木更津駅に降りたつデビルマン…。
まだ、すべてを捨てて闘う漢になる前、デビルがハイスクールライフを送った街木更津。あの頃は南房総の中核都市として、東口駅前にはダイエーと西友、西口にはSOGOと十字屋という大型商業施設が建ち、商店街も活気があった。
放課後になればレンタルレコード屋の『J&L』に入り浸り、喫茶店でコーヒーを飲みながら少し大人になった気分に浸ったものだ…。
そんな思い出の街もバブル崩壊以降は相次ぐ企業撤退でさびれていく一方…。
昔日の繁栄の面影は無く、寂しい地方都市の現実と閑古鳥の無く商店街に心を痛めていたのも事実。しかし、故郷から離れてしまったデビルにできることと言えば、森田健作知事の肝入りでアクアラインを封鎖してまで千葉県が威信をかけて開催するマラソン大会を一ランナーとして盛り上げることだけ。
時は流れ、同じ選手として、大会スタッフとして、沿道の応援者として、この一大イベントに参加する多くの同級生達がいることもわかっている。
「俺に出来ることは阿鼻叫喚の地獄絵図を作り出し、皆に楽しんでもらうことだけ。今日は故郷の為にこの身も心も捧げよう…。」
駅から会場までの道のりは遠く、ランナーの事はあまり考えていないことは明白だが、その昔剣道の昇段試験で来ていた懐かしの市民体育館からデビル降臨!!
「うわ!すげー!!」
「デビルマンだよ、デビルマン!」
「写真撮っても良いですか?」
これだよ、これ…。
大きな大会に来ると阿鼻叫喚の度合いが一気に高まる気がする。マイナーな大会が大好きなデビルも、一年に一回ぐらいはメジャーな大会に出たくなる由縁だ。
活気があったあの頃を思い出すように、デビルは荷物預けからスタートグリッドに移動を開始。朋友『bird』さんと共に移動すれば、たちまちそこは撮影会に早変わり。birdさんにはマネージャー兼カメラマンみたいなことまでしてもらっちゃいましたが…。
ジリジリと上がる気温が容赦無く襲いかかる頃、デビルは最後尾ブロックのK地点に到達したのでありました。
《続く》

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