ユガテASを出た瞬間、まさしく
バケツをひっくり返したような
ゲリラ豪雨に襲われる。周囲は夜のように暗く、雨は体に叩きつけるように落ちてくる。おまけにすぐそこに雷が落ちたと思われるような稲光と雷鳴が…。
デビルウイング着けてたら本気でヤバイよなぁ…。
生きた心地がしないとはこのことだ。しかもすぐに林道が川のようになって濁流が足首辺りまで来ているではないか。
ユガテから先の登り坂では抵抗以外の何物でもない上に、流れてくる木屑やら木片やらがガンガン足に当たる。靴の中に吸い込まれるようにゴミが入ってくるのだ…。
(しまった。このシューズの最大の欠点が露呈した…。)
この靴は濁流の中を走る事を想定していない。爪先はやはり伊達ではなかったのだな…。
「デビルマン、雷連れてきちゃ駄目だよ~。」
「いやいや、俺のせいじゃないから」
デビルを抜いていくランナーさんから声をかけられる。一部では雷を連れてきたのはデビルのせいみたいに言われてますが、決してそんなことはなく、何度もこのウイングを外そうかと悩んだのだよ…。いやいやこの触覚だってまずいだろ…。もしデビルに雷が落ちたらまさしく
デビルアロー
実写版完成だな…。
真っ暗な道(川)をどうにかこうにか進んでいく。こんなレースはかつて経験したことが無い。暗くて殆ど視界もなく、雨に打たれ、雷に怯え、濁流に足元を取られながら、それでもデビルはひたすら進む。例え速度が遅くとも着実にゴールは近づいているはずだ。猛り狂う奥武蔵デーモンの攻撃も終盤戦を迎えていた…。
《続く》

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