一瞬幻でも見たかと思ったものの、なんと良い娘さんをお持ちのことかとデビル的には羨ましく思う。いやあ、これで日本も安泰だなあとしみじみ思うとすぐさま最後の激坂アタックを敢行する!
(歩かないぞ…。)
最早、走っていようが歩いている人に抜かされる位スピードが落ち込んだデビルであるが、それでも走り続ける。歩いた方がダメージも少ないとは思うものの、意地だけがデビルの体を進めているのだ…。
坂道の途中ではこれも富士五湖の名物私設エイドでホットミルクティーを頂く。早朝から冷え切った身体に最後に染み渡る旨さだ。
「毎年これを楽しみにここまで頑張ってくるんです。」
お礼を言い、再び走り出す。
坂道の途中から急激に辺りが暗くなり始め、電飾デビルウィングが幻想的に光輝きだした…。
後続のランナーさんに勇気を与えるのだ!この時のためだけに100キロ超の道のりをバッテリーを背負って走ってきたのだから!
雁坂の幸子ならぬ富士北麓の幸子がそこにはいた…。
やがて…
長く苦しかった激坂を登り終えると、競技場までの下り坂へ突入した。ここまでくれば大丈夫だと思った瞬間、蓄積したダメージが脚を襲う。
(ヤバイ!下りで走れねえ…。)
誤算だ。下りはある程度走れると思っていたのが、登り以上に走れない!制限時間まであと僅か、時計と睨めっこしながら歩を進める。
「デビルマン帰ってきたあ!!」
「おかえり~デビルマン!」
ああ、苦しくも辛く、そして楽しかった112キロを走ってこられたのはここに帰って来たかったからなのか…。
ヨレヨレになりながらも、何とか競技場の入り口からビクトリーロードを通り抜け、待ち構えていた皆に祝福を受けながら遂に競技場に辿り着きゴールゲートをくぐった…。
ゴールタイムは制限時間の約1分前。決して狙った訳ではないが、制限時間を目一杯使って富士五湖を堪能できた事にデビルご満悦…。
そしてゴールで待っていてくれたTBRCのメンバーに感謝…。
こうして、今年のチャレンジ富士五湖は幕を閉じた。
これだけ天候の悪いウルトラもデビルにとっては初めての経験。また富士五湖がデビルを強くしてくれた気がする…。
富士五湖デーモンとの宿命の対決はまだまだ終わらないのだ…。
《終わり》

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