【第2回】

 

前回書いたように、俺はデブのくせに中学校に入学してすぐに陸上部へ迷わず入った。

 

俺は幼稚園から小学校卒業までラグビーをしていた為、スポーツ暦は既に7年と12歳としてはなかなかなものであった。そのせいで、「当然自分は体力がある方だ」と思っていたのである。

 

そもそも、陸上部がどんな活動をする団体なのかも当時は全くイメージしていなかった。

 

グラウンドを20周くらい走って何回かダッシュしておしまい!くらいなものだと思っていた。

 

颯爽と体操服を着てグラウンドへ向かい、先輩方に挨拶。3年生には2歳上の兄がおり、先輩方に俺が入ることを予め伝えておいてくれたから温かく迎え入れてもらえた。

 

長距離ブロックのキャプテンは山村先輩という、ちょっとおちゃらけているけど優しい先輩だった。

 

山村先輩「きみが弟君か。話は聞いてるよ。とりあえず練習始めるから、俺たちの後ろについてきて」

 

すごく優しい言い方に安心した。なんとかやっていけそうな気がした。

 

皆で並んで走り出したから、とりあえず一番後ろからついて行く。しかし、いきなりそのペースがけっこう早い。俺は2周(400m)しかついていけなかった。

 

何回も何回も周回遅れになり、ようやくそのジョグは終わり、ミーティングが始まった。

 

俺はもうヘロヘロだった。しかしなんとかこの練習はやり遂げた。

 

満足感に浸りながら、ミーティングに参加したが、キャプテン山村先輩はそこでとんでもない一言を発した。

 

今日のメニューは40周ペース走だ

 

何を言っているのか、理解するのに時間がかかった。

 

なんと、俺が死にそうになりながらやり遂げたのは、単なるウォーミングアップだったのである。

 

 

次回へ続く