女子の部で、上位進出が期待される姫がつぶやく。
「今から取りに帰って来い!」
ここは厳しくデビルは叱責する。そう、明日の8時間耐久ならまだお仲間も沢山いるが、三種目に出場する
恋な人
は、zoffy兄さんと姫くらいのもんだ。ガチンコで行くにしたってあまりにも寂しいではないか…。実力者の二人はまだしも、一般人デビルは相当無理しているのだから、言いたくもなるわね。
そんなこんなでついに5キロの部スタート!
お決まりのヒーローズポジションである最後尾からゆるっと発進!先頭集団はあり得ないくらいのスピードで飛ばしていくが、総合優勝を狙うデビルは抑えて抑えて進んで行く。五キロのタイムトライアルなんていつ以来だろう?久しぶりに孤独じゃない走りが出来て、戦場に帰って来た事を実感する。
「夏のレースだから給水はしっかり取らなくちゃね!」
「あの~、誰も給水取ってないですよ…。」
まだ周回コースの1周目も終わってない段階から給水所に入り浸るデビルマン。これから二日間に渡ってエイドの皆さんにはお世話になるのだから、ちゃんとご挨拶しておかなくちゃね。五キロと言えども夏場のレースだし…。
それにしてもみんな速い。
デビルも結構頑張って走って、ほぼキロ五分で最後まで走り切りましたが年齢別では最下位に近いポジション…。
このままでは総合優勝の夢が…
次なるフルの部での巻き返しを決意して常設テントでしばし歓談。ここではスポーツエイドのT代表とも雁坂についてアドバイスを頂く。デビルウィング特別ルール適用案も頂き九月の雁坂に向けて決意を新たにしたデビルなのでありました。
私は時折苦しみについて考えます
誰もが等しく抱いた悲しみについて
生きる苦しみと 老いてゆく悲しみと
病いの苦しみと 死にゆく悲しみと
現在の自分と
そして10時、ついにフルの部がスタートした。
五キロのダメージがジワジワとデビルを苦しめる、ある意味このレース最も過酷な種目であろう42.195キロの闘いは想像を絶する苦しみと悲しみの闘いであった…。
【続く】

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