ランニング・デビルマン -179ページ目

ランニング・デビルマン

走るデビルマンの平和を守る闘いの記録を綴ったブログ。家庭平和を守る為に、大会参加は少なくなってきましたが…。
大会で見かけたら声をかけてください。

「あの電飾はデビルマン!?」

向こうに見えるCPから声が聴こえる。
遂に第二の山である正丸峠に辿り着くと骨骨ロックなカメリアさんがお出迎え。


「とりあえずカップラーメンシーフード味をください…。」


パイプ椅子に腰を下ろし、しばしの休憩をはかる。テント脇のシートには体を横たえて休んでいる人もいた。残る距離はフルマラソン一本分。24時間までの残り時間は約6時間。


「デビル行けるか?」
「カメリアさん、俺は正丸峠の伝説になるんだ…。」


そうのたまうと再び漆黒の正丸峠へ出撃して行く。本当に真っ暗だ…。
後ろを振り向いちゃ駄目だというカメリアさんの教えに従い前だけを見て歩を進める。時折走り屋がドリフトをしながら曲がってくる峠道を電飾光らせたデビルが行く…。
暗いだけではなく、事故を起こしてはいけないということで緊張が走る。深夜の正丸峠はいろんな意味で怖いところだ…。


「あの~、どうしてもこの子達が写真とって欲しいって言うんで撮ってもらえますか?」


峠を下るデビルに車を止めて記念撮影をするヤンパパヤンママなご家族。とても真夜中の光景とは思えない正丸の出来事だ。
やがて、峠道を降りきると街灯が明るい道へ出た。


「zoffyさん、この先に正丸駅があるって言ってましたよね。トイレに寄りませんか?」


真夜中の正丸駅に二人で並んだ個室トイレにはいるの図はシュール以外の何物でもない。やはり雁坂の魔女の呪いなのだろうか。相変わらずお腹の調子は悪いままだ。


川に沿って左に曲がる高い柵のある道を進んで行くが、延々と同じような風景が繰り返されるこの道では一種の幻覚を見ているような錯覚に陥る。いつまでもいつまでも同じ場所を走り続けているような…。それでも、歩みを止めなければゆっくりでも進んでいるのだ…。


CPはまだか…。


雨粒が落ち始めてきた…。



それでも何とか進み続け、前方に人参を降る人が見えた!!


25時59分 CP7 西吾野110.2キロ地点にデビルは何とか到達した…。
残り時間は4時間。残りの距離は33キロ。この時点で時間内完走は絶望的だと悟るデビルであった…。



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疲労の色濃いデビルマン、冷やし茶漬けを喰らい回復をはかる。

「zoffyさん、デビルさんを必ずゴールまで連れていってあげて!!」

しーちゃんさんの声が聴こえる…。この人のためにも俺はいかねばなるまい。正丸峠がデビルの来るのを待ち構えているはずだ。


「ありがとう、逝きます!!」
「最終のCPで待ってるから!」

再会を誓い再びデビル&zoffy兄さんは走り出す。正丸峠へ向かうために道路を右折してしばらく行くと峠前最終のコンビニのトイレにへピットイン。雁坂の天然水による呪縛から解き放たれないままに、再び淋しくなる道を行く…。



「ほら、ここは奥武蔵グリーンラインのゴール地点だよ」

zoffy兄さんが教えてくれる。確かに見覚えのある景色だ。向こう側に見える芦ヶ久保の駅には明かりがついていた。

更に進み、登って行く道の先にチラホラと見えるランナー達が駅へ向かって道を横断して行くのが見える。今の時間ならまだ電車に乗って帰ることが出来るのだ。


(ああ、このまま正丸峠の伝説にならなくても、西武秩父線の伝説になれればそれでもいいか…)


弱気の虫デーモンがデビルに襲いくる。


すると、前方に座り込むランナーが見えた。


「どうしました?大丈夫ですか」
「脚が痙攣しちゃって…」
「それならこの薬を飲むといいですよ。」

さすがウルトラの長兄zoffy兄さんだ。薬を分け与えている時にデビルはふっと我に返る。


「ああ、俺もロキソニン持ってたんだ。今のうちに飲んでおこう!!」


ナイスな休憩&投薬タイムだ。ロキソニンは万能薬だと勝手に思い込んでるデビルマン、とにかく色んな手段を使って進むのだ。この投薬が効いたのか、弱気の虫デーモンが去って行く…。



さあ、いこう、ここから先が本当の正丸峠デーモンとの闘いだ!


