「zoffyさん、デビルさんを必ずゴールまで連れていってあげて!!」
しーちゃんさんの声が聴こえる…。この人のためにも俺はいかねばなるまい。正丸峠がデビルの来るのを待ち構えているはずだ。
「ありがとう、逝きます!!」
「最終のCPで待ってるから!」
再会を誓い再びデビル&zoffy兄さんは走り出す。正丸峠へ向かうために道路を右折してしばらく行くと峠前最終のコンビニのトイレにへピットイン。雁坂の天然水による呪縛から解き放たれないままに、再び淋しくなる道を行く…。
「ほら、ここは奥武蔵グリーンラインのゴール地点だよ」
zoffy兄さんが教えてくれる。確かに見覚えのある景色だ。向こう側に見える芦ヶ久保の駅には明かりがついていた。
更に進み、登って行く道の先にチラホラと見えるランナー達が駅へ向かって道を横断して行くのが見える。今の時間ならまだ電車に乗って帰ることが出来るのだ。
(ああ、このまま正丸峠の伝説にならなくても、西武秩父線の伝説になれればそれでもいいか…)
弱気の虫デーモンがデビルに襲いくる。
すると、前方に座り込むランナーが見えた。
「どうしました?大丈夫ですか」
「脚が痙攣しちゃって…」
「それならこの薬を飲むといいですよ。」
さすがウルトラの長兄zoffy兄さんだ。薬を分け与えている時にデビルはふっと我に返る。
「ああ、俺もロキソニン持ってたんだ。今のうちに飲んでおこう!!」
ナイスな休憩&投薬タイムだ。ロキソニンは万能薬だと勝手に思い込んでるデビルマン、とにかく色んな手段を使って進むのだ。この投薬が効いたのか、弱気の虫デーモンが去って行く…。
さあ、いこう、ここから先が本当の正丸峠デーモンとの闘いだ!
右折した先は街灯もほとんどない真っ暗闇の世界だ…。漆黒の闇を切り裂くようにデビルキャノン砲(ライト)とビームライフル(ハンドライト)、zoffy兄さんの光線(ヘッドライト)が光る。バックライトは独りエレクトリカルパレード状態のデビルウィングだ!
走ることは出来ないが、歩く足取りはまだまだしっかりとしている。暗闇デーモンを一匹ずつ退治しながら進んで行く。
登り続けた先に、ついに見えたのがCP6、99.6キロ地点 雁坂の魔女改め正丸のホネホネロックが待ち受けるエイドに23時36分に到着した。

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