「東京マラソンもやっぱりヴィブラムで走るんですよね!どの位の目標タイムですか?」
「まあ、最後尾スタートしてロスタイム抜きで四時間位かな?」
「それじゃ1万人位抜きますね。期待してますよ1万人抜き!」
そうか、万人単位で人数が出てくるのは確かに東京マラソン以外あり得ない…。魔都東京に潜むデーモン達をやっつけるためにはやはり最後尾スタートしかあり得ない。デビルはこの時確信した、これは俺に課せられた天命に違いないと…。
2月26日 遂に決戦の日は訪れた…。
新宿駅西口に集いし三人のヒーロー達。メタボの星デビル、やんちゃ坊主ガッチャ、フル初参戦にしていきなりのすぱいだぁまん。
ヒーロー達に言葉は要らぬ。目を見れば今日自身がすべきことは判っている。いきなり生垣の陰で真の姿に降臨した三人の周りは阿鼻叫喚の地獄絵図に!
「写真撮っても良いですか?」
「ウィングに電飾まで付いてるぞ!」
「目見えてるのか?」
お約束の撮影タイムから始まり各社の報道合戦に巻き込まれて行くヒーロー三連星。日本テレビや読売新聞、フジテレビなどの取材をこなす。
「今日はどちらから?」
「デーモン国です。」
「どうしてこんな格好で走るんですか?」
「東京の平和を守るために。」
「走りにくくないんですか?」
「え、普段着だし。っていうか他の皆がおかしいんじゃね?」
「今日の目標タイムは?」
「2時間7分台かな。」
ええ、全く一般受けしない回答にレポーターさんも苦笑い…。とりあえず普段テレビなんかほとんど見ていないデビルとガッチャにZIPポーズを教えてくれたすぱいだぁ、初参戦にしていきなりいい仕事してくれるわぁ…。
そんな時あちらからやけに目立つ外人さん登場!
「ジョセフさん!」
「お~!ひっさしぶりね!」
共にNHKで闘った仲だ。iPhoneがHDカムに変更されて益々装備が重くなっているのが気がかりと言えば気がかりだが、お互いの検討を讃えあった。
「さあ、行くか!」
三連星の向かった先は他のブロックとは明らかに違う様相をていしている
Kブロック
最後尾スタートを自らに課し、花の都大東京の平和を守るために遂に決戦の火蓋が切って落とされたかに思われたのだが、ここからが経験したことのない長い長い時を過ごさなければいけないのだと、この時の三連星はまだ知る由も無かったのであった…。
《続く》
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