中間地点の通過タイムは
2時間1分12秒
ロスタイム7分44秒を引けばそれなりのタイムでは通過している。しかし、片手で常にバランスを崩して走ってきたせいか、それともXERO SHOESで無理にジグザグしてきたせいか、それとも美味しいクリームパンを食べ過ぎたせいか、徐々にペースダウン…。
気温も比較的高かったせいもあり、ミネラルも奪われていく…。
(デビルマン、あまりにも館山若潮デーモンを舐めすぎてないか?)
デーモンの声が響き渡ったその次の瞬間
ピキッ!!
足の指がつって、親指がXERO SHOESの紐を挟み込むように人差し指に絡まるように浮いて固まっているじゃありませんか!!
とはいえ、走っている最中の脚のつりには比較的冷静に対処する技を身につけているデビルマン、そのまま走ってやり過ごすことを何度も繰り返す。
地味に繰り返されるアップダウンもあり、この区間での落ち込みようはただ事ではない。まんまとデーモンの作戦にはまってしまったのである。
「こら、あかんな」
そんな矢先、デーモンの攻撃に耐えきれなくなったのか、先行するランナーがいきなり脚をもつれさせて倒れる。
「大丈夫か?」
「デ、デビルマン…」
「脚がつったか、爪先を押してやる」
「ありがとうデビルマン」
「なあに、まだまだ制限時間まではたっぷり時間がある。ゆっくり落ち着いて進もう」
そう、倒れた人に話すようにして自分に言い聞かせているのだ。
嫁さんランナーさんごめんなさい、最早追いつくことは出来ないが、これからが本当の館山デーモンとの闘いなのだ。ゴールで待っていてくれ…。
勝手に物語を脳内制作しだしたデビルマン、タイムなどは二の次なのでありました。
《続く》