清流ASから鎌北湖に抜ける下り坂は、オクムのコース中でも最も傾斜がきつい部分だ。今までだと、脚が痛くてとてもじゃないがスピードを出して走ることなんて出来ない区間だったが、今回は違う。
箱根6区の山下りばりに、スピードに乗る(自分の中の感じ方です、念の為)。
走るってこんなにきつくて、こんなに楽しいことだったんだ…。
故障もあり、ジョグペースでしか走る事が出来なかったこの数ヶ月間忘れていた感覚が蘇ってくるのが判った。
既にボリュームゾーンでは無いので人数は少なかったが、この区間で何人かのランナーを抜き去り、最終ASの鎌北湖まで到達した。
「残り2.1キロ!時間は16時48分!!」
(駄目か…。いや、諦めたらそこで試合終了だ。行けるところまで行く!!)
鎌北湖から緩やかな下りを走り抜け、やがて平坦になる道を行く…。下りを走ってきただけに、平坦な道が登っているような錯覚に陥るが、それでもわずかに残された希望だけを信じて進む。最早脚も残っていない、体力も奪われ、気力すら失いかけているというのに…。
毛呂山町総合運動公園の入り口が見えた時、無情にも腕時計は17時を告げたのだった…。
その瞬間、脚は止まり、コース上で天を仰ぐデビルマン。
(10時間切れなかったか…。)
力尽きるとはこの事か。それでも最後に沿道の声援に応えながらヴィクトリーロードを手を振りながらゴールテープを切った…。

(提供:部長)
真夏の祭典、今年も存分に楽しませていただきデビルご満悦…。また来年もビキニに会いに来ようと心に誓うのでありました。
【終わり】

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