変身願望 2
この時ルピーは、ジュディに逢いたい一心で、一刻も早くその海の神様とやらに出会って、自分をサメに変えてもらいたいと思った。
早速ルピーは満月の夜に海に出て、神様の出現を待った。
<今夜にでも神様が現れてくれるといいんだけどな……!>
が、残念ながら、一回目は空振りだった。待てど暮らせど、神様は現れなかった。
2回目の満月の夜、夜明けまで待ち続けたものの、今回もなぜか神様は現れなかった。
ルピーは不安になった。
「神様なんて、ホントにいるのかなぁ……!?」
そしていよいよ、3回目の満月の夜がやってきた。今夜はなんとなく神様が現れそうな気がした。波も風もいつもより穏やかで、海は静寂そのものだった。
さらに月光だけがこうこうと照り輝いて、水面を明るく映し出していた。
いってみれば、神様が出現するにふさわしい、抜群のシチュエーションだった。
「こ、今夜こそ、今夜こそ神様は現れるかも!?」
そのルピーのカンは当たった。
丁度午前1時になったところで、神様は光と共にルピーの前にその神々しい姿を現した。まぶしいほどの神々しさだった。
ルピーは圧倒され、恐る恐る言った。
「か、神様!よ、ようこそお越しくださいました。ボ、ボクはルピーと申します」
「うむ……」
ルピーが用向きを話そうとすると、その前に神様が意外なことを言った。
「お前の願い事とはなんじゃ……?」
「えっ?い、今なんとおっしゃいました……!?」
「だから、お前の願い事とはなんじゃと聞いたんじゃよ」
「ね、願い事……?ど、どうしてそれがわかるんですか?ボクに願い事があるって、どうしてわかるんですか……!?」
神様は苦笑して言った。
「どうしてって、わしは海を守る神じゃからのう。そのくらいのことがわからんでどうする」
なら、話が早い。ルピーはここぞとばかりに切り出した。
「か、神様!お願いがあります……」
「……!?……!?」
「どうか、どうかボクをサメにしてください。ワケあってボクはどうしてもサメになりたいんです!」
「ほう、どんなワケかな?」
もちろん神様はそんな事情はすでに見通していたが、ルピーを試す意味でわざとそういったのだった。
「かくかくしかじか……、そんなワケで、どうしてもボクはサメになりたいんです。お願いします。神様。どうかボクの願いを叶えてください!」
「ではサメになると、そのジュディとか言う娘が戻ってくるというのじゃな」
「は、はい。戻ってきます。絶対に戻ってきます!」
「うむ、なるほど。で、サメになって後悔せんのかな」
「は、はい。後悔しません」
「間違いないか」
なぜか神様は念を押した。
「はい。間違いありません」
「うむ……、よし。ではお前の願いを叶えてしんぜよう」
「ホ、ホントですか……!?」 ルピーは「やったー!」とばかりに飛び上がって喜んだ。
が、神様の言葉には、まだ続きがあった。
「ただし、条件がある」
「はぁ……!?」
ルピーの表情が曇った。ルピーは耳に神経を集中して神様の次の言葉を待った。