくて。信じられない。あの早桃が」

澄尾「今回の件に関しましては若宮も大変心を痛め、必ずや解決するよう言い使っております。よいご報告ができるよう自分も全力を尽くしますので、しばらくお待ちください」

 

藤波がよろよろとあせびの元に来て、泣き崩れます。藤波を励ますあせび。

 

 

あせびと藤波が戻ると、あせびに白珠から痛烈な言葉がかけられます。

 

白珠「早桃が殺されたと言うなら、一番怪しいのはあせびの君、あなたではありませんか?早桃を抱き込んであれこれ小細工をさせたあげく、邪魔になって始末した。おおかたそんなところでしょう」

あせび「そんな!あんまりだわ」

藤波「白珠。あせびの君への侮辱は私への侮辱ととるが、いかに!」

白珠「そうやって宗家を取り込んでいるのもそれらしいこと。本当にお母上ともどもタチが悪くていらっしゃるのね」

 

白珠のあせびへの責め立てを真赭の薄が諫めるも返り討ちされてしまいます。

 

浜木綿「やめんか、白珠。早桃は死んだんだ。少しは悼む気持ちを持て」

 

浜木綿の言葉でようやく場は収まります。ある意味絶好調の白珠ですが、この辛辣な言動は入内のためのもの。入内できなければ死ぬ覚悟の上の行為なんですよね。

 

 

庭師の一巳を若宮からまかされた雪哉。一巳は雪哉と同じ北家の者。一巳の望みを叶えるのを条件に勧誘したと言う若宮。雪哉は警備が厳しい桜花宮を見下ろせる崖へ一巳を案内します。白珠を見て動揺する一巳。

 

冬殿。鬼気迫る表情で文を小刀で切る白珠。

 

 

テロップなかったけど、東家。殿下の使いとして訪れた若宮本人。会いに来たのは病で顔に痘痕ができ登殿を辞退した東家一の姫。一の姫は御簾から顔を出し、直接若宮殿下の使いに話します。

 

一の姫「最初から痘痕などありません。あの世まで持っていくつもりでしたが、若宮殿下には真実をお伝え頂きたく存じます。わたくしが登殿を辞退した本当の理由は」

 

はい。その先のセリフを頂戴したいところですが、もちろん明かされることはありませんでした。種明かしになってしまいますものね。一の姫はあせびとは全く似ていない落ち着いた雰囲気の姫君です。自身で真相を突き止めようとする若宮もいいですね。一の姫にこの人が若宮殿下本人ですよと教えたい(笑)

 

夜の水辺に佇む白珠。手に文を切った紙の折鶴を持っています。風に飛ばされる折鶴を見つめる白珠。

 

夜の西殿に侵入者。「曲者!」との声が飛び交い、騒然となる桜花宮。夜明け間近、侵入者に藤宮連の矢が放たれます。駆けつけた白珠が見ている中、滝本が侵入者の烏を斬首。驚愕の白珠。朝日が覗き、浜木綿がうずくまる白珠に声をかけますが、動揺するだけの白珠。

 

白珠「絶対に違う。あんな汚らしい骸じゃない。あんな」

 

女房茶の花も白珠の元にやって来ます。

 

白珠「いくじなし。やっぱり来なかったのね。ふふふ」

茶の花「姫様。とにかくいったん冬殿へ」

白珠「だから違うって言ってるでしょ!やな匂い。どうしよう。これでは若宮様に嫌われてしまうわ。茶の花、香を持ってきて。着物にたきこまないと」

 

烏の姿で死ぬと人の姿には戻れないのかな。一方、早桃は烏に変化しようとしてできずに人の姿で亡くなったのですよね。

 

常軌を逸した様子の白珠は茶の花に連れられ退出しますが、残る姫達は滝本から侵入者は窃盗団の一味であろうと聞かされます。桜花宮の品が市場に流出しており、早桃は侵入者の男と繋がっていたと考えている、と。その根拠として滝本は早桃の遺体にあった早桃には分不相応な櫛を一同に見せます。早桃が盗み、男が盗んだ品を売りさばいていたが、内輪揉めで早桃を殺害。今度は自らが桜花宮へ侵入したのが真相ではないか。早桃は山烏だから、という女房の囁きにあせびは思わず発言します。

