今回最大の難所越えに挑む。
あたりは真っ暗で、民家もほとんど無い。静かな中に、番犬が激しく鳴く声が響き渡る。こんな時間にこんな場所で集団がいれば犬だって不審に思うだろう。ましてや異形の物が混ざっていれば…。
「うっひゃー!!坂だー!!」
先頭をひくデビルのクッソ遅いペースにしびれを切らしたのか、集団を抜け出す若い衆。元気が有り余っているのかな…。
「ここは今でこそ橋も出来て、この先のトンネルが開通していい道になったけど、昔はとても国道とは言えないような死にそうになるような道だったんですよ」
いわゆる酷道というやつである。
遭難してもまずいので、旧道には行かなかったが機会があれば行ってみたいものである。

トンネルを抜け、清和県民の森を抜け、ロマンの森を抜け、独りで行ったら確実に取り憑かれるであろうような暗闇を行く…。
勝手知ったる道とはいえ、この時間に自分の脚で通ったのは初めての経験。
脇道に逸れて、吊り橋なんかも渡ったりして、暗闇も満喫…。

こうして、森で遊びながらも次のチェックポイント、JAきみつ自然休養村に着いたのは予定時刻通りでありました…。
〈続く〉