右折した先は街灯もほとんどない真っ暗闇の世界だ…。漆黒の闇を切り裂くようにデビルキャノン砲(ライト)とビームライフル(ハンドライト)、zoffy兄さんの光線(ヘッドライト)が光る。バックライトは独りエレクトリカルパレード状態のデビルウィングだ!

走ることは出来ないが、歩く足取りはまだまだしっかりとしている。暗闇デーモンを一匹ずつ退治しながら進んで行く。

登り続けた先に、ついに見えたのがCP6、99.6キロ地点 雁坂の魔女改め正丸のホネホネロックが待ち受けるエイドに23時36分に到着した。


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「おお~すげ~!!ど派手だ!」

キラキラと瞬く電飾を纏ったデビルウィングを装着し、100円ショップ製品で作成されたLEDライトを両肩に装着し、ハンドライトを着けて再スタートを切るデビルマン&zoffy兄さん。この辺りから制限時間の24時間内完走が危ぶまれる声が聴こえてくる。


しばらく行くと、夕ご飯のいい匂いが漂ってきた。
道路から下にある川沿いのキャンプ場でBBQを楽しむ家族連れが沢山いるのが見える。沢山のライトで照らされて皆楽しそうに夕ご飯だ。ああ、そう言えば三連休の中日だったな…。普通なら家族で泊まりに出かけたりするんだろうけど、何が楽しくて甲府から川越を目指してるんだろうな…。皆こんな父ちゃんを許してくれよ。


夕暮れ時はデビルをセンチにしてくれる…。


家族を犠牲にしてまで出ている大会だ。意地でも川越まで辿り着く。気持ちとは裏腹に疲労が蓄積し始めていたのもまた事実。そんな時、前方左手に昔ながらの商店が現れる。どうやらこの大会の選手が寄る事がわかっていてお店を開けてくれているようだ。
デビルはアイスのショーケースを覗き込むと感嘆の声をあげる。

「あ~!!ガリガリ君コーラ味だ!」

ソーダ味にはいい加減嫌気がさしていただけに、幻のコーラ味に巡り会えるとはなんという幸運。道端に腰をおろしてしばしの至福の時を楽しむ…。



やがて、コースは秩父鉄道の線路と並走する。背中にLEDを付けた選手たちがチラホラとみえている。

追い抜かれざま

「いやあ、なんか雁坂の小林さち子って感じですね~」

と声をかけられる。どうやらこの光り輝くデビルウィングは色んな人に興味をもたれるようだ。



「あの~、これはなにをやってるんですか?」
「ああ、朝の6時に甲府を出発して川越まで行く大会なんですよ。」
「か、川越?そんな大変じゃ…。なんなら乗ってきますか?」


お姉ちゃん二人に逆ナンされるデビルマン。この時ほど心が揺り動かされた時はない。
とはいえ、そこは丁寧にお断りして記念撮影してから再スタート。


秩父の町まであと少し。久々にコンビニも寄る事ができてやっと都会の風を感じることが出来た…。秩父が都会かはわからぬが雁坂峠からすれば全てが都会だ…。

どこまでも続くかと思われるような直線道路をひた走り、遂にCP5、秩父 85キロへ到着したのは20時41分。
電飾付きデビルウィングを降ろすと疲れ切って休憩。そんなデビルに栄養ドリンクを渡してくれるしーちゃんさんがそこにはいた…。




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CP3では代表を始めそうそうたるメンバーがランナーを迎え入れていた。ここでは雁坂名物『まことちゃんカレー』と『特性スープ』とフルーツポンチをいただく。

