AIを使うと、仕事が速くなる。
これまで1時間かかっていたことが、10分で終わる。
「すごい。50分も浮いた」
普通に考えれば、そうなる。
でも最近、ちょっと疑問に思った。
その50分、本当に自分の時間になるのだろうか。
余った50分に、また何かを入れてしまう
たとえば、AIを使って文章作成が早く終わったとする。
そこで、
「時間ができたから、もう一つやろう」
となる。
さらに時間ができれば、
「せっかくだから、これも調べてみよう」
となる。
気がつけば、予定は元通りいっぱいになっている。
AIを使う前より、できることは増えた。
でも、のんびりする時間が増えたわけではない。
これは仕事だけではないような気がする。
予定が空いていると、何となく予定を入れたくなる。
何もしない時間があると、少しもったいない気がする。
少なくとも私は、空いたところがあると何かで埋めたくなることがある。
会社だったら、もっと単純かもしれない
会社がAIに投資する。
1時間かかっていた仕事が10分になった。
会社から見れば、生産性が上がったことになる。
では残った50分はどうなるか。
「50分休んでいいですよ」
とは、なかなかならないだろう。
おそらく、
「では、残りの時間で別の仕事を」
となる。
会社としては、それほど不思議な判断ではない。
AIへ投資したのだから、生産性が上がることを期待する。
その結果、会社全体で処理できる仕事は増える。
しかし働く人の忙しさは、あまり変わらない。
そんなことも起こりそうだ。
AIは時間を作れる。でも余白を作れるとは限らない
ここで少し面白いことに気づいた。
「時間が短縮されること」と「余白が増えること」は、同じではない。
AIによって時間が生まれる。
しかし、その時間を自分で別の予定で埋めるかもしれない。
会社が別の仕事で埋めるかもしれない。
そうなれば、生産性は上がっても、忙しさは変わらない。
むしろAIによってできることが増えた結果、以前より忙しくなる可能性さえある。
実は、私自身がやっていた
そして、このことをAIと話していて、おかしなことに気づいた。
AIと話していると、次々と新しいテーマが見つかる。
「これは面白い」
「こっちも調べてみたい」
「これも記録しておこう」
AIのおかげで調査や整理にかかる時間は短くなっている。
ところが、AIのおかげで新しくやりたいことも増えている。
つまり私は、
AIによって生まれた余白を、AIによって見つけた新しいテーマで埋めていた。
まさに今考えていることを、自分自身で実演していたことになる。
AIで人間は楽になるのだろうか
AIによって仕事が10倍速くなれば、人間は10倍楽になる。
どうも、そんな単純な話ではなさそうだ。
10倍速くなれば、10倍の仕事をするようになるかもしれない。
あるいは、空いた時間に新しいことを始めるかもしれない。
もちろん、それが悪いわけではない。
新しいことに挑戦するのもいい。
仕事をたくさんこなすのもいい。
休むのもいい。
大切なのは、AIによって生まれた時間が、いつの間にか何かに奪われるのではなく、その時間を何に使うのかを自分で決められることなのかもしれない。
AIは時間を作れる。
でも、その時間を余白として残せるかどうかは、AIだけでは決まらない。
さて。
AIで生まれた余白は、どこへ行くのだろう。
