(ふう、とりあえず補給して少し休もう…。)
そう思ったのも束の間、
「おら、デビル先に行くぞ!!」
最小限の休憩しか取らないと決めていたデビルよりも一足先にT師匠がエイドを出発する。
(ま、まじか…。)
急いで補給を済ませると後を追うようにしてデビルもエイドを出発する。とにかくこの人に付いていくことが先決だ。完走するためには今はまだ遅れちゃならない。
坂道を歩いている所でなんとか追いつき暫く一緒に行くものの、
「ここから先は自分のペースで行こう。結局最後は同じくらいの時間になるはずだから」
T師匠の提案通り、先行するデビルマン。ここでも『登りは歩いて下りは走る』の師匠の教えはきっちり守りながら進んでいく。
この区間、適度なアップダウンがあり河川敷とは違って飽きることは少ない。
やがて、T師匠を軟派したご婦人に追いつかれる…。
「デビルマンは登りは歩いて下りは走るのが作戦なの?」
「イエスサー!!」
この辺り似たようなペースだと前後のランナーの動きがよく見えるのだ。同じようなペースで何度も何度も抜きつ抜かれつを繰り返す人もいるのだ。
やがて…
「デビル~!!」
後方に退いていたSSマシンが追い付いてきた!
どうやら愉快なご一行様から抜け出して来たようだが、流石の走りである。
坂道もしっかり走っているのであっという間に置いていかれるデビルマン。気が付けば小江戸最大の分岐点、上唐子の交差点まで辿りつていた…。
《続く》