 

あせび「早桃はそんな子ではありません。あの子がいい子だということは皆様もご存知ではありませんか」

滝本「では、あせび様はどう説明されるのですか?早桃がこの櫛を持っていたことを」

あせび「それは」

浜木綿「馬鹿が。ちょっとは頭を使え」

 

この櫛なんですけど、あせびが早桃に渡したものではないでしょうか。滝本が櫛を見せた時のあせびの反応。あせびは隠密に文のやり取りを早桃に託していました。その報酬みたいなものなんじゃないかと。原作と設定が違うので、ここは推測です。

 

浜木綿は冬殿へ向かいます。あせびは浜木綿を追います。浜木綿は白珠に会いたいと茶の花に言いますが、茶の花は「お断りします。姫様は具合が悪いのです」と拒絶。浜木綿は「どんな状態か察しがつくよ」「人払いしろ!」と言い放ち、白珠の居室に入るのでした。

 

文から作られた数限りない折鶴。散乱する折鶴の中で文を小刀で切る白珠がそこにいました。

 

浜木綿「よう。だいぶ堪えた様子じゃないか、白珠」

白珠「あら、浜木綿さま。いつからそこに?おかまいできなくて申し訳ありません。あたくしに何か御用ですの?」

浜木綿「お前、もう限界だろう?宿下がりを願い出て北領に帰ったらどうだ?」

白珠「それはできないのです。あたくしは入内しなければならないのです。身の程をわきまえ、宿下がりを願い出るべきは浜木綿さまではありませんか?」

浜木綿「あぁ、そうかもしれないな。だが、お前。このままではどうにかなってしまうぞ」

白珠「もう、なってますわ」

浜木綿「あの侵入者はお前の知り合いだな?しかもかなり親しい人物だった。そうだろう?お前は最初からここに来るべきじゃなかったんだ。間違っても登殿などするべきじゃなかった。他に好いた男がいたのなら」

白珠「面白いこと仰るのね。あたくしが誰かと密通したとでも?残念でした!一巳とは何にもなかったのよ。なんにも!そんな馬鹿なことするわけないでしょ!だってあたくしは入内するためだけに生まれてきた女ですから!あたくしの心はあたくしのものではないのですから!」

 

白珠の「もう、なってますわ」の言葉の通り、完全にイッちゃってますね。「あたくしの心はあたくしのものではないのですから!」自分の心を塞いで殺してきた白珠。狂いもしますよ、そりゃ。14歳の女の子がなんでこんなこと言わなくちゃならないのか。彼女が自身を狂わせるほど、なぜ入内にこだわるのか。次回で明かされのではないかと思います。一巳とのいきさつも。

 

昔の女性、とくにお姫様は家のために嫁ぐのが当たり前。家門の責任を負うことはやんごとなき人々の定め。でも日本は中国よりはましだと思います。古代中国の女性は責任というより、はっきり言って家系や家門の道具みたいな印象が強い。傾国の美女って男尊女卑の影響がかなり入っているのじゃないかと思っているんですよね。悪いのは全部女のせい。女性が成した功績は認めない。父や夫、男性家族を助けた部分、内助の功のみ認めるみたいな。中国の傾国の美女はエグイ方々も多いですが、創作部分が多いようですよ。妲己とか。そこいくと日本の傾国の美女は可愛らしいものだと思います。話が脱線しましたが、昔の女性は大変だったけど、そのような涙の歴史の上に私たちは生きていて、現代の日本で生きることがどんなに幸せなことなのかを感謝したいよね、って言いたいだけです。すみません。

 

 

それにしても、浜木綿は格好いいな。彼女、大人ですよね。次回は白珠と浜木綿のターンな気がします。東家一の姫の登殿辞退の理由も気になりますが、明かされるのはもう少し先かも。いずれにしても第9話「烏太夫」も楽しみです!