激しく痛む左脹ら脛をかばうように進むとジェットストリームアタックは崩れて行く。異変に気付いたガッチャとすぱいだぁが声をかけてくれる。
「痛いのは気のせいだ!」
「いたいならロキソニンあるよ」
どっちの言葉がどっちのものかは敢えて触れずにおこう。初参戦のすぱいだぁがここでも目茶苦茶いい働きをしたことだけは間違いない。デビルはロキソニンを投入すると脚を引き摺るように走り続けた。
先行する二人を追いかけ、痛みに耐えながら進むデビル。すると沿道からはこんな声援が
「もう1人この先にいるぞ!」
なんのことだ?デビルは一瞬判らなくて悩んだが、その答えはすぐに理解できた…。
青い人
もう一体の悪魔が走っているではないか!
しかもこのデビルマン、ウィングは背負ってないしベルトは半分回っちゃてるし明らかに素人のデビルだ。引き摺る脚で追い付ける事を考えても速い訳では無い。
申し訳ないが、このデビルに俺の代わりに魔都デーモンを退治してくれと頼むことは出来ない。ウィングの無いデビルなんてクリープの無いコーヒーのようなものだ。
もはや頼れるのはランニング•デビルマンであるこの俺だけだ。歯を食いしばる。痛いのは気のせいだ!魔法の呪文を唱えると青い人を抜き去り、先行する二人を追いかけ再びジェットストリームアタックを繰り出していく。
やがて、雷門が見えた!
こりゃあ東京マラソン走る外人さんは大喜びだよなぁ…そんな事を考えながら右折すると眼前に飛び込んできたのは東京の新名所
東京スカイツリー!!
で、でけえ…。これが人間の作った建造物なのか?圧倒されるその風貌にデビルはしばし言葉を失う。その昔、東京タワーに腰掛けて物思いに耽っていたエンディングが懐かしい。時代は流れ、もはやデビルマンの時代は終わったのか…。
浅草を折り返し今度は東京を南下。
痛めた脚でも周囲のランナーをパス出来ている。まだこんな所で死ぬわけにはいかぬ。苦しむこの時のデビルを支えていたのは32キロ付近に待っててくれているであろうTBRCプレゼンツの悪魔の麦酒
Duvel
を補給する事、ただそれだけであった…。
《続く》
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