スグソコのゴールはまだまだ遥か彼方…。


エネルギー補給を終えて体制を整えると再び戦場へ舞い戻るデビルマン。


「川越でまた会おう!」


そう誓うとzoffy兄さんと共に山岳ステージからロードへと闘いの場は移っていった。


しばらく行くと私設エイドを発見!!そしてこれ見よがしに置いてある『泡の出る飲み物』。

「これって飲んでもいいんですか?」
「あえてここにおいてあるんだけどね~。」

ええ、この後の展開はご想像にお任せしますが…。



しばらくは時折民家が現れるような静かな道を行く。カレーがこなれるまでは歩こうということであったが、どうもこの辺りからどうもお腹の調子がおかしくなってきた…。痛いとか食べられないとかではないが、チャポチャポお腹の中で奇妙な音がする。

これも雁坂の魔女の呪いか?


秩父湖脇のトイレでピットイン!



このコース、意外と公衆トイレがあるのでこういう時には困らない。しかもこの時間は観光客もいないらしく、ポツポツと走るランナーがトイレを使うだけなので気楽だ。

因みにお腹の調子が悪いくせに秩父湖の自販機でコーラを買い、大滝の温泉施設にあった自販機でセブンティーンアイスを買ったのは内緒だ…。



やがて、薄暗くなってきた道をウィングなしのデビルが行く。歩道もなく、狭い道を走る車の交通量も以外と多い。早く電飾ウィングを装着しなくては…。



17時47分 CP4 大達原 67.5キロ地点に到達。
いよいよここから先は夜間走行にはいる。デビルはリュックにしまってあったウィングを取り出して息を吹き込み始めるのであった…。



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雁坂小屋で待ち受けるのは『雁坂の魔女』ことカメリアさん(男)だ。

「おお~!デビル来たか~!」
「何か転勤してからの方が頻繁に会ってませんか?」

などというたわいもない会話を交わす。
ここでは魔女特製の雁坂の天然水で作られたラーメンを食す。山で食べるラーメンは格別だ。そして補給も当然ながら雁坂の天然水だ。冷たくて美味しいが、これがあとあとデビルを苦しめるとはこの時は夢にも思わなかったが…。


「ありがとうございました!いって来ます!」
「おお!鎖場が二箇所ぐらいあるから気をつけてな。次は正丸峠で会おう!」



SAJの大会は選手も過酷だがスタッフも更に過酷だ。
カメリアさんと女将は登山道から荷物を背負ってここまで来ているし、CPが終わればゴミや荷物を背負って再び下山する。更に次のエイドにも行くのだからハードこの上ない。この人達のお陰でデビルは闘えるのだ。感謝感激である。


さあ、下り基調だからとばすか!


この考えが激甘だと悟るのにものの3分もかからなかった。


倒木が道を塞ぐような険しい山道、歩くのも必死な足場の悪さに、走るなんてとんでもないような檄下り坂。登りのように体力を奪われる度合いは少ないが、脚へのダメージが蓄積して行く。
とは言え次のエイドまでは僅かに10キロ程だ。
短い区間だとたかをくくったのが大間違い。登山用の距離表示標識を見てデビルは愕然とした…。

次のエイドまでまだ半分も来てない。あれだけあがいてきたのに全然進んでないのか…。

心が折れるだけでなく、下りで靴の先に当たりまくっていた爪まで死んだようだ…。


それでも第2CPから先も一緒に行動してくれるzoffy兄さんがいるから何とか進むことが出来た。雨もしとしと降ってきたが、暑くなるよりはマシだ。雁坂下り坂デーモンの攻撃はデビルの想像を超えていた。




やがて…



車の走る音が聞こえるところまで来た!

「もうすぐ山道が終わる!」

喜んでからが異常に長かったが、それでも何とか山道を下り切り、第3CPの川又 52キロ地点にたどり着いた。時刻は15時06分。


$ランニング・デビルマン-image
(いけのすけスポーツ)


ゴールスグソコ アト90キロ


こんな看板を掲げたCP3にはT代表が待ち構えていたのであった。




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