AIは、
聞いていることをちゃんと理解していて、
少しズレても、
調整すれば最適な答えに近づいていくものだと思っていた。
多少の揺れはあっても、
それは精度の問題で、
本質的には「通じている」と感じていた。
でも、そこが少し違っていた。
AIには、
そもそも「理解する」という前提がなかった。
ただ、
文として自然につながる言葉を選んでいるだけ。
それだけの仕組みなのに、
そこに意図や把握を見ていた。
たとえば、
質問を少し変えると答えも変わる。
前はそれを、
「ニュアンスを読み取っている」と思っていた。
でも実際は、
入力が変わったから、
続きやすい出力が変わっただけ。
その変化に一貫性を感じていたのは、
たぶん自分の側だった。
ここで一つ、
はっきりした。
ズレを調整すれば精度が上がる、
というより
ズレているものに、
意味を見出していた可能性の方が近い。
整理すると、
AIは「理解して答えている」のではなくて、
「成立しそうな文章を出している」。
だから、
最適な答えに“近づく”というより、
それっぽさの中から、
使えるものを拾っているだけなのかもしれない。
今までの「使えている感覚」は、
完全に間違いではないけど、
前提が少し違っていた。
そのズレに気づいたあとで、
じゃあ今まで見えていたものは何だったのかと考えると、
少しだけ、手応えの正体が分からなくなる。