台湾のお弁当の話でも。

台湾の主要站では、
改札近くでお弁当が売られている。
台北はもとより 
私は新竹でも斗六でも左営、高雄でも
いそいそと買っている。
弁当、すなわち「便當」は
旅のお供であるとともに 
日常的によく食するもの。

一般的に中華世界では
冷たいご飯はご法度である。
大陸はもとより香港、澳門でも
冷たいご飯のお弁当はあまり好まれない。
そういう点では、
台湾における便當、あるいは
飯糰(台湾的おにぎり)は
多少異質かもしれない。


さて、今回の話は、
東部幹線の小さな町「池上」。
かつては、というか、
私が最初に台湾を鉄道で一周したとき、
21世紀の初頭だったと記憶するが、
この「池上火車站」では、
便當を駅のホームで
立ち売りするオジサンがいた。

コロナ禍が湧き上がる直前、
私は再び台湾一周をトライしたのだが
残念ながら立ち売りは終了しており
途中下車して買うしかなかった。


さて、お弁当である。
駅前のお弁当屋さんこそが
かつてホームで買った便當の販売元である。
弁当の包装紙にも
「池上鐵路月台便當」と書かれている。
月台はプラットフォームのこと。


台湾の便當というと
基本は 豚ロース肉が真ん中に鎮座し
その周りにちょっとずつ小菜がある、
というのがパターン。
ところが池上のものは
各種おかず、卵、唐揚げ、チャーシュー、
さつま揚げ、豚ローストなど
まさに食べ応え有り。


さらにいうと、
この便當、ご飯が美味しい。
冷めてもOK。
なんでも、この池上、台湾の中でも
上質米の産地とか。
日本人がここで稲作を始めたのが
上質米誕生のきっかけと
どこかで読んだような………。

台鉄東部幹線の池上など
よほどのもの好きな方しか
行くこともないだろうが
海外旅行でディープな世界を
垣間見ることが出来るとしたら
こんなときなのではと。