「おお~!デビル来たか~!」
「何か転勤してからの方が頻繁に会ってませんか?」
などというたわいもない会話を交わす。
ここでは魔女特製の雁坂の天然水で作られたラーメンを食す。山で食べるラーメンは格別だ。そして補給も当然ながら雁坂の天然水だ。冷たくて美味しいが、これがあとあとデビルを苦しめるとはこの時は夢にも思わなかったが…。
「ありがとうございました!いって来ます!」
「おお!鎖場が二箇所ぐらいあるから気をつけてな。次は正丸峠で会おう!」
SAJの大会は選手も過酷だがスタッフも更に過酷だ。
カメリアさんと女将は登山道から荷物を背負ってここまで来ているし、CPが終わればゴミや荷物を背負って再び下山する。更に次のエイドにも行くのだからハードこの上ない。この人達のお陰でデビルは闘えるのだ。感謝感激である。
さあ、下り基調だからとばすか!
この考えが激甘だと悟るのにものの3分もかからなかった。
倒木が道を塞ぐような険しい山道、歩くのも必死な足場の悪さに、走るなんてとんでもないような檄下り坂。登りのように体力を奪われる度合いは少ないが、脚へのダメージが蓄積して行く。
とは言え次のエイドまでは僅かに10キロ程だ。
短い区間だとたかをくくったのが大間違い。登山用の距離表示標識を見てデビルは愕然とした…。
次のエイドまでまだ半分も来てない。あれだけあがいてきたのに全然進んでないのか…。
心が折れるだけでなく、下りで靴の先に当たりまくっていた爪まで死んだようだ…。
それでも第2CPから先も一緒に行動してくれるzoffy兄さんがいるから何とか進むことが出来た。雨もしとしと降ってきたが、暑くなるよりはマシだ。雁坂下り坂デーモンの攻撃はデビルの想像を超えていた。
やがて…
車の走る音が聞こえるところまで来た!
「もうすぐ山道が終わる!」
喜んでからが異常に長かったが、それでも何とか山道を下り切り、第3CPの川又 52キロ地点にたどり着いた。時刻は15時06分。

(いけのすけスポーツ)
ゴールスグソコ アト90キロ
こんな看板を掲げたCP3にはT代表が待ち構えていたのであった。

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