忘れられない記憶というものは
誰にもあって
でも、油断していると
どこかにしまい忘れてしまったりします。
食べ物の記憶というのも
意外とはかないもので
歳を重ねる事に嗜好が変わってしまったりで
何十年も記憶の外に行ってしまったりします。

でも、突然、
前触れもなく記憶どころか
味までも浮かんでくることがあります。
今は無き築地市場。
市場に出入りする人や関係者以外は
とても敷居の高いところでした。
しかし、築地の場外で働く叔父の手引きで
何度となく入り込むと
その異空間とも言えそうな場所が
浮き浮きの世界に変わったりして。
そして、そこで知ったいくつかの旨いもの、
何度となく食べた旨いものが
「天房」の天ぷらでした。

基本は穴子一本を揚げた天ぷら。
でも、やはり一番食べたのは
穴子と芝海老の天丼でした。
少し大振りの芝海老をひとつひとつ揚げる、
その手間だけで旨いと思って。
でも、食べるとサクッとした揚がり具合は
はるかに気持ちを越えて行ってしまいます。
穴子も芝海老も淡白な素材ですが
カラッ サクッと衣と
濃厚な天ダレとがまみえますと
これがもう、以下略。w
もうはるかに昔の話に
なりつつあるんだなあと。

