「デビルマンを収容し、関門通過したランナーの後ろにワープさせよ!」
「ワープ?特別にうまいスープのことか?」
大会チーフプロデューサーからスタッフへ指示が飛んだようだ。
下り区間を最後尾で歩いていたデビルを収容した大会関係車両は一気に65.7キロの関門浜茶屋太海エイドを通過して、その先にいたランナーの後ろに停車。
しかし、どうやらこの人もどこか痛めているようだ。
「大丈夫ですか?」
「いや、もうダメです…」
デビルを乗せて来た車両も既に収容されたランナーがいて、後一人しか乗れない状況であるが、
「この人乗せて行ってください。前走者には自力で追いつきます」
「わかった、ランナーを見かけたら連絡する」
ここから次のエイドまでは約2キロ。とりあえず見えない最後尾を追いかけるものの、全く気配は感じられない。
「デビルさん、次のエイドまではだれもいませんでした。その先に何人かいます」
「ラジャー。あらゆる手を使ってなんとかしてみます」
と言ってみたものあまりにも離れすぎている。果たして追いつけるのか判らないが全力で走る以外に出来ることはない。覚悟を決めて進んで行くと69.8キロの鴨川オーシャンパークエイドに到着。
「ご苦労様です。ところてん食べて行ってや!!」
「うお!美味しそう!いただきます!!」
実はかなりのところてん好きな漢デビルマン、美味しいところてんを堪能してエイドで休憩していると75キロの最終ランナーと遭遇。どうやら100キロのランナーは随分先に行ってしまったらしい。
とりあえず最終ランナーなのでと伝えて見るものの、この75キロのランナーさんを収容しないとこのエイドは閉められないだろうなぁと思いつつ、再スタート。
行けども行けども先の見えない道のりを独り寂しく走っていると、
(もしかしてこのまま追いつけないんじゃ…)
弱気の虫が騒ぎ出す。まさか最後尾が本当に独りで最後尾でゴールするなんて羽目に陥りはしないよな…。
次回、そんな南房総でデビルマンはある偉大な男のネットワークの力をまざまざと見せつけられる。かつてないピンチを救ってくれたのは果たして?
《続く》