「いや、流石に下りは走らないとキツいんじゃないかな。」
折り返しから抜きつ抜かれつして進む、浴衣を改造したランニングウェアを着たギャルと言葉を交わす。
下りは走るがスピードが無くなって、沢山の人達に抜かれていく…。下り坂デーモンはデビルの太股筋を着実に蝕んでいた…。
「デビル~」
後ろから声をかけつつ抜いていくのは脚を痛めているので制限時間いっぱいで行くと言っていた『zoffy』さんだ!
あれ?脚痛いんじゃなかったっけ?貴公子と同じ技を使うとは、流石は一般人ではない…。
そんなこんなで復路を走っていると遠くで
ゴロゴロゴロゴロ…
雷デーモンの音が聞こえてくる。
(やべーなぁ…)
大会の要項にも雷については注意するように、遭遇したら避難するように書いてあるが、とにかく雷に襲われる前に山を下りたいところではある。デビルは先を急ぐがもはや思うように脚が動く筈もなく、エイドでの休息時間を削ってでも行くしかない。
この頃になると前後のランナーもまばらで寂しい限りだ。バンバンの『カメリア』さんに抜きつ抜かれつで進む。
「デビル大丈夫か?」
「時間内完走目指して行きますから大丈夫ですよ!」
空は一層暗くなってくる…。
雷の音がどんどん近くなってくる…。
グシャ!!!ドォオオオオン!!!!
ついに、雷デーモンの総攻撃が始まった…。奥武蔵最後にしても最大の敵がついにデビルマンの前に姿を現したのだ!!
《続く》

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