「ご清算はございません…。」
ホテルマンはごく普通の対応をしてくれていた。
まあ、デビルやガッチャなんて珍しくもないのだろう。外に出て商店街を抜けてスタート地点まで行く間にはあちらこちらから
変態の皆様
がワラワラとスタート地点目掛けて動き出していたのだから…。
甲府の地に集いし猛者たちがスタート地点に集結する中、デビルとガッチャも出走確認の受付を行う。
「何かデビル痩せたよね」
「中身は違う人だったりして」
中身などいない!
とは言え、雁坂の為に余分三兄弟と闘い続け、はみ肉愛好家の女帝の願いも一旦保留し、スタート地点に立つに値するだけの体は作り上げてきたのだ。やるだけのことはやった。例え一般デビルであってもある程度は闘えるはず。後は思う存分楽しむだけ…。
いつもの大会と同じように周りの皆様と挨拶したり握手したり記念撮影したりの和やかムードであっという間にスタート時間。
「ささ、デビルとガッチャはここでお見送りを」
なんと、スタート地点脇にお見送り用のヒーローズポジションまで用意され、スタート前からデビルご満悦…。

(いけのすけスポーツ)
やがて
朝6時、フェーという気の抜けたような笛の音で闘いの幕は切って落とされた。
川越で会おう!
走り出す全員に手を振りながらD&Gは大会の平和を祈る。恐ろしいデーモン達の攻撃をかわして無事に皆と川越で再会できることを信じて。当然ながらそのためにはデビル本人が無事に川越まで辿り着かねばならぬのだが…。
全員がスタートした後にD&Gもぐるっと回ってスタートライン後方からスタッフに見送られて出発した。

(いけのすけスポーツ)
長い長い闘いの始まりだ。
この時はまだ、この大会の本当の恐ろしさを知らずにいた。世の中には知らなくても良いことってあるよね。デビルは知らなくてもいいことをわざわざ知りに出掛けてしまったのかもしれない…。
《続く》

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