「太陽・魚座入り」魔道祖師的スピリチュアリティ考察【正道と邪道】 | 占いworld♡エンタメ部

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 2024年2月19日13時13分頃、太陽が魚座にイングレス。3月20日お昼頃まで魚座期間となります。

 

そして、2月20日は金光瑤と金子軒の誕生日。彼らの誕生日については過去記事で触れておりますので、参照頂けると幸いです。

 

本日はこれまでに触れていなかった魚座エネルギーについて書いてみたいと思います。

 

魚座の支配星は海王星。海王星が発見されたのは1846年。海王星が発見される前は魚座の支配星は木星でした。木星は射手座の支配星で拡大や発展の意味を持ち、海王星とかぶる部分も多くあります。

 

そのひとつがスピリチュアリティ。スピリチュアリティは日本語では精神性や霊性となるかと思います。魂と訳されることもあるようです。人の尊厳や存在意義などを表し、個人の内面にある奥深い感情や信念にも通じていると考えられているため、宗教とも強い関係性があります。

 

魚座の支配星・海王星には「精神性」「祈り」「信じる」などのキーワードがあります。魚座の副支配星・木星にも「精神性」「信じる」のキーワードがあり、木星を守護星とする射手座は、西洋占星術では伝統的に「宗教」と結びつきます。

 

ただ、同じキーワード、同じスピリチュアリティという言葉でも、海王星と木星では意味合いが異なってくるのです。

 

魔道祖師は妖魔や邪鬼が跋扈し人々を脅かす世界です。それらを退治するのが修士や道士であり、仙門世家や門派です。正統な術を修める彼ら全体を玄門と呼びますが、この玄門は魔道祖師では一種の宗教と考えてもよいのかなとも思います。それも正統な宗教です。あるいは信念体系と言ってもよいでしょう。正統派という点でのスピリチュアリティは木星に繋がるものと考えます。

 

姑蘇藍氏は正統派の筆頭で、藍先生は教育者として優れると認識していた仙門世家はこぞって子弟を姑蘇の座学に行かせた訳ですね。そして藍湛は藍先生ご自慢の正統修士の鑑でした。

 

魏嬰は金丹を失ったことで邪道と呼ばれる鬼道、魔道を使わざるをえなくなりましたが、少年時代から正統でない方法への発想がありました。

 

姑蘇の座学で百人あまり殺した首切り人が怨念から邪祟になった時の対処法を聞かれ、魏嬰は第四の方法として怨念の利用を発言し、藍先生を激怒させました。この正統から外れた発想と方法は魚座的なスピリチュアリティを感じさせます。

 

【姑蘇の座学にて】

邪祟の対処法。第一から第三の回答。

藍湛「救済してから鎮め、必要であれば根こそぎ除く」

 

魏嬰の新しき第四の回答は「怨念利用」

魏嬰「霊気も怨念も気なんだから、怨念を利用して何が悪いの?」

 

邪道は正統ではない。つまり異端です。魚座つながりでイエス・キリストに少し触れますが、イエス自身は最後までユダヤ教徒でした。彼は正統ではないユダヤの教えを広めたとして正統を自認するユダヤ教徒から排斥されます。そして、彼の死後イエスの弟子たちによってキリスト教が誕生します。

 

たとえ正統から外れていたとしても、それが力や影響力を持たなければ大きな問題には繋がらないのかもしれません。魔道祖師で言えば魏嬰が藍先生に叱責され、蘭室を追い出される程度で済むのでしょう。

 

でも、乱葬崗から帰還後の魏嬰の鬼道は正統な術を上回る圧倒的な力を持っていました。金光善に至っては我が物としたいと思うほどの力です。魏嬰は、金光善がコントロールできるような人ではないので、金光善は金光瑤を使い陰虎符を狙うとともに、魏嬰の抹殺も画策したのかもしれません。

 

正統派の問題点と木星のネガティブな現れ方について書いてみます。真理を求め、高みへ飛ぼうとする性質を持ちますが、その教えとやり方についていけない人々、また己の信念体系から外れる人々を排斥し、時に迫害する恐れを否定できない一面があります。

 

排斥に留まらず、迫害、弾圧にまで至るのは、邪道や異端を駆逐し滅することが、正義のために行うべきことと信じて疑わないからです。邪道に落ちた魂を救うには死が必要、殺すことこそ相手のため、みたいな感じです。

 

そこまで極端に行かず、自己の信念体系に多少の矛盾や綻びを感じていたとしても、木星は社会の秩序を維持するために邪道や異端は排除する選択をする場合があります。異分子を残して混乱を招くのであれば取り除くことを優先するといった感じです。

 

木星はラッキースターのイメージが強いと思います。もちろんその側面もありますが、基本は「拡大と発展」させる星とお考え下さい。ネガティブなところが拡大、発展する場合もありますので、ご自身で木星の力を最大限に活用するには、何を拡大・発展させたいのかを意図する必要があろうかと思います。

 

一方、魚座の支配星である海王星は無為自然で何でもありの性質を持ちます。木星の拡大と発展は社会の枠組みの中で起こりますが、海王星には枠組みどころか境界線がありません。魔道祖師で言うなら、正道も邪道も人の役に立つなら同じでしょ?何が違うの?といったイメージです。問題は何でもかんでも区別なく取り込むのでカオスになりがちなところです。無秩序な状態は人の社会の枠組みと信念には脅威となり、正統とされる信念体系から糾弾され、犠牲となる恐れが出てきます。

 

イエスは、正統とされた最大派閥のユダヤ教を批判したため十字架にかけられました。律法主義に苦しむ弱い立場の人々に寄り添い、愛を唱えることは既存のユダヤ教とは大きな隔たりがあったのです。魏嬰の辿った道もイエスと似ていて、とても魚座的なものを感じます。

 

まだ書き足りない感じが残りますが、いささか長くなったので本日はこの辺にしたいと思います。日を改めて、このテーマを書くこともあるかもです。最後までお読み下さりありがとうございました。